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「今日から俺がお前の主人だ」
面白かった。岩本先生が描く攻の執着愛は、罠のよう。
電子版は、表紙絵だけで挿絵無し。
九条忠久:68才 九条貿易代表 末期癌で療養中
井坂:九条家を管理、忠久の代理。
ブラッドレイ 悠里:26才
幼い頃、父は九条家の家令。
サー・ジェームス・ブラッドレイ:祖父 偉大な執事、称号騎士。
祖父死後、父がバトラースクールを継ぐ為に英国に移住。
海棠隆之:タカユキ:悠里より3才年上。母子家庭。出自に秘密がある。
帯飾りを悠里に贈り別れた幼馴染。母の死後、施設で育つ。
九条貿易をM&A、九条家の財産の所有権を取得。
・・・忠久の世話が目的で引き受けた九条の依頼。
二年契約、報酬先払いを受けて来日、、当主が三か月前に変わった事を知るユーリ。
現当主は、あのタカユキだった。
ここまで書けば、先の展開まるわかり。
執着愛 幼馴染 再会
傲岸不遜な成り上がりの若社長(攻)と、執事として彼に仕えることになった美貌の青年(受)のお話です。花嫁で執事…ぶっとんだタイトルですが至極真面目な作品で、コメディーではありません。
岩本薫さんの作品はまだ3冊目ですが、ここまで意外性のないシナリオは逆に意外でした。おそらく読者が想像したとおりに物語が進んで行きます。結果、登場人物たちの言動が妙に都合のよいものに仕上がっていて、ところどころ設定に無理がある気がしました。とはいえ、王道ゆえに分かりやすい萌えが展開されていて、最後まで飽きることなく読めました。
関連作品にはなっていませんが、2年後に刊行された「S級執事の花嫁レッスン」とゆるくリンクしています。執事モノを好んで読む機会がないので、執事のお仕事をあれこれ知ることが出来たのは面白かったです。
花嫁スキーの腐友からの借り物。
「花嫁もの?へっ?!」とか言っちゃう場合も多いのですが、
これは意外に良かった。
だまし討ちのように不本意な男嫁にされて……、というのは
BLの王道。
最初の30ページくらいで話は殆ど読めるし、
ツッコミどころも色々あるんだけれど、全体には楽しく読みました。
傲岸不遜な青年実業家と、清潔で心優しくきまじめな執事。
幼なじみで主従、本場英国仕込みのスワローテールの執事に洋館、
のみならず、日本家屋に骨董物の和服で女装、花嫁衣装は白無垢!
(足袋は着付ける前に履くんだよ?とか、喉仏はどうするんだ?とか
色々思わなくもないけれどねー。)
更にはですよ、かわゆいチビの「…ぐりとぐらよんで」というオマケまで。
初エロは、執事といえども(海千山千ならばいざしらず、奴にとっては人生初Hなのに!)
なぜ本気で拒まん?という感じだが、それなりにエロく
甘いシーンもあれこれ。
しかし、後ろ立てもない貧しい学生が20代後半までの数年でこれほどの資産って、
いやホリエモンだってもうちょっと年いってたでしょ?
あ。どっちもタカちゃんかぁ……とか、くだらないことを色々と考えてしまった。
すいません、容姿もキャラも全然違います……
和洋折衷、美味しい設定てんこ盛り、
すがすがしいほど意外な展開がない一冊でした。
深く考えずに楽しむべし。
これと言った代わり映えの設定ではないのですが
王道ものならではのラブストーリーです。
幼い頃に共に使用人の子供として幼い時を過ごし
18年の歳月が過ぎた後の仕組まれた再会です。
受け様は父親と同じ道を進む執事となっていて
昔住んでいたお屋敷に執事として召し抱えられる事に。
その懐かしいお屋敷は家令だった父や母と8歳まで暮らした場所。
その時のご主人様に使えるつもりで英国から日本に。
しかし、主人になる人は別人で昔のご主人は全てを奪われる
形で別の場所に・・・・
攻め様である新しい雇い主は傲岸不遜な態度で接して来て、
受け様は当初の予定を狂わされはしたものの契約によって
攻め様の使用人として使える事にしますが、
その人は、幼い時に家族同然に一緒に過ごした大好きだった人。
18年前の面影を見いだせない受け様は動揺を押し殺し、
執事としての務めを果たそうとするのですがうまく行かない。
そんな中で攻め様から新たな仕事を依頼されるのですが
前の主人と攻め様の養子縁組の条件が花嫁を連れてくる事で
その花嫁役を受け様にして欲しいと・・・
変わってしまった攻め様に戸惑いながらも役目を果たし
強引に攻め様に身体まで奪われてしまうのですが
時折見せる不器用な優しさや不自然な態度の謎が
後半部分で一気に解るのですが、攻め様の変わりきれない
人間味や温かさが受け様を強く引き付けるのです。
物語の背景には攻め様の一途な恋心と肉親への
憎み切れない愛情が垣間見えます。
目新しい展開はないですが落ち着いて読める1冊ですね。
題名や表紙のイラストから、絶対これは自分的地雷爆発作品に違いないとは予測していましたが、でも作家さん的に気になるし・・・
一か八かのチャレンジ作品でした。
しかし・・・爆発しました(涙)
ここまで、ストーリー展開としても話としてもキャラとしても予想通りにいってしまったのは予想外の想定内すぎてしまって。
ちょっとは裏切る要素があったら、もう少し受け入れができたかもしれないのですが、ここまでその通りだと読後の余韻とか、感慨とか、色々主人公について考えたりとか、そういうものが与えられなくて、自滅しました。
なので、本当ごめんなさいです。
でも、花嫁好きな人には王道で安心して読める作品なのかな?
お約束アイテムはきちっと網羅されて話としては出来はよいとは思います。
岩本さんの作品はたくさんよんでいるわけではないですが、人物の外見とかどういう人かとか、その説明が逐一詳しいですね。
ここまで丁寧な描写も久しぶりな気がして、導入から王道!を予感させました。
主人公・悠里が昔親の仕事で住んでいたお屋敷に、依頼されて執事として勤務することになるのですが、そこでの思いがけない幼馴染の再会。
昔の御屋敷とご主人の会社は海棠という男にM&Aで買収されて、彼のモノになっており、仕える相手は期待していた昔の主人ではなくて、かつての幼馴染だった海棠だったという始まり。
この海棠が話の鍵を握っています。
彼の生い立ちの秘密や、悠里への執着愛。
一見傲慢であるようで、悠里にとって理不尽で意にそぐわない強引さがあるのに、実は・・・という、愛があるお話。
悠里も、とても出来た人なので、実家の名誉とかそんなものに縛り付けられているようでいて、その実割とスムーズにいってしまっている点が、少し物足りなさを感じる部分だったのかもしれません。
せっかく、後半で色々見えてきて”なるほどー”という盛り上がりも、最初から予測してしまった通りに全てが進んでしまったので、例え女装の和服姿があって云々があろうと、白無垢の花嫁衣装が登場しようと、攻めがワーカホリックですごくよく働いていようと、愛があろうと、ちょっと自分的に満足までいかなかったのかもしれません。
この作品は、合う・合わないで評価がわかれるのかな?それとも自分だけ?