水青
崎谷はるひさんの『鈍色の空、ひかりさす青』という作品をご存知の方はどれくらいいらっしゃるのか…。この作品はもうすぐ文庫化されるらしいので、同人誌の方を久しぶりに読み返してみました。
この作品の本編はもともと『B級シネマ』という同人誌に収録されてます。今回の同人誌は番外編が収録。本編のレビューをしてから番外編に行けよと思われるかもしれませんが、この本編が…ね、なんていうか…重くて暗くて痛くて…ぶっちゃけあんまり読み返したくないです。気が滅入る。
主人公は弁護士・那智正吾×高校生・深津基。この二人の過去が重すぎる。那智は弁護士ですが、広域指定暴力団先代組長の庶子です。そしてクォーター。背中に夜桜の刺青と大きな傷を背負っています。ある事件で基を助け、現在は自分の元に引き取っています。
基はですね~…この子は実の父親から犯されて性的虐待を受けていました。もうすでにこの設定が重い。さらに学校でも執拗な暴力・いじめにあっていまして、那智に助けられてから高校を編入し直しました。
一番のびっくり設定が基の特技。特技は「改造銃を作ること」です。プラモデルを実弾発射可能な殺傷能力がある銃に組み立てます。これは虐げられるしかなかった基の歪んだ心が生んだ、昏い欲望が具現化したものだとか。
二人の共通点は「父親」。この存在に二人がどれだけのものを背負わされて来たのか考えると、こっちが鬱になります。よくこの作品を文庫化しようと思ったなとびっくりです。正直崎谷作品の中で一番暗いし重い。まさか商業誌になるとはなぁ。楽しみだけど、あの本編に加筆修正が入ると更に凄くなりそう…(´Д`)
でもでも番外編ではラブラブです!なんと那智が基にプロポーズ!…でもまぁそんな甘いものではなく、年齢差やその他のことからも、自分が先に死ぬだろうと考えた上での行動でもあります。基に遺産を残すという遺言状も作成済み。リアル過ぎるよ…。
崎谷さんによると、那智はそんなに長生きはしないそうです。本当は未亡人・基を書きたいそうです。ええー!?それだけは止めてくれ!!(´Д`)
しかも文庫には本編しか収録されないそうです。番外編はまた別に刊行するのだとか。しかもかなり先。いやいや本編だけとか止めてくれ。番外編があってこそこの作品は救われるのに。あ~文庫読むのが怖い。
ちなみに那智×基の『ひとひらの祈り』以外は崎谷さんのHPで読めるのでぜひ。
水青
希さん、コメントありがとうございます。(o・v・o)
『鈍色の空、ひかりさす青』が文庫化とはホントまさかってかんじです…。どっちかというと『Virgin Shock!』を早いとこ文庫化して欲しいですね~(´Д`)これはまだ数年先らしいです…。
しかし文庫化するんだったら同人誌集めなくてもよかったな…。高かったのに…(T_T)
希
初めまして水青さん。プロフィール見せていただいたんですが、崎谷作品を全制覇ってすごい!崎谷作品を読む前には水青さんのレビューを見ればいいんですね(^^)
私も崎谷さんのHP見て知ったんですが、『鈍色の空、ひかりさす青』を商業誌にするとはびっくりですね。おそらく崎谷作品で最も痛いものになりそうな予感がします…。