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何とも今見返すと不思議な判型です。
現在の様な軽装のノベルス版ではなく、かと言って
耽美小説レーベルで用いられていたハードカバー版
ノベルズ仕様でもない。
B6版でハードカバー、そして中編が一編収まる程度に
抑えられた紙幅という当時としても画期的な版型です。
このエクリプスと言う小説レーベルは中々に
へそ曲がりな部分があった様で、後日刊行された雑誌が
A4版であったりもしました。
そう言う環境で刊行された野心作と言いますか、実験作と
思って読むと何となく手応えが変わってくる様な気がします。
書き手の癖はどうしても時代を反映しますが、
展開自体の古び方は恐らくないものかと。
あとは読み手との相性次第でしょう。
これもファンタジーの部類でしょうね。
天才的な彰人は人嫌いで広大な敷地の別荘で密かに研究を
続けている変人です。
そしてその彰人を博士と敬愛を込めて呼びお世話しているのが
孤児で6歳から引き取られて現在一緒に暮らしている尚です。
この彰人には20歳の時に体外受精して兄へ里子に出している
子供がいたのですが、3歳で亡くなっているのだが現在も
生きている事になっている。
それは天才的な頭脳を活かし人間と同じように精密なアンドロイドを
作って息子を蘇らせたのです。
そして成長に合わせて2年に1度人工肉体の更新をしてる
なんともシュールなお話です。
そして博士は一般的な感情が壊れています。
自分の作り出した息子を溺愛し、エロいこともしてます。
それを悲しい目で切なそうに見つめている受け様の尚。
でも、実はこの尚もアンドロイドだったんですよ。
それも優しくて穏やかで花を見つめうっとりしてしまう。
人間よりも人間ぽいアンドロイドなんです。
そして博士が大好きなんですよね。
博士は受け様を欠陥品だと冷たい目でみているのです。
でも、受け様は自分がアンドロイドなんてわからないのです。
まぁ、人間的な感情が欠落した博士がアンドロイドである
受け様に心を奪われて、性格も人間らしくなっていくお話です。
でも、何度も受け様は分解されそうになったり壊されそうに
なったりするんですよね。アンドロイドでも可哀そうです。
でも、全てを許せる優しさを持っている受け様。
プログラムとは関係なく独自の進化をした感じかも知れません。