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芦谷と生きていく、ずっとこれからも――。
sapporo no kyujitsu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
最後までつき合って、ドッと疲れました。
今のわたしには向いてない話でした。
ただ桜木さんのファンとして、こういうルーツがあって、その後の作品があるんだ、と納得しただけかも。
とりあえず、4冊もかけて読む話じゃなかったというのが本音。
こういう着地点だったら、もっとタイトでいい。
長い分、受けがグルグルしてただけだし、わたしは受けも攻めも、どっちの魅力もまったくわからなかったので、余計にうっとうしかったかも。
この程度の話、1冊で充分。
本編以外に後日談とスピンオフを収録してまとめて1冊ってくらいのボリュームでも良いくらい、本編に起伏がなさ過ぎました。
お父さんだけは、最初から最後まで一本筋の通ったブレない人だったんで、唯一好きなキャラでしたが、あとは全員受けを良い子良い子するためだけに書かれたキャラで、まったく魅力を感じませんでした。
いろいろとあるんですが…。
とりあえず結末から感じるのは「やっぱりこの受けは一生成長しねえな」という感想です。
周り全員が譲歩してくれて、受けはそれに気分良くなって一番楽ちんな道を選んだだけで、まったく成長なしでした。
4冊もあったんだから、ちょっとくらいは成長しろよ;
お互いに自立するために東京に帰るって決意は良い。
けど、その理由がアホらしい。
「自分は攻めに寄りかかってなくても生きていけるようになる。自立する。離れていることでそれを証明する」
うん、それは自立って言わないよ?
「離れていることで証明する」って時点ですでに攻めに寄りかってるって、なんで分からないんだろう。
それって結局、攻めがいなきゃ自立する理由がないってことじゃん。
それは距離的な自立ではあるかもしれないけど、精神的にはまったく自立できてないし、そもそも自立ってそういう意味じゃない。
離れている相手を精神的拠り所にするのを悪いとは思わないから、せめて「離れてるところで攻めも頑張ってるって思ってたら頑張れる」くらいにして欲しかった。
っていうか、本気で自立したいなら、家と関係のない会社に就職しろ。
親の跡を継ぐことも視野に入れて親の会社に入るんだったら、親に他人の振りしてもらって、一般人としてきちんと試験をパスして就職しろ。
けどまあ、この受けはこの後、この会社で跡取りとしてちやほやされながら愛でられながら一生を過ごすだろうと思うので、これでいいのかもしれない。
あとは攻めがどのくらいまで無条件で頭撫で撫でしてやれるかがポイント。
それにしても、本当に薄くて長いお話でした。
たったこれだけのネタで4冊分の原稿用紙を埋めた作者の自己愛にも、それを許した出版社の太っ腹にも、ちょっと感嘆。
4冊も引っ張った末のエッチが、よく昔のテレビとかである「抱き合って電気が消えて朝になったら、ああエッチしたんだなと察してください」みたいな感じで、ちょっとビックリでした。
この本だけならやっぱり「しゅみじゃない」んだけど、それでも受けが馬鹿みたいに周りを傷つけたりしない分2・3巻よりは良いので、おまけの「中立」で。
帯『芦谷と生きていく、ずっとこれからも-。』
中立寄りの萌か、萌寄りの中立。
あのですね、何だかんだ言いつつ読み続けてたのは最終巻に期待してた訳ですよ。
名作と言われるからには読み終えた後に何かこうぐっと来るものがあるだろうとですね、思ってた訳ですよ。
結論「普通でした、名作と期待しないで読めばまあまあ」
皇の性格にイラッとしながらも最後まで読んだのは作品の魅力というより、期待で読み続けたという部分が大きいです。
期待が大きかった分、大した事無かったなーっていうのでこの評価に。
むしろ何の先入観も無く読んだ方が良かったかも。
正直「青春BLの金字塔」とかの煽り文句がこの場合は裏目に出たかなあ。
3巻から一年後から話は始まります。
皇自身にはそうイラッとしなくなったんですが、読んでいて引っかかるのがやはり周りに理解者多過ぎで結局はみんな良い人過ぎて皇は恵まれてるよなーって感じがしちゃいます。
今回勢いで皇がカミングアウトしても思ったよりは家族の反応は大した事無かったのもやや拍子抜け。
結局家族も悪い人じゃなかったっていうのも大円団ではあるんだけど、えらく一気に片付いたなーって印象。
あとカミングアウト後にラスト近くに初エロっていうのは桜木さんらしいっちゃらしいけど大学生で隣同士に住んでてちょっと枯れてる様な……別にエロを入れろって訳じゃないんですよ。
ただお互い1人暮らしで隣同士で恋人同士で1年も何も無いってむしろ不自然な気がしないでもないんですが。
書き下ろし「恋人の休日」はその後の2人と周りの人々の話。
このシリーズは煽り文句に踊らされ過ぎないで、金字塔!とか期待しないで読んだ方がいいと思います。
自分の場合はハードル上げ過ぎて読んで失敗しちゃったなーって感じ。
っていうか、
4冊かけて、この大団円なのね、、、。
まあ、何もかもがハッピーエンドで、よかったね、、はぁ
これ、普通に青春小説としてなら、この結末でも十分感動的って事でかまわない。
作品自体が古い作品で、その時代の空気感とかはいい感じで、いい青春小説だとは思う。
ニアBLとしては優れた古典作品といって差し支えない。
でも、今のBLとしては、この4冊で、この結末はどうだろう?
いくらなんでもセックスに対してのハードルが高過ぎというか、思い入れが強すぎないか?
4冊かけた上でのたった一度のエチがアレって、、、
なんだか、脱力、、、、。
四冊かけてやっと完結。青春小説としてはこれでよかったと思う。だけどBLなので、これで萌えるかと言われると…。
さんざん先延ばしにしてきた親との問題も一応解決して、じっくり攻めとの関係を深めていかなきゃいけないって時期に、わざわざ遠距離恋愛という形を選択する主人公。
結局父親の会社で働くって楽な方に行ってるし、なんだかんだ言って面倒なことから、また逃げてるように見えてしまうのはいかがなものか。攻めは医者を目指していて、これからどんどん生活がハードになるんだろうから、そばでそれを支えてあげてもよかったんじゃないかな。
なんのコネも後ろ盾もない札幌の会社で働くほうが、この子は鍛えられたような気がするんだけど、そこは作者さんとの価値観の違いなのか、まるで共感できず。
肝心の攻めとの関係はまるで深まってはおらず、まさかの卒業式まで本番エッチなし。隣同士でしょっちゅう部屋を行き来する仲で、二十歳過ぎた男ふたりが、こんなに長い期間、キスしかしてないってありえない。二十代男性はもっと生々しいでしょうに。
BL小説って、大人の女性のための男同士のロマンス小説なのだから、ふたりの精神的なつながりが、肉体のつながりによって深まっていく過程や、その結果を見たい。それなしに愛してるだのなんだのってキャラに言わせても、実感がこもってない気がして、どこか薄ら寒く感じてしまう。
男同士だからこそ、肉体的にも愛し合えるかっていうところが、BLにおいては重要な筈で、成人同士を主役にしておきながら、この作品はそこを軽視しすぎ。というか、出版社側がこれでいいと許可したことに驚いてしまった。この頃のBLって、結構過激なものもあったと思うんだけど…。