青春BLの金字塔、待望の文庫化!!

札幌の休日 1(文庫版)

sapporo no kyujitsu

札幌の休日 1(文庫版)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×23
  • 萌7
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
8
得点
45
評価数
14
平均
3.4 / 5
神率
14.3%
著者
桜木知沙子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
札幌の休日
発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403522413

あらすじ

大学二年の皇が住むマンションの隣に、新しい住人・芦谷が越してきた。
同じ大学に通う彼との出会いは、皇にとって人生の奇跡だった──。
複雑な出自と過度の期待に、息を詰めるようにして生きてきた皇。
その重圧から四年間だけ逃避するため、進学先に選んだ札幌の地で、
芦谷は皇の最初の友人となり、皇の世界を開く扉となった。
やがて皇は、胸の痛みとともに初めての恋を知り……?

表題作札幌の休日 1(文庫版)

22歳、大学生
20歳、大学生

その他の収録作品

  • あたらしい日
  • あとがき

レビュー投稿数8

続きがほしくなりました。

 この本読んだら、絶対、続きが欲しくなる……! と思ったら案の定でした。

 主人公の皇は、大学二年生。
 複雑な家庭の事情から、今まで人と深く関わらずに過ごしてきた皇は、せめて大学の四年間だけでも自由を満喫しようと、札幌を進学先に選んだが、今までの生活からどうやったら毎日を有意義に過ごせるかどうかわからずにいた。
 そんな皇の家の隣に越してきたのが、皇と同じ大学に通う2つ年上の芦谷。
 今まで自ら人と関わりを持とうとしなかった皇が、どういう訳だか、芦谷に対しては自分から興味を持ち、あまつさえ、初対面なのに食事に誘う、という行動に出た。
 それから、芦谷は皇の友人となり、皇の世界を開く鍵となった。
 芦谷に引っ張られるようにして、次第に行動範囲が広がる皇。
 そして次第に、芦谷に自分以外の交友関係があることが耐えられなくなってくる。
 この気持ちがなんなのか、最初は理解できなかった皇だったが、それが「恋」であることを知る。

 という話でした。
 この話、続刊が有るので、この巻では皇が自分の気持ちをようやく「恋だ」と認めるところで終わってしまっています。
 なので、とても中途半端!

 はたして芦谷は皇のことをどう思っているのか、この先二人はどうなっていくのか……。
 そういうところがまったくわからないのでうずうずして、早く続きがほしいー! ってなりました。
 皇の気持ちが本当に丁寧に書かれているので、とても切なくなるくらいで、胸がぎゅっとしました。

 読む時には、既刊を全て揃えてから読むことをお勧めします。

1

ゆっくりゆっくり青春もの

札幌が舞台ということで手に取ってみました。
北海道の大自然やご当地物・方言が出てくるわけではないけれど、東京出身の皇以外は北海道各地の出身で地名が出てきたり、函館や円山動物園にちょっと遊びに出かけたり、少し触れることはできました。

北海道の雰囲気も合わさって、子供ではないけど大人にもなりきれてない期間特有の大学生の青さが可愛くて楽しげで、危うさや子どもじみたとこ、めちゃくちゃにゆっくり焦れ焦れペースにやきもきしっぱなし!!

他者を寄せ付けず殻に閉じこもっている皇が隣に越してきた芦屋に自分から関わって、ゆっくりゆっくり友情を育んでいくのも、読んでいる方はそれ恋では!?特別感だだもれやん!!と感じるのに当人同士は特別なことは分かっちゃいるのに、特別だから、特別でいたいからの迷いや葛藤、気持ちを打ち消そうとしてすれ違い!!

実家でしんどい目にあった皇が芦屋を拠り所にしているのも、芦屋の彼女や親友にやきもち焼くのも、芦屋は全然分かってくれない!とぶちまけちゃうのも切なくて切なくて。伝わってる分かってくれてる、そうであって欲しいという身勝手さの中の真っすぐさにぎゅーとなる。

4巻あるので、ゆっくりペース?付き合ってからのお話も?どっちかなと思いながら読んでいましたが、1巻もそこそこ盛りだくさんなのに、気持ちの面はこんだけしか進まないとは~の前者パターンでした。だけど、それも楽しい。周りの友人たちの関り合いもふんだん、2人(特に皇)の成長の面も含めてうだうだぐるぐるしているのを青春だなって見守る物語でした。

0

期待し過ぎてたかな?

帯『最初にして最後、そして最上の恋。』

このシリーズ、タイトルだけは知っていたんですが未読だったんですよね。
なのでこの新装版は実に嬉しい!待ってましたーってばかりに読んでみました。

うん、ちょっと期待し過ぎてたのかもー。
普通には面白いけど、もっそい名作!!!っていう感じは正直しません。
ただ続きを読みたいと思わせるものはあったのでつかみはとりあえずOKなんじゃなかろうか。
皇[受]はもう芦谷[攻]に対して独占欲と恋心を抱いているけど、芦谷はもう付き合ってる彼女が居る訳でこの辺りがどう変化していくのかなというのは気になりますー。
普通には面白いけど、うわーー面白ぇええええって作品ではない気がしますな。
全部読み終えた後にじわじさくるタイプの作品かも。

「あたらしい日」は書き下ろしだそーです。

2

逆に新鮮

まったくもって、
実に、実に、じれったい、うじうじ、ジレジレもの。
1冊費やして、ようやく、これかぁ、、、
みたいな。

主人公、生い立ちだの色々あって、東京から札幌へ逃げてきているのですが、逃げてきた先の札幌でさえ、自分の気持ちから逃げて、一人、悲劇に浸ってる、ウジウジちゃんです。
対する芦谷は、優しさは鈍感な傲慢さと紙一重的な、天然人タラシ。

そんな二人が、お互いに一目惚れしたのに、男同士の恋愛なんてありえないだろうという自制の壁を乗り越えられず、友情の落とし穴にはまりこんで迷走しまくります。

この「僕が女だったら・・・」とウジウジしまくる主人公。
ある意味、これぞBLの醍醐味。
この延々と続きそうな堂々めぐり。
エチ突入無しのまま、いったいどこまで引っ張るのか、
なんだか、逆に新鮮です。

2

甘酸っぱい恋愛

新しい住人が、隣の部屋に入ってきた。
まるで他人に関心を寄せない皇が、この新たな隣人に興味がわいた。
変な意味ではなく、一目ぼれだった。

この作家さんは、ほんわりした雰囲気と、生活をしている空間をきっちりと書いていて読んでいて、まるで本当にそのキャラが存在しているかと思うぐらい生き生きしています。
1巻では皇と、芦谷の友情よりも恋愛に近いじわじわとしたちょっとじれったい、甘酸っぱい関係がたまりません。

0

この人たちには性欲ってないの?

1994年初版の作品の、文庫新装版。この頃の作品ってこれが普通だったのかわからないんだけど、まるまる1巻使って恋心の自覚と初めてのキスまで、ってなんだか贅沢な構成。

内容としては、主人公の気持ちがじっとりと重く、嫉妬に次ぐ嫉妬、悶々、ウジウジ、ぐるぐるの連続で、読んでいてだんだん辟易してくる。この性格が複雑な生い立ちにあるのは分かるが、青春ものというわりに、キラキラ楽しそうじゃないのがなあ…。とにかく女々しいし、気持ちを分かってもらえなくていきなりキレるし、面倒くさいワガママな女の子キャラを見てるみたい。ほのぼのでもあまあまでもなく、ただただしんどかった。みんなして受けの容姿をしょっちゅう称賛するのにもうんざりするし、あまりそれを強調されると、この後二人が結ばれても「まあ顔が綺麗だしね…」と思っちゃうのでモヤる。特に終盤の、女装するくだりは本当にいらんかった。初キスも女の子の姿だったし、なんかなー。

大学生というわりに、みんな子供っぽく思えるのは、性的に爛れた感じがないからだろうな。そこは好感が持てた。
唯一性の匂いがしたのは、芦谷が主人公の誕生日に女の子を紹介し、ホテルの部屋のキーを渡そうとしたところ。ちょっとこれはさすがに、女性を馬鹿にしすぎじゃないのか…。相手の女性は主人公をいいと言っただけで、まだ付き合ってもいないのに。なんかここだけ妙に生々しくて、この攻め気持ち悪いと思ってしまった。鈍感なのか無神経なのかわからんが、さすがにこれはないわ…。

とは言え札幌が舞台というのはなんだか新鮮で、古い作品なのにどこか目新しさを感じた。受けも攻めもあんまり好きじゃないけど、こういうお話もたまにはいいかな。

0

これは…好みが別れるちょうど境界線辺りにある気がする。

「じれったい」又は「切ない」と「イラつく」の境界線はすっごい曖昧で、人によってその線がどっちか寄りだったり幅があったりすると思うんですが、この作品はけっこうその際どいあたりに位置するんじゃないでしょうか?

私的にこの作品は「ギリギリより5歩くらいイライラ寄りのイライラ」でした。
結構グルグル系は嫌いじゃないし、切ないのはむしろ大好きなんだけどなぁ……。

とにかく、受けの独占欲が独りよがりすぎます。
出会って数ヶ月で、攻めの高校時代の友人と相対して「自分より仲のいい人が居るのを認めたくない」なんて、何様ですかと言いたい。

特殊な家柄に産まれたから、良い子を演じてきたから、ソツのない人生を強いられてきたから、すべてを諦めて生きてきたから、なのに初めて親しい人が出来たから……。
色々と言い訳は書いてあるのですが、それ以前の問題だと思えてならないのです。

今まで押さえ込まれてきたから……なんて、なんの免罪符にもならない。
私には、「今まで全部を諦めてきた子が初めて欲しいと思った」ってより、「今までこれといって欲しいって思うものがなかった甘えんぼのぼっちゃんが、初めて思い通りにならなくてうにゃうにゃ言ってる」って風にしか見えませんでした。
そんで、「だって自分は人と違うから」的な枠の中でグルグルしてる感じ。
このグルグルを「切ない」と思えるのか「またそれ?」と思うのかが、この作品に萌えと切なさを感じるかイラッとするかのボーダーのような気がします。

終盤の展開もちょっと無茶すぎ。
3人のヤンキーと殴りあいなんてする前に、「バツゲームで女装してるけど実は男なんだ、ごめんね」って言えばすむことじゃん。
しかもキレたヤンキーがひき殺す勢いで車で山の木を倒しながら追いかけてくるとか…、ナンパ失敗くらいでないから!

やっと気持ちを自覚して、「明日からは友情を取る、恋を捨てる」ってキスする意味も分からない。
友情取るならしなきゃ良いし、しちゃうんだったらもう恋を取るか全部捨てるか二者択一だと思う。
受けがいくらそのつもりでも、キスした時点で友情にはなりえないし、攻めは悩むに決まってる。
そのときケロッと「友情は変わらないよね♪」とでも言うつもりでしょうか。それとも「友情に徹するから気にしないで」と泣いて見せるのかな。このキャラなら後者かな?
どっちにしてもなんて勝手で自己陶酔的な行動……。

どうやら出生の秘密が根底にあるらしいです。
私はまだ2巻もこれからなので、それがどういう過去なのか分からない。
こういう過去ありの話って、多少嫌な奴でも「そういう過去があったからなんだね」って許せてしまったり、逆に急に愛しく思えたりするんだろうとは期待していますが、それよりも過去が出た時点ですでに修復不可能なほど受けを嫌いになっていそうで、ちょっと先行き不安です。


とか言って、このイライラが作者さんの思惑通りだったらスゴイ!
最終巻読了後に「なんて健気な~~~。籠の中飛び出せて良かったね~~~><」とか泣いてたりして(笑)
復刊するからには人気のあったお話なんだろうし、なにより長いお話のようなので、ぼちぼち付き合ってみようと思います。

2

なつかしい

時代を感じる展開、テンション、どれもなつかしいばかり。
ノベルスで拾い読みをしていたので、文庫の出し直しは嬉しいんですが、イラストが合っていないような……古くささが増すような雰囲気に、ちょっとげんなり。

とりあえず、続きは買います。
いわゆるBL的な、なんちゃってセレブな設定とか、ジレジレのもどかしい、でもわかりきっている展開とか、主人公のぐるぐる回ってる思考回路とか、そういうのが苦にならない人には、それなりにいいんじゃないでしょうか。わたしは嫌いじゃないです。

1

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