エミ
soushuhen saburoumaru no koi oni no sumu mori tuki no hara no daichakai
ファンになったのが遅く、同人誌のほとんどが完売して読めなかったものが三編、おまけまで入って、とうとう読むことができ感無量です。コミコミさんでも発売するようですが、まだ通販の開始案内がなく、直接通販して手に入れました。
一遍目の三郎丸の恋
これはなんと仙化恋情で一郎丸ができちゃった九重丸と斎の間に他にも子供ができて、その三男坊が主役の話。
三郎丸は花の17歳。悩み多きお年頃で、自分は何のために存在してるのかって哲学的に苦悩しちゃったりしてるんです。で、自分探しの旅に中国へ。何故、中国かというと、大叔母さんが中国妖弧の長で、三郎丸はそこの跡取りに決まっているから。そしてそこで神様の一人である超焔と出会って……という話なんですが、面白い。それにウブでブラコンでマザコンの三郎丸が本当にキュート。はるかに年上の超焔という悪い大人にいいようにされちゃって。最高でした。
二編目の鬼の棲む杜
これは時間的には千年恋舞の10年前の話。斎の両親がどうなったか、仙化恋情で出てきた魔とのいきさつなんかがわかる二つの話をつなぐ物語でした。
主役は綱吉と雫という霊能力者の二人なんですが、この二人の主従関係とそれぞれが持つ業の切なさが胸にきます。しかも最初のちょっとした事件がみごとに最後まで繋がっていくんです。すごいストリーテラー。
三編目の月の原の大茶会
これは仙化恋情の三年後の話です。斎が成長して子育てに盟主の仕事にと頑張ってます。妖怪もわさわさでてくるし。けれどなんといっても、子狐たちの可愛さが。モフモフに堪能です。
おまけに五木の次の転生の話もあって、本当に大満足の一冊でした。
読んで思ったこと、三郎丸の恋の前の話の狐の嫁入りが、どうしても読みたいです。
是非とも、再版、希望します。