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・・・・・まったく、手間のかかるお坊ちゃんだ
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
水上さんの作品ではありがちな設定で、もはや読み慣れた感じはしますが、それが逆に安定感があって読みやすい。けれど、作品によって入り込めないものもあるので(それでも最後まで読みますが)、読み始めが肝心。
しょっぱなの各パート、受けたる司条隼人のやんちゃでお気楽、ちょっと駄目っ子で楽な方へ流れがちなコメディなテンション高めの軽い語り部分と、攻めの塔馬一彰のクールでかつテンション低めで、隼人がいかに美しく魅力的かと称えるクサくも感じる言葉の数々・・・。
そのふたりのテンションのあまりの違いに、これは少し話に入り込めないかも?という不安が過りました。
このテンションの違いのまま話が進まなくって良かった!
隼人が本当にどうしようもない駄目っ子で、大企業グループの御曹司ではありますが出来があまり良くないらしく、かといって出来すぎる兄・由人のことをコンプレックスに思ってはいない。
由人は極度のブラコンで、本気で隼人のことを愛してるふしがある。
そんな由人に守られ、甘やかされ可愛がられている隼人だからコンプレックスを抱く前に兄を『なんでも出来る凄い兄』という感じに慕っていて、甘やかされることに慣れ切ってる。
隼人としては兄が自分に対して極度のブラコンと思っているようですが、隼人も十分に由人に対してブラコンです。
そして、そんなふたりのブラコンぶりに呆れているけれど、どうしようもなく嫉妬してしまう塔馬。
話的には、この甘ちゃん隼人をいかに一人前の社会人に、会社勤めを立派にこなせる様に成長させるか?というのが目的で、そこへ現れた教育係が塔馬。
塔馬は隼人にとって意地悪で、傲慢でいけすかない奴。
実は塔馬はゲイで、しかも隼人にずっと片思いしていた。
そんな隼人の教育係に抜擢されて、しかも塔馬の自宅に寝泊まり!そんな美味しい状況で自分の中のケモノな部分が危うく出てしまいそうなのを抑えるのに必死。
けれど、結局は自分の気持ちを抑えられなくてキスをしてしまい・・・
ああ、お約束の流れだなぁ。
読み始め、久々に水上さんの作品楽しめないかも?と思ったものの尻上がりに面白くなってきてた作品だったので、結果的には満足でした。
隼人の「乳首」発言がけっこうツボで、ふつう攻めにイタすシーンで「どこが感じるんだうりうり言ってみろ」と促されても殆どの受けが慎み深く恥ずかしがったり「・・・そこ」とか「胸」とか言うのに、隼人は「乳首」とストレートに気持ちのいい場所を塔馬に伝える。
や、恥ずかしがってはいたのですが、恥ずかしいなりにスパッと口に出来るところがなんだか読んでいて逆にこっちが恥ずかしかった。
イタイケナまだ何も分かってない子供がその単語を口にするような感覚?
甘々でお約束設定に展開で安心して読めるので、新たなる萌えはそこまで感じられませんが、それなりに面白いお話でした。
隼人くん、良い子っ!
会社の今後について真剣に話し合っている場で呑気に里芋転がしているあたりでは…正直、この子は苦手かもしれん(ノД`)…とか思ったりしちゃいましたが。
両親・兄から愛され甘やかされて育った割には、妙なプライドとか持たずに素直で…自分が悪かったらちゃんと謝るし、気遣いも出来る子なんですよね~。
部長代理として本社の海外事業部で働いていくうちに、だんだんと自分が社会人としても男としても中途半端だと気付いて頑張ろうとするのです(*´ェ`*)
題して『次男育成計画』ですね。
弟Love(性的な意味含む)なお兄様・由人は隼人以外にはかなり厳しいやり手な人です。
…塔馬との関係がバレたらとんでもないことになりそうで…見てみたいw
受け・攻め視点での差が面白かったです。
特に風呂上がりに隼人が水を飲むシーン。
隼人視点だと単にぐい飲みしているだけなのですが、塔馬視点だと「キャーッ(*´艸`*)」な感じになるというww
秘書室の人達の腐妄想ありーの営業部員によるナンパありーの…色々な意味で楽しそうな職場です。
ってか美味しそうな料理がいっぱい出てくるので読んでいて小腹が減るという…(´・ω・`)