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この方のお話は初読みです。
三雲アズさんのかわいらしいほんわりした絵がとても印象的でつい手にとってしまいました。
お話は事故の加害者と被害者の兄、そして加害者の恋人の三角関係。
最初から最後までもう胸が締め付けられて苦しくて思わず涙が出てしまいました。
歩は音大でピアノを勉強している青年ですが、年上で会社の社長をしている神谷と恋人で一緒に暮らしています。
そんな歩が車で少女を轢いて死なせてしまい、その兄から責められるのですが、赤信号で歩行者が飛び出したということで起訴猶予処分となった為、償いをしようとその少女の兄・滝沢の元へ通いだす歩。
歩はただひたすら償いたいと健気なんです。
滝沢にどんなに酷い目にあわせれても罵られても、それでもあきらめずに恋人の神谷にウソをついてまで償おうとする、その健気な一言につきるんです。
歩は親が早くに亡くなり、歳の離れた兄が歩を捨てて出て行ってしまったことがきっとトラウマになったのだと思うのです。
そんな時に神谷に救われたので、きっと歩も境遇の似た滝沢を何とかして救ってあげたいって思ったのでしょう。
滝沢は歩に当たりながらも、自己嫌悪に陥った表情を見せたり、優しい顔を見せたりして、それでも一生俺のモノになって償えって言ってるんです。
彼のその態度も、後でわかる事実にやりきれない想いを実は抱えていたことがわかります。
歩は神谷にも縛り付けられて、ひょっとしてM体質なのか?と疑ってしまうくらいなんですが、それは捨てられることの怖さからきているんだなと思うのですよ。
神谷は愛することに不器用な人でした。
相手を自分の思うままにしないと気が済まない、とても歩を大事に想い愛していることはわかるのですが、閉じ込めておきたいとその人間性を自分の枠の中でしか認められない人。
歩は愛されていることはわかっている、だけどそれでは満足しないわけで。
自分の意思で考えて動いて、それは酷い仕打ちだけど感情をあらわにしてぶつけてくる滝沢に惹かれていってしまうのは仕方ないな~って思うのです。
この滝沢への気持ちと神谷への気持ちに揺らぐ歩が切なくて、悲しくて。
まるで女みたい、とか弱っちい、とか反感を覚える性格かもしれないですが、それでも自分にはものすごく共感できる胸を打つ歩の気持ちと姿なのです。
二人の逃避行のやりとり、その後の神谷の行動に思わず涙が・・・
縛る愛、ぶつける愛、尽くす愛、
三人三様の愛の形がうまく絡んで、魅せられました。