お医者さんにガーベラ

oishasan ni gerbera

お医者さんにガーベラ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×26
  • 萌8
  • 中立5
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
10
得点
73
評価数
23
平均
3.4 / 5
神率
17.4%
著者
椹野道流 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
黒沢要 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
シリーズ
お医者さんにガーベラ
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784829624623

あらすじ

自他共に厳しい医師の甫は、溺愛する弟と恋人になった部下の仲を見せつけられ、やけ酒で泥酔した。路上で寝込んだところを生花店店主の九条に拾われた甫は、「あなたを慰め、甘やかす権利を僕にください」と笑顔で押し切られ、添い寝までされてしまう。かいがいしく世話をされ、真っ直ぐ好意を告げる九条の優しい手に癒される甫。それでも己の寂しさ、弱さを認めまいとするが…。

表題作お医者さんにガーベラ

23歳,花屋
31歳,K医大附属病院リハビリ科医

同時収録作品お医者さんにガーベラ

27歳,深谷知彦
22歳,大野木遥

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数10

甘えるのも勇気が要るんです

周りに厳しすぎて孤立してしまった医者の甫(はじめ)と、病院に出入りする花屋の九条。二人の恋のお話です。

甫に共感しながら読みました。
自分にも他人にも厳しい甫は、努力家なのでしょう。「頑張って認められたい」という気持ちが強すぎて、弱音を吐くことも甘えることも知らずにきてしまいました。私も昔はそうでしたので、甫の気持ちが分かるような気がします。甫はとても不器用なのですね。

そんな甫が、弱さをさらして九条に甘えるのは、大変な勇気が要ったと思うのです。
甘え下手な人間にとって、誰かに甘えるなんてとても恥ずかしいことで、何をどうしていいか分からないのです。だから甫は、「お前に(俺を甘やかす)権利を行使させてやる」と強がるしかなかったのでしょう。そうしないと甘える勇気なんて出ません。30歳を過ぎた甫が年下の九条におずおずと身を寄せる姿が、可愛くてたまりませんでした。
権利とか義務なんて、恋愛には無粋な言葉ですが、甫にとっては安心して使えるフリーパスみたいなものです。「僕に特別な権利を満喫するチャンスを与えに来てくださったんですね」と、甫を受け入れる九条の優しさと懐の広さが素敵です。甘え下手と甘やかし上手な二人は、相性ピッタリですね。

九条にたっぷり甘やかされ、教えてもらった魔法の言葉「ありがとう」で、甫は職場の人たちとも仲直りします。でも、その「ありがとう」を九条には恥ずかしくて言えないのが、甫らしくて微笑ましいです。「好きだ」と言えるのはいつになることか。ぜひ勇気を出して言ってほしいです。不器用な男のぎこちない「好きだ」はすごい威力だと思いますよ。

3

もったいない!

 主人公はお医者さんの甫。
 彼は、自他共に厳しく、整形外科からポストに空きが出れば、戻してくれる、という約束でリハビリテーション科に出向することになった。
 当然、「期限付き」ということではあったけれど、完ぺき主義の甫は、手を抜くことはしなかった。
 今までの古い体制を改革し、新しい技術や機械を導入し、リハビリテーション科の重要度を格段にレベルアップさせたのだった。
 けれど、その甫の厳しさが他のスタッフの負担を大きくしているのもまた事実であり、一方では反感を買っていた。
 けれど、甫としては「結果を出している以上直接甫に文句を言ってくるやつはいないだろう」と思っていて、意に介してはいなかった。
 そんな甫にも、頭の痛い問題が一つあった。
 溺愛していた弟が、医大を中退し、パン屋を始め、あろうことか、自分の部下と恋仲である、というのである。
 そのことから視線を逸らすようにしていた甫だったが、いつまでも視線を逸らしているわけには行かず、渋々、弟の様子を見に行くことに。
 そこには、弟によりそう自分の部下の姿があり、そのことに大事に守ってきた弟の自立を感じ取った甫は、その足で行きつけのバーに行き、したたかに酔っ払う。
 そして行き倒れた甫を、介抱してくれたのは、病院に出入りもしている花屋の九条であった。

「あなたを慰め、甘やかす権利をください」と優しく甫を介抱してくれる九条だったが……
 という話でした。

 うーんっと。
 とりあえず、弟の話を後に発行する予定なのであれば、こんなに弟カップルを前面押しにする必要があったのだろうか……? と頭を抱えてしまう。
 もうちょっと甫の人となりを説明して、病院の中での問題を前面に押し出してから、弟の問題……というようにした方が、物語としてはスムーズだったんじゃないんだろうか……? とちょっと疑問に思ってしまいました。
 どう考えても、この順番は不自然。
 最初から、弟の恋人を目の敵にしているところから始まって、弟の過去も具体的な思い出は何も語られず、「そんな程度で……」と思うようなことで、強かに酔っているところに花屋登場……では、さすがにご都合主義すぎるというか、設定ありきの、キャラクター後付感がすごいです。
 作者さんの中では物語が出来上がってるんだと思うんですが、ついてけないまま、物語が始まって終わった感じですねー。
 九条のキャラクターとか、甫に対する甘やかし方とか、すっごくほのぼのしてて好きなんですけど、そういうところがうまく活かしきれてないのが、本当にもったいないなあ……と思わされてしまいました。

 伏線なら伏線でもうちょっとひそませて欲しいし、そうでないなら、弟カップルを前面押しにしてもよかったと思うんですけどね……もったいないです。

1

あ~、わかる!

内容は一切調べず表紙のイラストに惹かれ手に取りました。
花屋さん×リハビリ科のお医者さんの話です。
ストーリーは受け視点で進みます。
他の方もレビューされていますが、年の差年下攻めとうたわれていますが、年下のわりに包容力が大きすぎてあまり年下攻めの感じは受けません。(続巻未読なので、そちらを読むとまた印象が変わるかもしれませんが)

攻めは病院の近くにお店を構え、病院にも出入りのある花屋さん。
仕事の途中でみかけた不器用だけど一生懸命なお医者さんに惚れ込みます。
一方受けは優秀だけどコミュニケーションや根回しができない不器用なお医者さん。
改革をすることでリハビリ科の評判はあがるが本人が頑張れば頑張るほど負担の増える他のリハビリ科のスタッフ達との溝が深まっていきますます孤立していく。
そんな中、病院に出入りしている花屋と出会う。
彼は自分を甘やかす権利をくれないかと言うが、他人とそういう距離感で付き合ったことがないため戸惑ってしまう。

個人的なことですが、たまたまこの話の舞台が自分の仕事ととても近くて。
自分の環境に近い話はどちらかと言うそりゃないよってところにばかり目がいってしまい、醒めてしまうことの方が多いんですが、この本は絶妙。
優秀だけど言葉が足りず根回しが下手で浮いてしまうお医者さん。
お医者さんとリハビリスタッフとの関係とお互いのプライド。
「あー、あるある。いるいるこんな人。」と気づいたらはまっていました。
距離感が絶妙ですごいなぁと思い作者さんを調べたら医療関係のお仕事されていると知り納得。よく観察してると思いました。

攻めがあまりにも無条件に包み込んでくれてしまうため少し物足りなさはありましたが、言葉足らずな受けの心情が上手に描かれているので、コミュニケーションや要領があまりよくない人やそういう話がを好まれる方は受けに共感しながら読めるんじゃないかな?と思いました。
医療関係の方も違和感なく読めると思います(最近はアレルギーなど色々な理由で病院に花屋さんの出入りは減りましたが)

続巻も出ているようなので購入したいと思います。

2

甘やかす権利と甘やかされる義務

受主人公の事がぐっときてしまって、涙ながらよんでしまったー。
恋愛にたいして切ないんではなく、主人公が人間として切なくて、最初の下りから苦しくて泣けてきた!
誰にでもこんな気持ちは時としてあるけど、まあだいたいが独りで解決するしかないなかで、BLはファンタジーだからね、救世主が現れるわけです。攻め主人公はできすぎくんのきらいはあるけど、かっこいい。エスパーか、ってくらい口に出せない思いを汲み取ってくれるので、とても優しい気持ちになれました。
エロはエロくないけど不自然でもなく、ノンけとゲイならこんなかんじ、ぐらいの自然さ。本当は知らんけど。
主人公二人とも堪らなく好みのタイプ。

シリーズはパン屋と茨木さんも同じ場所設定のようで、他を読むのも楽しみです。

4

優しい1冊

不器用で言葉足らずな大野木甫(お医者さん)と九条夕焼(お花屋さん)と甫の弟、遥(パン屋さん)と甫の同僚?部下?で遥の恋人、知彦(理学療法士)のお話。
長い間積みましたが読み始めたら一気に読めました♪ 
甫って真面目で、不器用で、言葉足らずで、半分、自業自得じゃない?っと思うようなところもあったけどズタボロになったときは本当に可哀想でした。
お花屋さんの夕焼、始めは、うさんくさい感じもありましたが、甫のことが大好きで甘やかしまくっています。
甫を包み込むにはちょっと年齢が若すぎるのが気になりましたがまあいいか(笑)

2

ちょっと微妙でした・・・

椹野さんの『K医大付属病院』関係の作品は、まあ程度の差はあれそれなり以上に好きなものが多いんですが、これはどうも・・・

とにかく、メインキャラクターにまったく共感できないままで、中盤以降は明らかに斜め読みになってしまいました。申し訳ないけど『もう早く読み終わって本閉じてぇ!』と必死でページ繰ってました。

九条(攻)も、正直たいして魅力を感じないんですが、とにかく私は甫(受)がダメでした。クールならまだ『いばきょー』『まんちー』の楢崎の方がいいかな。いえ、楢崎も本来の好みのタイプとは違うんですが、なぜか結構好きなんですよね。

『ツンデレ受』自体は、まったく好みではないものの、絶対ダメというほどでもないんですが、この甫のようにツンツンし過ぎはイライラします。

もともと年下攻が苦手だというのもあるかもしれません。でも、実際の年齢差(8歳)ほど、『年下攻』って感じはしませんでした。逆に、そのあたりで違和感は拭えませんでしたね。『23歳でこの包容力とか余裕はないだろ!?』ってことですが。

それに、結局甫が九条を選んだ(?)のもなんだかなあ、と思ってしまいました。『たまたま自分を好きだと肯定してくれる相手がそこにいたからで、別に九条である必要ないんじゃないの!?』という感じだったんです。

たぶん、甫に感情移入できたら、切なさもラブも堪能できていいんだと思います。でも私には残念ながら無理でした。

まだ、脇キャラクターの知彦(甫の部下)×遥(甫の弟)の方が興味あるかな。できればメインCPの続編じゃなくて、弟CPのストーリーを読みたいです。

しかし、あとがきで作家さんが『ほのぼの』みたいに書かれてましたが、これはちょっと違うんじゃないかなあ、と感じましたね。『ほのぼの』というよりも『薄くてご都合主義』な印象が強かったんですよ。
確かにいつもの椹野さんの作品はかなりの確率でほのぼの(CP)ですし、それが好きなポイントではあるんですが(私は)。

どうも私には合わなかったですね。今まで読んだ椹野さんのBLでは一番ダメだったかもしれません。

ただ、イラスト(特にカラー)は素敵でした。

2

年下に見えない攻め様

椹野道流先生の作品の中でもほのぼの系の作品ではないかと思います。
主人公の心理描写が些細な部分まで分かりやすくて読みやすいです。
                                 
この作品は受け様が年上のお医者さまでそれも珍しい程
無愛想で一見冷徹クールに見えてしますとても不器用な人。
そんな誰にも甘える事が出来ない環境で育った受け様。
その受け様を8歳も年下の花屋の攻め様がまるで包み込むような
優しさと温かさで寄り添うお話でほんわかします。
受け様の環境は、受け様の気持ちひとつで改善できる。
でもそんな事にも気づけない程弱った受け様を
攻め様がさり気なく甘やかして不器用な受け様に
魔法の言葉をプレゼント。
受け取る受け様の姿にギャップ萌えしちゃいます。
しかし・・・全然年下に感じない攻め様ですよね。
落ち着きすぎて一歩違えばオヤジになる勢い(笑)
華やかではないけどしっとりした味のあるお話でした。

3

年下攻……だけど

自分にも他人にも厳しい医師の甫には溺愛している弟がいる。
その弟に最近恋人ができた。あろうことにそいつは男で、しかも甫の部下だった。
二人の仲を見せつけられ、ヤケ酒を飲んだ帰り泥酔した甫は路上で寝込んでいた所を病院に出入りしている花屋の青年に助けられる。
かいがいしく甫の世話をやく青年、九条は甫に「あなたを甘やかす権利を下さい」と不思議な要求をしてきて……

有能だけど不器用な医者×年下の花屋。
23歳の花屋が落ち着きすぎの大物すぎてちょっと違和感。
そもそも彼が主人公に惚れた理由がちょっと曖昧で、あんまり感情移入できなかった。

自身の厳しさが原因で職場で上手くいかなくなり、しかも弟とまでケンカをしてぼろぼろになった甫を九条が優しくなぐさめるのですが、ちょっと都合がよすぎるかな?と。
九条がすごい年上とかならなんとなく納得は出来るのですが、年下攻めでこの余裕はなんだろう。

ほのぼのしたいい話ではあるんだけど、違和感を克服出来ずに読み終わってしまいました。

1

女王様受だと思うのですが

K医科大学付属病院のお医者さんと、向かいの花屋さんのお話。

真面目で勤勉だからこそ、周囲の人にもそれを求めてしまう大野木先生なので、仕事でもプライベートでも何かにつけギクシャクギクシャク。
可愛がっていた弟までも自分を必要としていないのにショックを受け、柄にも無く自棄酒を飲み、花屋さんの九条に介抱されることになります。

私が今まで読んできたBL小説で、「女王様受」というものがどういうものかハッキリ感じたことが無かったのですが、孤高の人、大野木先生はまさに女王様だなぁと思いました。
自分の立場に自信とプライドを持ち、それをキープするために努力を惜しまない。
自分一人だけならそれでもいいのでしょうが、周りの人を巻き込んじゃうから自分ばかりがどんどん辛くなってしまって・・・・・

そんな大野木女王様を「慰め甘やかす権利」をもらった花屋の九条くん。
若いのに既に悟ったようなところがあり、年上の先生を包み込むのにも十分なのです。

甘やかされて癒される人と、甘やかして癒される人。上手くできてるなぁ。

二人の関係は、先生がこうですからゆっくりと進むしかないのですが、花屋さんちでの二人のやり取りがもどかしいながらも微笑ましくて、結構好きです。
甘やかされ慣れていないからツンデレな先生です。

お仕事シーンもそこそこ覗けてそこもおいしかったです。
病院でしょ、花屋さんでしょ、コッペパン屋さんでしょ。

その、コッペパン屋さんになった先生の弟のお話が次の本で書かれるようです。
出版社のサイトでも弟カップルのキャラクター日記が読めます。

3

受様を慰めて甘やかす権利って?

今回は花の配達でよく病院を訪れる生花屋店主と
整形外科からリハビリ科の長になった医師のお話です。

受様の弟と部下の恋、
業務改革に対する部下の反発等を絡めて
二人が知り合って恋人になるまで。

受様は大学病院の整形外科医でしたが、
整形外科医が兼任していた
リハビリ科に専任医をおく事になり、
講師ながらも医局の長に着任します。

それまでのリハビリ科医は
整形外科からの借り物だったので
医局運営にはノータッチが
暗黙の了解だったのですが、

生真面目な受様は
ワンマンなやり方で
最新のプログラムやカリキュラム、
医療機器の導入を図ります。

その結果、
リハビリ科の評価は上がりますが、
現場の療法士達は新しい知識の取得と
今まで以上に多様な患者の対応が課されられ
不満の声を上げます。

しかし、
弁のたつ受様はプロとしては当然と
それらを一掃して邁進します。

そんなある日
受様は病室に花を届けに来た
花屋の青年に声を掛けられます。
彼が今回の攻様になりますね♪

攻様は以前、
攻様の部下と一緒に受様に叱られてから
受様の事が気になっていましたが
親しくなる機会が無かったのです。

その後攻様は酔った受様を介抱して
『受様を慰めて甘やかす』権利を得、
まずは友人から頑張る事に。

ずっと年下の攻様に翻弄されつつも
落着きを取り戻した受様ですが、
翌々日出勤した彼を待ち受けていたのは
リハビリ科療法士達の反乱で?!

自身が能力が有るが故に自他ともに厳しい受様は
プロならば職場に私情は持ち込まないものと
部下の心情を思いやる事をしてきませんでした。

しかし、
弟と部下の恋や自分の恋愛、
信頼していた上司や同僚の揶揄や
部下達の真意に対する事で
人と人との繋がりの大切さを知り、
自身の考え方と立ち位置を変えていきます。

椹野作品は出版社を超えて
世界がリンクしているのも魅力ですが、
本作は小説リンクスに掲載された
弟カプのお話からの派生でびっくり!!

本作カプの出会いの場面も
サラッと書かれておりますが
弟カプ話には書かれているかもと
雑誌探して確認してしまいました(笑)
受様、しっかり攻様と会話をしてますよ。

本作は来月刊へと続きます。
本カプの続編とともに
弟カプのお話も有るそうですが
既作の収録はないかなと思うので
どんな風に絡むのかが
早くもとっても楽しみです♪

また本作の受様はK医大勤務。
K医大は他シリーズの舞台でもあるので
京橋先生も名前だけですが出演中。
次作は誰が出るのかしら?

なので今回は京橋先生の恋のお話、
『茨木さんと京橋君』をおススメとしま~す。

5

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