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この作品の前に芹生さんの本を読んだのはいつだったっけ?と探してみたら、2008年12月でしたよ。そのときも久しぶりって思ったのですが、またまた久しぶりになりました。
茶鬼さんのお話だと、「鈴木カタナ」さんで書かれていたとのこと。知りませんでした・・・
さて、お話の感想です。
才能に溢れ、使い切れないほどのお金も持っている日嵩のもとへやってきたのは、悪魔の姿をした天使で、「おまえを幸せにしてやる」と言うのです。
同居生活を始め、天祐の無邪気な行動に癒されながら、それまでの心が置き去りにされたような無味乾燥な人生に、少しだけ変化が起きてくるのですが、そこに幼馴染と彼の元にいた天使が絡んだ事件が起きてしまい・・・
お話の全体に流れているのは、性善説的な人間の捉え方と、人って誰かに支えられていたいんだな、どんなに恵まれていても一人ぼっちはやっぱり寂しいんだなということでした。
天使が出てくる段階で既にファンタジーなので、多少現実離れをしていても仕方が無いかなと思いますが、日嵩はそんな人いないだろうって突っ込みたくなるくらい美貌も才能もお金もあるわけです。
で、幼馴染の室谷のほうは、人の道を踏み外してしまっている状態なのです。
そのことに天祐の幼馴染でもある元天使・日和が関係していたことから、日嵩と天祐が室谷を更生させる算段をするわけです。
天界と人間界という壮大な設定の割りに、彼らが関係している事象が非常に狭い範囲に限られているところはちょっと物足りなさを感じてしまいますが、様々な伏線も張られていてニヤッとさせられる部分もあったりするし、最終的に幸せな気分で読み終えられたので、まぁいいでしょう。
しかし、天祐はこのままずっと人間界にいるのかなぁ?なにやら続きがあるようなので、そちらに期待したいと思います。
今月創刊のリリ文庫の第一弾はこの作家さんのこの作品ですが、以前携帯小説で出ていたものを、こちらで文庫化ということだそうです。
創刊の割にちょっとセコイか?と思うのですが・・・この作家さん鈴木カタナ(バイクだよ!)という名義でもBL小説を書いてらっしゃるんですね。初読みでした。
お話は、その人間を幸せにするために地上に降りてきた天使と、その天使の命を賭して人間の友人と天使の友人を助けるお話。
この主人公の天使がまた無垢で賢くて一途な愛を見せるので、ちょっと感動します。
最終場面では胸が掴まれてキュンとしてしまった!
ひょっとしたら自分の周りにもこうやって、天使が姿を変えて自分を幸せにするために降りてきている子がいるんじゃないかしら?って、そうだったらいいな~って思えるような感覚を持ちました。
人間である作家の日嵩は、なにをやってもそつがなく作家業も成功し、TVにもひっぱりだこの人気者。
でも、その名声目当てで自分に良く接してくれている人ばかりだって、上辺ではイイ人の顔をしているけれど、中身は空虚を感じているんです。
そんな彼の元に悪魔の姿をした自称天使がやってきて「天祐」と名前を付けて同居することになります。
自分を幸せにするためにやってきたという言葉の通り、天祐と触れあううちに心があったかくなり、いつも天祐の事を考えるうになるのです。
そんな時再会した昔の友達の室谷が犯罪に手を染め欠けていることと、そこに天祐の友達の天使の日和がいることを知り、何とかしてあげたいと願うのです。
天祐は天使なんですが、日嵩の気持ちが幸せでないと悪魔の姿に、幸せなら天使の姿、エチの後には豆粒のように小さく、普段は少年の姿なのに、エチの時は大人の男にと変幻自在の姿になるのが面白い。
また光力を注ぎ込むと、官能的なエチができるようで、そのたびに日嵩がトコロテンww!!
日和は天使なのに、ものすごく負に引きずり込まれたい余り出来のよくなさそうな天使ですね~。
ルシフェルを追いかけて堕天したものの、堕天使にもなれずと中途半端な子だったんでしようがないかな?
とにかく前向きに天祐の姿が描かれているので気持ちがいい。
愛する人がいることが幸せなんだっていうことですが、周囲の日嵩を色眼鏡で見る姿は変わらないと思うんですが、愛されることが自信になってそれらを気にしなくなるってことかしらとも思ったり・・・
天祐の髪が小説ではサラサラの黒髪って表現なのに、絵がクリクリだったのが気になる、、、
しかし、色んな矛盾もあるけれどそれも気にせずに前向きに「いいな~」って思えるイイ話でしたヨ。