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帝政ロシアを舞台に繰り広げられる耽美な愛の物語です。
大貴族・ユスポフ公爵家の後継ぎとして生まれたフェリクスと、
ロシア皇帝の従弟ドミートリ大公殿下の許されざる恋。
気性が激しくて真っ直ぐなドミートリが魅力的です。
全裸でフェリクスのベッドに忍んでいた大胆さには胸がドキドキ!
フェリクスがこの美貌の大公殿下に夢中になるのも頷けます。
二人は性別も身分を越え、熱烈に愛し合います。
世界が恋の相手一色になってしまう様が、若々しくて情熱的で!とても素敵。
しかし何もかも捨てても惜しくないと思える激しい恋に身を焦がす二人に、
やがて目をそらす事の出来ない「現実」が迫ってくるのです。
ドミートリの苦渋の決断に戸惑い、そして絶望するフェリクス。
二度と交わることがないと思われたドミートリとフェリクスの運命が、
ロシア革命という歴史の激動の流れによって再び結び付けられる様は
ドラマチックで、これぞ大河ロマン!といった感じです。
皇帝一家を食い物にする怪僧ラスプーチン。
彼が残したフェリクスへの予言が、暗い未来を暗示させるラスト。
BLというよりも「耽美」「JUNE」と言ったほうがいいかもしれません。
フェリクスとドミートリは実在の人物で、実際に同性愛関係にありました。
二人とも美形です!歴史ものが好きな方にはオススメ。
そしてこの作品がデビュー作という久和まりさん。
私はこの方の作品は今回初めて読んだのですが。
とても耽美な世界でうっとりしました。
まさかコバルト文庫でこんな耽美系小説に出会えるとは!
しかし2000年以降は新作を書かれていないようで残念です……。
なぜだろう。
タイトルからなのか、冬に美形のロシア人フィギュアスケーターを
よくテレビで見るからなのか、冬に思い出して、読み返してます。
(気に入ると何度も同じ本を読み返すタイプなので)
他の方のレビューにもあるように、今のBLとは一線を画した、
JUNE風の歴史大河ロマンです。
とはいえ、別に難しい内容ではなく、濃ゆい恋愛がテーマで、
最初からスッと小説の世界に入れました。
この時代は退廃的で同性愛自体はよくあることのようで、ただ、
主人公たちは公爵と大公という高い身分のために、
自分たちの関係に問題を抱えてしまうんですね、、、。
歴史の運命に飲み込まれて進む激動のストーリーは、
史実である臨場感と相まって一気に読めてしまいます。
ラストシーンも、えっ、ここで終わるの?
という感じで、読み手側にあれこれ想像する余地を残しています。
二人のその後のことが、気になってしまうんです。
で、検索しましたよ(笑)。
まず画像。
攻めも受けも美形ということで。
見つけて、なるほどなるほど、ってニヤニヤしちやいました。
主人公のフェリクスは長生きしたらしいです。
彼の娘がユスポフの名を継いで、その血は続いているようです。
ドミトリーのほうは、あのシャネルにナンバー5の香水を作らせる
きっかけを作ったんですね。実際はプレイボーイだったとか。
ちなみに彼もアメリカ人の富豪の娘と結婚し(後に離婚)、
その子孫はフロリダの市長だかになったらしい。
亡命後に二人は再会したものの、
ロマノフ王朝復活を目指したフェリクスと
それを望まなかったドミトリーの間に亀裂が生じたと書いてありました。
それでも、処刑された多くのロマノフ一族や大貴族のことを思えば、
革命から生き延びられた二人は運が良かっのでしょうね。
こういった、その世界観にどっぷり浸れるようなBL大好きです。
また次の冬が来たら思い出して読むんだと思います。
もう絶版なのかな。
チャイコフスキーの交響曲からタイトルを取り、
ラスプーチン暗殺の実行犯として名を残している
実在の人物を両主役とした、歴史ロマン。
個人的に、思春期に嵌りきったマンガの後遺症で
ロシア革命という言葉にめっぽう弱い。
ペテルスブルグ、冬宮、マリンスキー劇場……
凍ったネヴァ河、緑萌えるツァールスコエセーロの夏……
怪僧ラスプーチンの暗殺に関しては諸説あるが、
その中で最も有名な説をかなり忠実に下敷きにして
描かれる禁断の愛。
翻訳物の文学小説のような格調高い文章、
描かれる風景、衣装、風物の味わいも深く、
それに浸りながら、歴史に思いを馳せて読む一冊。
最近のBLとは趣を異にするが、
こういう世界観がお好きな方には一読をお勧めしたい。
物語は、ドラマチックなところで終わっているが、
実はこの二人革命後も生き延びている。
そんなその後を妄想するのも、また面白い。
読み終わってハッと現実に引き戻されました。それぐらいのめり込んで読んでしまいました。ふう。作品全体の重厚な雰囲気も印象的ですが、最後の数ページの緊張感と情熱とか愛情とか色々なものが昇華するような盛り上がりが素晴らしかったです。どうしようもなく惹かれ合う二人の運命が胸に突き刺さる一冊でした。
ロシア革命前夜のペテルブルグを舞台に、実在した二人の青年――公爵・フェリクスと大公・ドミートリが邂逅を果たし、愛を確かめ合い、ロシア帝国の命運を分ける大きな事件を引き起こすまでを描いた作品です。私はそれなりに世界史が好きな方だと思うのですが、ロシア帝国については地理を含めとんと疎いので地図帳やWikipediaをちらちら参照しながら読みました。うむ、勉強になった…。
フェリクスのモノローグや淡々とした描写も多いですが、二人が愛し合う場面はとてもロマンティックです。「萌える」とはちょっと違いますが、狂おしいほどお互いがお互いを愛していることが伝わってきます。四季の名を冠した四つの章で構成されていて、ドミートリとの再会に感情が萌える「春」から始まり、二人が過ごした年月の喜怒哀楽が各章にぴったりで何とも美しい作品だなぁと思いました。
カラー口絵の代わりにモノクロの人物紹介イラストがあるのですが「みんなタレ目だ!」と思ってしまいました。実際に画像を見ましたが…実物のほうがハンサムですね。これぞロマン(笑)。