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世俗世界を全く知らない御坊ちゃまが、たった一言の刷り込み(インプリンティング)によって染まっていくお話は、榎田さんの「執事の特権」と遠野さんの「茅島氏の優雅な生活」を足して割ったような、でもとても面白いお話でしたよ♪
こういう浮世ばなれしたキャラクターというのは味がありますね。
玲也は1歳にもならない頃、子供のできない資産家の御法川夫妻に引き取られ、息子として育てらます。
しかしそれが普通ではなく、学校にも全く通わず、外出は父親とたまに社交に出るだけで、普通の社会生活を全く知りません。
突然の事故で父親が亡くなっても、名前だけは会社を継いだものの何もしなくてもよく、家で一日過ごしているのですが、そこへ遠縁の智史が訪問することで始まります。
全く世俗を知らない玲也に外へ出ろと、その話の中で彼女はいるのか?という話題から、彼女というものはキスをしたりセックスをしたり、という智史の説明にびっくり!
そして、コンパに行って恋をしようと誘われるのですが、”胸にピンときて、気持ちが上がったり、下がったり、好きな相手とするセックスは気持ちがいい”という恋に関する解説までもらう玲也。
そのコンパ先でスリに会い、そこを助けてくれたのがバーテンダーの久遠。
彼に、智史が解説してくれた恋に近いものを感じた玲也は、バーテンを辞めて海外へ行くという久遠に自分の家で働いてくれるよう懇願する。
玲也は、家に来てくれた久遠にいきなりキスをねだり、身体の関係をねだり、久遠に何も説明しないまま、ただ自分の欲望を伝えるから、久遠はその通りにするものの、決して最後までは行いません。
ただのエロい坊っちゃんみたいな玲也ですが、何せ、純粋培養ですから、智史の言葉そのままにこれが恋だってきめつけてますから、見事な刷り込み具合です。
そんな、関係が続きながら、久遠のアドバイスなどもあり、会社に顔を出して、そこに仕事のおもしろさと自分の道を見つけるようになる玲也。
しかし、久遠のプライベートの行動を知ってしまい激しく傷ついたり、智史の親、尾嶋の陰謀に巻き込まれたりなどして、久遠に初めて愛の告白をすることができる。
全く持って、玲也は傲慢というよりは社会性がないので人の気持ちに対して疎いんですよ。
だから自分が好きとは思っても、相手には伝えてないし、「抱いて、欲しい」というダイレクトな欲望の言葉が愛の言葉と勘違いしている部分が、的外れなようでいて、読み手にはエロいんですが、かわいく見えるのですよ。
相手の久遠は、ちょっと可哀そうでしたけど、よく付き合ってくれましたよねww
結末も、とてもよいハッピーエンドを用意してあって、安心して楽しく読めるお話でした。
上記、「茅島氏の優雅な生活」が好きな方なら是非お勧めしたい本です。
表紙の円陣闇丸さんのちょっとワルそうなイケメンが気になって読んだ作品です。
浅見さんの作品を読むのは多分この作品が初めてです。
台詞以外の文体は落ち着いていて簡潔で好みでした。
セレブでもかなりランクが上そうなお坊ちゃまの玲也ですが、一般の学校にも通学したことがなく、通常の人とは感覚がかなりずれていることが冒頭から分かります。
世間では常識と思われている事については言うまでもなく、加えて玲也自身もかなり天然です。
箱入りの中でも究極の箱入りでお金で解決しがちな所はありますが、悪気は全くないために傲慢さは感じられません。
可愛くぶっているでもなく、地で天然だと感じられるのが可愛かったです。
最初に気になった表紙のイケメン、久遠はバーで雇われているバーテンダーですが、金持ちの玲也に対しても全く普通の人に対するのと同じような態度で接します。
でも出会った当初からなんとなく久遠の玲也に対する微かな優しが感じられてトキメキました。
普段はとてもクールな男性がちょっと天然で変わっている子を可愛がっていることがそれとなく分かる状況に萌えました。