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love flight
一番の感想は「随分安っぽいファーストクラスパーサーだな~」って事。
もちろんファーストクラスなんて映画や本の世界でしか知らないですがこれは無いんじゃ…と思いました。
ほぼ同時期に同じく伊郷さんの新人バスガイド受モノを読んだのでそれと比較しちゃったってのもありますが、にしてもこれは??
リアルさを追求する訳ではなく、なんちゃってでも全然構わないのでとりあえずそれっぽく読み手を騙して欲しい訳ですよ。
瑞樹[受]は世界でも豪華で有名な航空会社のパーサーでキャリア10年なのに、いくら客から言われたからってそこで素直にシートに座るとか、一度会話しただけのお客を街中でさん付けで呼び止めるとか(客から呼ばれるなら有りだけど)ホントに一流パーサーなのでしょうか、この人はって行動を冒頭からやらかしまくってくれます。
客とパーサーとが出会うにしてももうちょっとやり方があると思う、あまりに強引過ぎ。
その次のフライトではキスされて既婚者だと勘違いしながらそれでも名刺に書かれた時刻に店に行く。
新人パーサー、もしくは生粋のゲイで誘い受ならまだ分からなくも無いんですが、いやせめてもう少し顔見知りになってからでも良くね?
その後のセックスでの瑞樹の意地っ張りシーン、これも本来仕事が出来るパーサーだからこそのギャップ萌えだと思うんですよ、もしくはもっと初心だとか。
しかし瑞樹の同僚の強引さといいホントに世界有数のサービスを誇る航空会社なんでしょうか~~激しく疑問。繰り返しますけどなんちゃってでいいからちゃんと読み手を騙してくれないとー!特に伊郷さんはベテランの域なんですからそこはやって欲しいなあ。
年齢差も中途半端でイマイチ。
いっそ同年代同士か、20代前半と40代位の年齢差付けてもらえればそれはそれで割り切って楽しめたかも。
ファーストクラスのパーサーと、その上客という組み合わせ。
ファーストクラスという縁のない世界がわりとしっかり描れていたのが興味深かったです。
舞台はニューヨークと日本をいったりきたりなのも面白い。
どっちに偏ることもなく、日本、ニューヨーク、空の上…と移動していきます。
しかし、どうにも攻めの柄澤さんのいいところがあんまり見出せないまま終わってしまい、この評価に致しました。
一流建築家で、ファーストクラスに毎週乗るくらいだからかなりお金持ち。
しかし、2回目のフライトで瑞紀を口説いてきます。
男を好きになったことはないけど、本気だ、と彼は言うのですが…どうにも軽いかな?^^;しかも真摯に口説いてくれるならまだしも、部屋に誘われてそのままベッドに連れ込まれる…。
BLだからいいのか?女性相手なら完全にアウトですよね。
本気だというのならもっと丁寧に口説いてほしいところ。
しかも瑞紀が痛い!といってるのにすぐ良くなるから…て。ただの遊び人のようでした。まあ、40代だし、それなりに遊んでいるっぽいことを感じさせるのですが。
ここで瑞紀も柄澤の軽さに、自分のことも遊びでないかと疑問を持ちます。
しかし、ここで柄澤に本気かどうか問わないのも不思議なんですよね…。
そしてこの瑞紀の煮え切らなさも不思議でした。
遊びな人とはもう会わない、と思いつつ、飛行機でイタズラされても抵抗しない。そもそも飛行機のフライト中に従業員と客がヤッてて、バレたら首になるかもと瑞紀は怯えてるのにやめてくれない柄澤がどうも…^^;
ホントに40過ぎた大人ですか?節操のないケダモノですか!という感じがしました。
そして渡されたメモのままに、また次の日のこのこと柄澤の泊まるホテルに行ってしまう瑞紀も…。
あんな人のホテルになんて絶対行かない!行かないから!みたいな態度をとりつつきずいたらホテルの前にいる…て、どんな煮え切らなさ。
そもそもここに至るまでに柄澤に会ったのは4.5回だと思うのですが、そこまで好きになる要素があったとは思えなかった。
一流建築家だそうですが、お仕事していてかっこいい、みたいな描写がほとんどなく、身体をひたすら求めてくる描写ばかり目立っていました。
あげく、最初部屋に連れていかれていきなり襲われたのが嫌だったと瑞紀が言ったら、まさか、子供じゃあるまいし、みたいな反応をされたのが読み手としてもショックでした。最低な男じゃないですか!^^;
柄澤のこの、一度目でキス、二度目でペッティング、三度目でベッドって思ってるの?君は子供か?みたいな馬鹿にした態度が、そりゃそういう人もいるよ!あんたはマナーがなってないよ!と思いました。結果、煮え切らない受けと年の割に性欲を抑えきれない攻めだなあ…という感想が残った一冊でした。