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hana no namae
七地寧のデビュー作。
デビュー作ゆえか、また90年代ゆえなのかとにかく読みづらい。
BLの前身ともいうべき「やおい」の語源は「やまなし・おちなし・意味なし」でありますが、
それを再確認するに至った。
80年代、90年代のJUNEあたりだと、このテの妙に技巧的な文章で綴られるBLってありがちだったような気もする。
だいたい、両方180cm以上の弓道部員てあたりからして撃沈した。
もうね、織田信長×前田利家の大男カップルかってぐらい。
…いや、案外そこらへんが狙い目だったのかもしれん!
この作品はBLじゃありません、もはや「衆道」ですよ、衆道!
衆道の極意とは受けが痛みに耐え、また攻めが痛みに耐える受けを思いやる「愛」だとかなんとか、どっかで読んだ気がするが、それを地でいくような展開。
まあ、それはそれでよろしいのだが、ヒッジョーにウザったかったのは、痛みと慕情めいた思いをおさえたまま進む受けがいかにも、こんなに耐えてるオレって素敵でしょ?的なナルシストっぷり。
耽美っちゃあ耽美ですけどね…。
ストイックはワタクシの萌えツボではありますが、ストイックがちっとも情愛やエロスに結びつかない(苦笑)
それどころか、魔がさしたようにいたしてしまう初めてのHも流血沙汰、甘い睦言のひとつもない逢瀬、それが苦行の如き難解な文章でズラッと書かれているわけです。
ちっとも癒されないBL、いや衆道小説。コンパクトさはみじんもないし、ドキドキとかワクテカは期待しないほうがいい。
文章は過剰に装飾的だし、ジェイムズ・ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」かってほどイミプーな語彙が並ぶ、「奇書」という二文字が頭に浮かんだ。
初読七地作品です。
作者の名前然り、作品タイトルも個性的だなと気になっていたのです。
千堂と英史(ひでふみ)は、大学の弓道部で親しくなるが、以前から大会で顔見知っていた。
周りからはライバルと言われるが、英史にとっては、いつも決勝で敗れる相手である。
その弓道の腕はもちろん、長身で逞しい体躯や男らしい相貌に、静謐な佇まいに、同年ながら憧れを抱いていた。
だが、同じ部の仲間として接していく内に、憧れから恋に変わっていく。
話のベースはよくあるかと思います。
でも、文章が違っていました。妙にストイックな感じです。
この方、独特なのでしょうか。
読み進める事が修業の様な感じというか・・・
文中の所々の言い回しや漢字が、自分には難しく、何度も同じ段落を読み返して、遅々と進まないのです。
「ゆっくりと責め苛み、彼の中で埒をあけ、それでも足りなくて。くながったまま身を起こし、膝の上に抱え上げた。」
「曉む事も無い空気に浸されている様で心地よく、二人は坐し続けた。」
(文中のまま)
「埒をあけ」、「くながった」って~??
想像してやり過ごすしかなかった自分に凹みました(焦)!
持っているへっぽこ辞書じゃ“埒もあかん”!←この使い方とは違うの?
「お子様は顔洗って出直しておいで!」ぺシッと本書で叩かれたような・・・まぁ仕方ないか。
受けが先制攻撃、反応した攻めがちゃんと返り撃つこの2人には、萌えさせて頂きましたので、はい~3