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kokuhaku wa full course no atode
表題作と、後日談的SSが収録されています。
どちらもストーリーは悠里の目線で進んでいきます。
「告白はフルコースのあとで」
悠里(受け)は、大学時代の先輩・倫子に頼まれて、伊井(攻め)がオーナーであるレストランの経営改善をする事になります。週に一度、改善策を持っていっても拒絶される日々にストレスが溜まる毎日。そんなある日、伊井に誘われて一緒に食事をとることになり…。
前半までは、悠里が伊井個人について知りたいと感じ、惹かれていく過程が描かれています。伊井が自分が働くのは構わない、悠里が出した案をちゃんと検討してくれていたという点で、最初の暴君ぶりが減点され好感を持ちました。
後半は、悠里は伊井に抱かれたものの、伊井を好きな倫子への罪悪感と、恋におぼれる自分を恐れて拒絶をしてしまうことがポイントでした。倫子の後押しと、伊井が諦めずに動いたところから両思いになります。
伊井が今まで付き合っていた恋人とはどうなって別れたのかが気になりました。今まで付き合ったのが似たようなタイプだから、ということは複数いたはずで…。今はフリーなので倫子も悠里を会わせたのでしょうが、なんで別れたのかが分からないので、結局悠里とも一過性のもので終わるのかな、とちょっと不安になりました。
「Bonnne soiree!」
10ページ。表題作で約束した「黒字が出たら旅行に行く」条件を叶えたため、伊井が悠里と旅行の計画を立てて喜ぶものです。実際旅行に行った話じゃなかったのが少し拍子抜けでした。
作者様があとがきで、「主役二人は『変人×ハマグリなみの堅物』というコンセプトで作ったキャラ」と書かれていましたが、伊井は変人というよりロマンチストじゃないかと思います。堅物も当てはまりますね。
全体を通じて、悠里の仕事ぶりが書かれており、最初は改善策を押し付けるだけだった態度から、伊井の指摘を受け入れて相手の心情を組んで対策を練るようになり、成長物語でもあると感じました。
一方、伊井のオーナーとしての仕事は垣間見れますが、せっかくレストランが舞台なので、もっと美味しそうな料理などメニューも披露して欲しかったところです。そういう点で、あんまり題名の「フルコース」がぴんと来ませんでした。
悠里が伊井に抱かれている場面、「自分を穿つために背中に力が入っている」という描写にぐっと色気を感じました。
あと、二人で過ごす時間が「仕事のためのもの」だけでなく「同性同士の恋を育むもの」であった、という表現が素敵だと思いました。
同人誌オリジナル作品を元に、加筆修正された作品です。
実は元同人誌『ロマンスの食卓』も読んでたんですよね。
その当時からまったく好みじゃなかったのに何で文庫化で買ったかというと、タイトル変わってるのもありますが、ハッキリ言って同人誌の時点で面白くなかったから印象薄くて(初読みから時間も経ってたし)、記憶からあっさり消し去ってたらしく・・・
読み始めてようやく『あ~、アレか・・・』と気が付いた次第です。もう『うえださん好きだから買った』と思っておきます。
同人誌版から大元の部分は変わっていませんが、書下ろしの後日談はありました。
う~ん、もともと個人的にお仕事ものが苦手だというのが大きいですが、それ以上にキャラクターがもうダメでした。
悠里(受)はいいんですよ。
本来の好みのタイプとはちょっと違いますが、こういうテンション低いというか醒めたキャラクターは、それはそれでいいんです(特に受は)。
妙にハイテンション過ぎるよりいいかもしれない。
しかし何よりも、因近(攻)がもうイヤでイヤでイヤでイヤで・・・(エンドレス)
あらすじに合った『傲岸不遜』というのから受けるイメージとはちょっと方向が違うんですが、でもやっぱり『傲岸不遜』だと思う。
とにかく、特に前半は読んでて不愉快で堪りませんでした。
悪気はないんでしょう。素でこういう人間なんでしょうね。それはわかりますが、いい大人に悪気の有る無しなんて大した問題じゃないんだよ。
それに、所謂(私の大キライな)『大人げない・幼稚な攻』というのとはちょっと違うものの、それでもこいつは間違っても『年齢相応の大人』じゃない。中身は子どものまま成長してないんじゃないのか?
それが『可愛い』と思えればいいんでしょうが、私には無理でした。
さらに『お仕事もの』苦手な私には、正直『もういいから・・・』とうんざりしてしまうくらい仕事してます。
うえださんの(特に昔の。こちらは同人誌初出が2004年ですから)『お仕事もの』は、誠実な作風に似合って仕事関係もとても詳細で、それがかえって個人的には邪魔でうるさいことが多いんですが(仕事だけじゃなくラブもきっちりならまた違いますよ。実際、好きな作品・シリーズもあるし)、そのあたりは逆に『お仕事もの』が好きな方には読み応えあるんじゃないかとは思います。
申し訳ありませんが、途中で明らかに興味が持続しなくなり、文字を追うのがやっとでした。
ただ、ストーリーはすごくつまらない・くだらないというわけではないんです。うえださんらしく、仕事面も心情もとても丁寧に描かれています。
正反対とも言える2人がだんだん近付いていく様子きちんと描写されていて、作品としては決して悪くはないんですよ。
単に、まったく私の好みではなかっただけです。
私はうえださんの同人誌オリジナルはたぶん全部読んでいますが、正直なところ『う~ん・・・いまひとつ(以下)』というのがほとんどなんですね。こちらもそう。
同じうえださんの同人誌でも、商業誌番外編は基本的に安心して読めると思ってるんですが。←番外編同人誌もほぼ既読ですが、本編が好きで(本編苦手・キライなものはまた別)番外編ダメだと感じたことがないので。
ただ、因近は完全に許容不可能でこのキャラクターだけなら『しゅみじゃない』でしかないですが、悠里は結構よかったのでトータルでは『中立』で。
イラストも、私はあさとさん大好きなんですがこちらはちょっと・・・どうもイメージが合ってなかったような気がしました。絵柄そのものはいいんですけどね。ただ、これもストーリーに入り込めなかったからかもしれません。
むぼちさま。
もう絶版(?)なんですね。2010年なのに・・・
今回、ずっと迷ってたうえださん作品のレビューを纏めて書きましたが、その中でもこちらは決して悪くはないんですよ。
作品としての質に問題があるとはまったく思いません。本当に、単なる個人的な好みなんです。
私はかなり好みがズレているようですので、もし読まれて違う感想を持たれても『あ~あ、しょうがないな』と流してくださると嬉しいです。
コメントありがとうございました。
以前こちらで注文したら、品切れでキャンセルされた本で、よそで探してでも買うかどうか迷っているところでした。
kiraraさんの詳しいレビューが参考になり、助かります。
自分はどう感じるか、読んでみようかな、とも思いました。
好みではない本のレビューを、ただ「合わなかった」という感想だけ書かれるのではなく、内容を思い出し、読み返しながら書かれるのは大変な労力がいるのではないでしょうか。
貴重な情報をありがとうございます。
レストランオーナー×フードコンサルタントのお話。
初読みの作家さんです。
無計画すぎる経営を続けてきたレストランオーナー・伊井。
見かねた幼馴染が後輩のフードコンサルタント・悠里。
最初は少しも我を曲げない伊井に反発さえ覚えていたが、やがて伊井を理解していくようになり…。
なかなかのワガママ対決というか。
最初の方はホントそりが合わない感じで。
伊井がそれなりのポリシーを持って経営してるから妥協する姿勢を少しも見せなくて。
悠里の方もつい喧嘩腰というか、そんなこと言ってたら赤字なんてなくなりませんよ!みたいな感じになっちゃって。
それが、考え方を変えてみるといろんなことが見えてきて。
そうすると接し方も変わってきて。
こちらの接し方が変わると相手も変わってくるというか。
お互いに譲歩の姿勢なんか出てきて。
経営方針が噛み合っていくに従って、お互いの心の距離も近づいていくのがわかる。
伊井が非常にきっぱりとした人でちゃんとまっすぐに告白をしてきて。
それに対しての悠里がなかなか珍しい対応なんじゃないかと思ったんですが。
そこで逃げちゃうんだ?みたいな。
好きだって自覚はあるものの臆病になりすぎてるというか。
これからどう自分が変わっていくのか不安すぎるというか。
離れてみて後悔ばかりしてしまうクセに、それでもなかなか歩み寄ろうとする気配がなくて。
伊井の方から来てくれてよかった(笑)
にしても…ホント、伊井の経営で大丈夫かしら?
それまでの赤字経営もそうだけど、悠里とのことがあって「だって、何も手につかなかったんだ」みたく開き直っちゃってるんですけど。
ここはもうガッツリ悠里に経営を見てもらうしかありませんね。
高級フレンチレストランのぼんぼんオーナーと、クールビューティなフードコンサルタントのお話です。
高級ではあるけども、経営破綻寸前レストラン。
その再生を任されたコンサルタントの悠里(ゆり)。
店のオーナーである因近(よりちか)は、初対面から尊大で不躾な態度だわ、傲岸不遜で我が強くて、悠里のアドバイスをまったく聞きもしないという厄介な頑固ジジイのような人なのです。
んで、悠里のほうはというと、さらりとなんでもこなしてはきたものの、これまでなにかに熱中することもなく、感情表現が苦手な男。
何度ミーティングを繰り返しても、一向に譲歩を見せない因近を、ガッチガチの石頭野郎めと腹の中で思いながら接していくうちに、実は確固たる信念を貫こうとしている男なのだということがわかってくるわけですね~。
しかも子供みたいに素直で正直で裏表なく、常に直球勝負。でもって案外優しい男ではないかいな…と気づくわけですわ。ドキーン(゚д゚)
けっこうなテンプレですね~。でもそれもまたよし。
ここにたどり着くまでがけっこうかかるんだけど、不思議とだらけない。そのじわじわ感がとってもいいのです。
悠里視点でお話が進むので、感情表現が苦手な悠里らしく、かなり淡々としていて、そこもまた矛盾がなくて好感を持ちました。
最初の頃にいやな印象を抱いていたはずが、だんだんと惹かれていくってのはやっぱ読んでて楽しいものです。
おまけに因近の告白のストレートさったらもう、こんな風に言われたら嬉しいだろうなあと羨ましいほどでした。
ただ、せっかく舞台がレストランなので、従業員たちも出してほしかった。
彼らの本音なんぞも知りたかったな~。
設定とか展開が、なんちゃってBLだと割り切れば、受け攻めのワーキングラブとして楽しめた。
でも、残念ながら金持ちの道楽レストランで働いている他のスタッフが理解できない。そのへんが気になってしまうと、我に返ってしまうので残念。
今まで熱中するものもなく、それなりに上手くやってきてしまった感情表現の苦手なコンサルタントと、不遜で経営観念の薄い、でも信念の強いレストランオーナー。
最初のうち、どうやってこの二人がくっついていくんだろう?と心配でなりませんでしたが、初対面から二人の中だちに入る女性の存在などが伏線になり、どうにかハッピーエンドを迎えてほっとしました。
実はこの本、購入予定ではなく間違えてしまったものだったのですが、読んでそこそこに満足しまして、ちょっとほっとしております(汗、)
外食産業専門の経営コンサルタントをしている高宮悠里は、大学の先輩で少し憧れている女性・倫子の頼みで一度も黒字を出した事がないレストランオーナーの伊井因近を紹介されます。
だけどその伊井は、高宮に「いい名前だ」と言ったきり、彼の出す改善策をハナから否定し、受け入れる様子がありません。
高宮の言葉が上から目線だの、威圧的だの、文句ばかりで全然仕事にならないのです。
そこで、因近と仲の良い倫子に彼の人柄を聞いて態度を少し変えることにしたのです。
そこから少しづつ接近していく二人。
悠里が見方を変えたことで因近に対する印象が変わったのが大きいですが、まず最初の出会いで因近の容姿に少し魅かれるような部分が描かれているのが接近するポイント。
しかし、最初は倫子を好ましく思っていて、倫子が因近の彼女ではないかと思うのに、因近に嫉妬するのではなく倫子に軽い嫉妬みたいなものを抱くのはちょっと不思議でした。
因近は最初のシーンの描写で、”間違いない”的な部分があるので悠里に近づいて行くのは理解できますが、それにしても頑固だ!
二人が気持ちを確認しあうまでに、ひと山あるのだが、2か月もモンモンとする悠里がじれったくて仕方がなかったが、彼の今まで情熱を感じたことがないという設定によって、そこは許されてしまうのだ。
どんな部分に萌えを感じるかと言われれば、特に書きだすほどないのだが、あえて挙げるとすれば、因近の筋金入りの不器用な頑固さではと思う。
悠里の情熱温度が低いのと、感情を抑え込むせいで熱が感じられないから全体の印象が淡々としている。
作品としてのできはいいと思うのだが、大人な仕上がりになってまとまりすぎてしまっているのがちょっと惜しい。