条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
renjou no ame ga kimi wo nurasu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「追憶のキスを君は奪う」の方は未読で、こちらから読んでしまいました。
本作だけでも話しはわかりますが、多分前作の方から読んだ方が良いのだと思います。
実家は裕福で、成績は良くルックスも良く、周りから「プリンス」などと言われている男性が、バツイチとなり、秘密を抱えた1人の男性と運命的に出逢い恋に堕ちる、という物語です。
エリートで周囲からは完全無欠のように思われていても、自身の内面に欠落のようなものを感じている…そんな渡辺森江(攻め)の造形は等身大で、立っている土台が実は不安定な以上、今まで同性とどうこうなんて考えた事もないノンケでも何故かあっけなく激情に飲まれることも不自然ではないと思わされます。
受けの椿佳道は物腰は柔らかいけれど常にバリアを張っていて、謎めいていて、孤独で、寒々しい。
押してくる森江を拒み、それでも分入ってくるのを受け入れた時の佳道はとても官能的で、森江はあっという間に執着し始める。
後半佳道の秘密が明かされて、一気に思ってもみない展開に進んでいきますが、森江と佳道と共に恋の不思議、何故出逢ったのか、何故この人なのか、何故苦しむのか、そして何故信じられるのか、それらを体験するように読むのです。
今回は妻と離婚した傷心の抱える優秀なアナリストと
夜はダイニングバーで働く訳あり会社秘書のお話です。
二人の出会いから同居、別離を経て、
再び共に暮らすまで。
攻様は実家が資産家で育ちも良い上、
幼い頃から何にでも興味を持ち、
努力も苦にならない立ちな為に勉強も運動も
常にトップクラスの成果を手にしてきます。
そんな攻様は学生時代も
外資系の証券会社に勤めてからも
「理想の王子様」と呼ばれ続けてきます。
ところが見合い結婚した妻が
昔の恋人との不倫の果てに子供を妊娠、
わずか一年で終わった結婚生活は
攻様の胸に深い傷を刻みます。
離婚を機に職を辞し、
自身に課した休暇の終わりがみえた頃、
攻様はある印象的な出会いを経験します。
それは小糠雨が降る恩師の通夜で
攻様はうつむき加減で歩いていた
二十代後半の青年とすれ違うのですが、
なぜか彼を振り返ってしまいます。
その彼こそが今回の受様になります♪
その後、
退職した会社の元同僚を介して
資産運用会社への就職を果たすのですが、
社長の人柄や仕事内容もさることながら
攻様の関心を引いたのは
受様が社長の秘書をしていた事だったのです。
昼間は控えめながらも優秀な秘書として社長を支え、
手弁当持参で古いアパート住まう
慎ましい生活を送る受様に急速に惹かれる攻様。
しかし、
受様には思った以上の秘密が有って?!
既刊『追憶のキスを君は奪う』のスピンオフ。
前作の攻様の兄で受様の初恋の人の恋物語になります。
受様への愛情故に
心臓疾患を持つ甥の為と
身を粉にして働く受様の負担を減らすべく
彼を自宅に住まわせ、
あまつさえ金銭的な援助もする攻様ですが、
彼との同居後に
会社の顧客情報漏洩が疑われたり
恩師の生前の愛人疑惑が囁かれたりした挙句、
姉の子と聞いていた受様の甥が実は…だったりと
物語はかなり複雑な展開を見せます。
前作の弟カプも攻様にそれぞれ絡んで
攻様と言うキャラと物語に深みを出していますし、
前作での攻様の台詞や考え方とかが
そのまま本作にも反映している上に
人がもつ多面性とソレによって起こる矛盾が
攻様によってとてもうまく体現されていて
読者は攻様と一緒にハラハラです。
どこまで行けば終われるのか?!って感じで
最後まで一気に読ませられました!!
前作から5年と言う年月を経ているのに
作品全体の雰囲気が
そのまま維持できているのがすごい!!
とっても良かったです♪
受様への愛を盾に攻様が取った方法は
受様の嘘を白日の元に曝して傷つけたのみならず、
受様の心に育っていた攻様への真摯な思いにまで
大きな傷を付ける結果となりますが、
攻様も本当は選ぶ前からソレが
最悪の方法だと判っていたと思います。
それでも受様の嘘を拒み真実を求めた攻様。
そうする事しかできくて
曝された真実もまた信じきれない攻様に
人としての弱さを見せられますが、
ソコで終わらずに全てを受け入れ、
乗り越えた攻様と受様に
人の強さ、思いの深さを感じさせられました。
今回はこのシリーズ前作、
鳩村衣杏さん『追憶のキスを君は奪う』のご一読を
ぜひおススメしたいのですが、
CDも素敵な仕上がりですので耳からでも良いですよ。
「追憶のキスを君は奪う」のスピンオフで、その作品の攻め様・洌の兄、森江のお話になります。
雨の出会いから始まって、ドンデンがあったり、ハラハラ・ドキドキして、予想もできない展開、そして最後も雨のシーンが。
そんな本作は夢中になってしまうことまちがいありません。
結婚一年で破局を迎え、その傷をいやすために仕事を辞めていた元アナリストの森江が、恩師の葬儀で一人の男性とすれ違い、その香りに心を魅かれることから話が始まります。
元同僚・北見の紹介である資産運用の会社を紹介されそこで働くことになるのですが、そこの社長秘書が、葬儀ですれ違った男・佳道だったのでした。
森江のキャラクター設定は「王子様」と言われるべく、優秀で、人当たりがよく、見目もよく、自然と周りに人が集まる人柄です。
妻の不貞で離婚しているので、その慰謝料や隠居した両親から生前分与など受けており、お金には全く不自由していないという設定も、この物語には重要なポイントになっています。
片や、椿はとても優秀な秘書ですが、会社には弁当持参で住まいは古いアパートだったり、会社は必ず5時で退社するという、何やらワケアリそうな雰囲気を漂わせています。
いつも丁寧な言葉で、つつましやかな雰囲気を漂わせている佳道が、セックスになると、ものすごく積極的で淫乱で、そんなギャップが驚きなのですが、物語が進むにつれウンウン、と納得していきます。
そして、彼の秘密が暴かれることで、読者も驚愕することになるのですが、その切り替えが実に面白い!
セックスでしか愛を表現できない佳道だけど、何が本当でウソかわからなくなった森江には、それすらも信じられなくなって、怒りを身体にぶつけても感情の持って行き場がない苦悩がひしひしと伝わってきます。
読んでいる自分も、森江との気持ちとの一体感が得られる文章が上手い!
佳道の真実が明かされても、佳道に執着する森江の姿は、作者も後書きで書いているように、弟の洌もそうであるように血筋なんだそうです(笑)
しかしながら、森江はやはり「王子様」がふさわしい、イイ大人の男でした。
佳道のエロさが溢れている部分もとても満足させますが、彼の変化がとても見ものです。
元作品の洌と穂波のカプも、森江を支える役で登場しています。
読ませ処が満載で、夢中になってしまいました。
ものすごく面白かったので、少し甘いですが神で・・・(笑いという意味ではないですよ、、)