愛してる。だから憎しみで縛りつける──

この恋が終わるまで

konokoi ga owaru made

この恋が終わるまで
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×24
  • 萌10
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
59
評価数
20
平均
3.2 / 5
神率
10%
著者
いとう由貴 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784829624852

あらすじ

恋を仕掛け、裏切った相手・光春の担当となった編集者の修二。癒えない過去の傷のせいで、作家をやめ他人との関わりを捨てると言う光春を贖いのため止めようとする。だが憎しみに駆られた光春は、作家を続ける代わりに自分を抱き共に苦しむことを迫ってきた。抱くほどにその華奢な体に溺れ、修二はようやく光春への恋心に気付くが、己の罪を思い知った今、想いは伝えられず…。
(出版社より)

表題作この恋が終わるまで

元同級生の担当編集 厳垣修二・26歳
内向的な作家 日野光春(PN井原春光)・26歳

その他の収録作品

  • 温泉へ行こう
  • 初恋の人
  • あとがき

レビュー投稿数8

復讐と謝罪は、その底に初恋を持っていました。

03年のビブロス版に攻め視点『初恋の人』を書き下ろしで追加した新装文庫版です。
罪の贖罪と復讐がテーマの作品ですが、何故か胸に迫って苦しくなりました。
神にとても近い萌えです♪
イラストも最初は海老原さんだったのが、これは木下けい子さんに変わっています。
お話の割にあっさりした絵ではありますが、とりたてて美男でもなければ人並みなという主人公の風貌と雰囲気にぴったりだったと思います。

高校時代に手ひどい裏切りに傷つき、元来内向的であった性格が更に輪をかけて人を信じることができくなった作家・光春が、担当編集として、その裏切った本人・修二に再会することから始まります。
もう二度と見たくなかった彼に再会した時に芽生えた復讐心。
修二に婚約者がいる事を知り、作家を続けるのを条件に自分を抱けと命令する光春。
そこで発生する光春の心の葛藤と、修二の謝罪してもしきれない罪の意識から、恋心への認識の変化。
光春の後ろ向きな気持ちに苛立ちながらも、憐れをもよおし、
修二の心に不思議を感じながらも、ひたすら前向きな姿に心を打たれ、
複雑な気持ちになりながらも、この二人の行方が気になって気になって一気読みです。

光春が最初に修二を誘った時、きっと修二は本人自身でも彼を酷く傷つけた罪の意識があるから、作家としての才能を失くしてしまいたくなくて乗ったのだと思います。
きっとどうでもよければ、上司に怒られても光春を放っておくか、担当を降りるかしてもいいはずだったのですよ。
そんな修二だったけど、光春は復讐の意味もあるから、過去以来全く性的経験がないのに、ものすごく淫らに、欲望の塊のように修二を誘い躰をむさぼるのですが、その行為は何だか快感に溺れているものの、すごく虚しくて、不器用な光春の心の声だと思うのです。
修二が結婚間近の彼女とデートしていても、セックスしようと誘いの電話を掛けて呼び出す光春。
もうその時には彼女より修二にとって光春が、謝罪だけではなく放っておけない何とかしてやりたい、昔の過ちは本当は恋だったのだと気がついていたのですよね。
そんな気持ちの根底部分は『初恋の人』の中において明らかにされています。
そして光春も、ただ単に貪る体の関係でしか気持ちをぶつけられない事に苦しみ初めて、でも自分の気持ちを認めたくなくて、いつまでも意地を張っている不器用な子供なんです。
それを修二は知っているから、本当に根気強く光春に尽くすのです。

頻繁に愛していると口にする修二を、それでもまたいつか裏切られてしまうんではないかと怖くて、自分からも気持ちを返すことができない光春が哀れで、、
修二に何をしてもらったら光春が修二を信じられるようになるのか、ではなくて、信じることを決めるのは光春自身だから、信じさせてやることはできないという修二の言葉は、詭弁のようだけど、まさに光春の恋を認めても前進できない一番の障害を的確に表わした言葉でした。

光春が過去のトラウマによって負った傷というのがどれだけ深かったか。
それが為に子供みたいにしか振る舞い感情表現できない光春が不器用すぎて、でもそんな彼が好きで好きでたまらない、そんな二人のラブラブバカップル話が短編2編の話です。
そこの中では、自分のネガティブ思考にちゃんと気がついて、「ごめんね」ってお互いに謝ることのできる、よい関係を築いていて、よかったな~と思います。
それにしても、本当に高校時代の光春の受けた仕打ちは、ちょっと涙が出てしまうほど悲しかったです。

6

エロいけど切ない。切ないけどエロい。そんな萌えがここに。

切ないけどエロい。 がっつりエロいけど切ない。
じりじりと萌えが忍び寄る感じに読み進めました。

恋を仕掛け、裏切った相手・光春の担当となった編集・修二。
裏切りから10年。光春の傷は癒えるどころか人との関わりをすら拒もうとした。
贖罪の気持ちから何とかしなくてはと思う修二に、光春は思いがけない要求をするが…。

傷ついた光春の心情と、自分のした事に苦しみながらも光春に再び惹かれていく修二にどんどん読み進めてしまいました。

本編はどちらの想いも切なくて、エロいけどエロいだけじゃない。
(※エロは長めで多めw描写が濃い)

その分、後半の短編はただ甘く。

しかし!最後に収録されてる「初恋の人」を読むと、修二が本当に酷い奴だと実感w

光春があれだけ人間不信になっても仕方ないと納得です。

この作品を楽しむには修二のした事を許せるかどうかがポイントかと!
私的には本編が凄く良かったので… 萌えで!

3

10年越しの再会モノ

学生時代に不器用で要領の悪い光春[受]はクラスの誰もやりたがらない花壇の世話係を押し付けられています。
けれど光春は黙々と花壇の世話をし続ける日々、そんな時、クラスの人気者で光春とは対照的な修二[攻]が手伝ってくれる様になり、彼等は親しくなってそしてセックスをする仲になるのです。
修二に好きだと言われて初めての恋に夢中になる光春。
けれど実はそれが、修二が光春を落とせるかと掛けていたゲームだった事を知った光春は深く傷付き、その出来事が彼を根本的に変えてしまう程のショックを与えます。

そして10年後、小説家となった光春は新しい担当編集者として修二と再会する事となるのです。
修二の仕打ちのせいで人間不信となった光春は、小説を書く事をたてにセックスを迫ります。
そして彼等の濃厚なセックスの日々が訪れるのですな。
光春よ、ここまで……と思わなくもないのですが、それは巻末の「初恋の人」の学生時代のエピソードを読むとそりゃ人間不信にもなるわって気分にになります。
修二あんたホントに酷い男だったよ!!

光春が特に美形って訳じゃなくて平凡地味受だった点は自分的萌えポイント加算。
文章は自分的には読みにくいとは感じませんでした。

2

んーー?

イラストが木下けい子さんなので手に取りました。
(とにかく絵が好みじゃないと読めないので)

作中、光春は十人並みの容姿とさんざん出てくるのに
木下さんの絵が好み過ぎのため「なんで?かわいいのに」と
違和感を感じながら読みました。

ストーリーが読みにくいという方もいましたが、私は気になりませんでした。

本編では裏切り程度に書かれていた高校時代の復讐に納得がいかなかったのですが、
詳細がショートの「初恋の人」で書かれていて
「ひどっ!こりゃトラウマにもなるよ」と思いました。
エロがそれはもう長い。まだ終わらないか!と思うほど。
嫌いじゃないけど、疲れませんか?と言いたくなる。



2

絶倫www

あーなるほどな、新装版か。どーりで
最終的にな感想はそれです。
文章的には、ちょっと稚拙な感じがしたのもそれゆえなのかなという感想。
終わりよければ全て良し。な感じでもありますが、
どーにも色仕掛けで、淫らに身体を開きまくり~な受が不自然でした。
たしかにな、10年の月日は長いよ。教室でうけた嫌がらせもあったろーよ
だけど基本的に人間ってそ〜簡単には変われないわけで。
これが、もう少し無理して演じていた。
自分をごまかしてまでもそういうふうに見せていた。
というのならもう少し萌評価が高かったのかなと思ってしまいました。

少年時代と、恋人後~についての受。
自分も攻のことが好き?本当に?信じてもいいの?
あれだけオープンだったものが閉じこもり、おどおどに戻ってまう
エロ~も本領を発揮し始めた(それまでもだけど;)攻に翻弄される姿は
可愛くもありました。
嫌いじゃないよ。嫌いじゃないんだけどな。。。。
途中のキャラがイマイチしっくりきてないのだけが残念というか。

攻に関しては、まぁ若気の至じゃすまないものの、
結局は本能に打ち勝てず~・・・真意に気づいてメロメロに
ありがちな展開でしたな。
男女のエロ本まんまな、淫語はいかがなものよ。。
そんでもってせっかくの背徳浮気イベントなのにノリノリってどーよww
ツッコミどころは多々あるものの、底なしの絶倫。
毎度、抜かずの~プレイには恐れ入りました(ノ∀`)ぐへへw
後半、ちょっとプレイがマンネリしたのが少々残念。

とーたる。ちょっと暗いというか、妙に狂気はいった作品ですが
最終ハッピーエンドならいいじゃないと軽く読めば悪くないかもしれません

1

ツッコミどころ満載ですが…

木下さんの絵に惹かれ手に取りました!今月二回目です(笑)
面白かったです。面白かったのですが…途中んん?って思うようなこともありつつイマイチのりきれない感じが…。
でもエロはサイコーでしたw
なんだかもーおなかいっぱいってくらいエロいです(笑)
もぅこの作品はこれらのHシーンの為にあって、あとは帳尻を合わせる感じです!と言うのは言い過ぎですが。
でも10年振りなのに…とか、躊躇してたんじゃなかったんだっけ…?とか、なのに結局彼女が浮気してるの知ってたの⁉︎だったらもっと前にそれについて触れてなきゃだよ!とか、そもそも乗り込むくらい怒ってた彼女が実は浮気してるとか、しかもそれを言われてあっさり引き下がりなおかつ取られた相手たる受けと一緒にお茶するとか…なんだかツッコミどころ満載です。
でも最終的には甘々な2人にあるわけだしそこに萌はありました!
特にちょっと傲慢だった攻めが相手を慈しむのとかツボです!しかもそれが木下さんの描く攻めだなんて…それだけで満足できちゃうw

1

び…微妙すぎる…。そして読みにくい><

設定も展開も、お話自体も、すごく良かったです。
けど、あちこち読みにくい><
高校時代の回想あたりまでは、わりとすんなり読めてたんですが;

受けが攻めを復讐で誘ったのは分かる。そこに密かな想いが無自覚ながら隠れていたことも、すごく分かる。
けど、電話で呼びつけたり抱かれたり我侭を言ったりしている復讐期間の様子が、なんだかな。
う~ん、何となくの感触なので、上手く言葉では表現できないのですが……。

受けが壊れちゃって、半ば人格崩壊してる感じを狙ってるんでしょうか?
とにかく今の受けに、高校時代の可愛さとか今現在の不器用さとかがまったく重ならなくて、ホント別の人みたいで、あまりにも別の人っぽすぎて、「この人が辛い過去を抱えているからこういう事をしちゃってるんだ」ってのを途中で忘れちゃいそうになりまいた。
ちょっとくらい、後ろめたさとか人の良さとかが見え隠れしたり葛藤があったりしたほうが、受けに感情移入しやすかった気がします。
だって「ふふふ」って笑いが怖いんだもん><

あと、攻めも。
あまりにも都合が良すぎます。
「10年間ずっと好きだった」なんて、どの口が言ってんだ!
せめて「ずっと気になってた」くらいにしとけっ!
エッチのときも、すっごい違和感。
罪の意識で抱きながら情が蘇るって設定なのに、何故かエッチが始まった途端「抱いてやる」という態度。
「足を開け」「これが欲しいのか」「胸を弄れ」「俺を搾り取れ」
楽しんでんじゃんっ!そして愛を感じない!
だからかな、彼女との修羅場もものっすごく上っ面で、空々しく感じました。
だいたい、「泥棒猫」とか今どき…;

攻めも受けも、エッチシーンの人格が設定とズレまくっていて、とても違和感がありました。

けど、私がこのお話を「読みにくい」と感じた一番の要因は、地の文!
まあ、私の読解力が低すぎるからなんでしょうが。
目線がコロコロ変わるのに付いて行けませんでした。
よく「攻め目線」と「受け目線」の2面から物語を進めるお話は見るんですが、それだって一応、段落ごとに「ココからココまでは攻め目線」「場面変わってココからは受け目線」みたいな感じだと思うんです。
けど、このお話は、一文ごと、読点ごとに目線が変わるし、攻めと受けに加えて「第三者目線」まで入ってくるから、文章ごとに「あ、これは攻めか」「え?これ誰目線?あ、寺本さんか」みたいな感じで、いちいち頭使いながら突っかかりながら読まなきゃいけなくて、正直途中からストーリーどころではなくなってしまいました。
しばらく受け目線が続いて安心して読んでたら、いきなりポツンと攻め目線が出て、めっちゃ違和感感じたあとに放置で受け目線に戻られて……。
とにかく集中して読めないっ><


あと、好きな人は好きでしょうが、私はあのエッチシーンの過剰な喘ぎや悲鳴はちょっと引きました。
字だけ読んでると、エッチしてるってより、ものっすごい痛いプレイをしているみたいで、ちょっと怖かったです。


ホントに、設定も展開も、お話自体も凄く好きだったので、色々と物凄く残念!
いとうさん作品他にも前に読んだことあるけど、こんなだったかな~?

3

ラストに近づくほど深くなる

深いけど浅いような・・・良くいい表されないような話です。
この話は簡単に言うとドロドロとした三角関係を中心に話が発展するというパターンです。
ぶっちゃけ三人ともあまり良いキャラとはいえません。
正直好感が持てるキャラがいなかったんですよね。
みんなが悪役って感じです。一番マシだと思うキャラは薫かな?
光春が修二の浮気相手となって婚約者(薫)を傷つけ、
修二は婚約者を性格がはっきりしているところ以外はあまり魅力がないというような言い草で、仕方なくといったような感じでダラダラと付き合って、そして婚約者には裏がある。といった感じです。

確かにしのさんが書いてらっしゃる通り、読みにくいです。
こんなに読みにくい小説があるのかーと思うくらい。
例えが多すぎるし、格好いい言葉だけを並べているような気もするし、何より話のつじつまがあってない様な気がします。
途中で頭の中がごちゃごちゃになりました。

でも「この恋が終わるまで」の最後らへんで薫が光春にすごく良いことを言うんです。あぁーなるほどと思いながら読んでました。
薫の言葉を読んでいると、「人間失格」を思い出しました。
世間の生き辛さが書かれているので、それとすごく似ていると思ったんですよね。
共感できるところがたくさんあったのでこのシーンは気に入ってます。

光春と修二の二人の関係で一番いいと思ったところは、
光春はどうしても好きだという修二の事を信じられない。
でも昔のように、修二は光春をだましているという誤解を解かず、傷ついたままの光春を放っておかずに、
修二が必死で光春を振り向かせようと努力しているところがいいと思いました。修二もまた良いことを言うんですよね。

挿絵のほうはよく言えば繊細で色づかいも淡くていいんですが、悪く言えば線が雑なような気がしました。あと、修二は平凡な光春と比べれば格好いいという設定になってましたが、二人とも凡人に見える・・・
まあそこまではさすがに気にしませんが。






2

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