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水上ルイ×明神翼が贈るセクシーな王子様×カメラマンのロイヤルロマンス!
royal romance wa totsuzen ni
途中まではワクワクしました。
駆が王子様に出会い、その美しさ飾らなさ無防備さで超VIP待遇を受けて王子様を虜にしていき…。
なんだけど、だんだん駆に君何してるの?と言いたくなってしまい。
師匠の遺志であった計画通りに撮影の旅をして、売れる写真が撮れるよう頑張ってたんだよね?もう帰ってもアパート代も払えないんだよね?
なに王子様とイチャイチャとエロってばかりなの?だんだん飽きてきてしまい。
水上ルイさんは海外セレブものが多いですよね。どんな取材をしてるのか気になります。
新米カメラマンの須藤駆は、自分を育ててくれた、カメラマンでもあった亡き師匠の取材旅行計画していた地を回る旅に出、南欧の小国を訪れていた。
そこは、王族が収めるF1開催の地であり、小国ながらもかなりの財力を持った土地であった。
そんな美しいときに魅せられて、駆は写真を撮るために、港へと近づき、もっといい景色を撮るために、船の上から写真を撮ろうと、停泊中の豪奢なクルーザーへと侵入してしまう。
ところが、誰もいないと思っていたのに、そこには船の主がいた。
慌てた駆が海に落ちると、その主は助けてくれたけれども、その金髪に琥珀色の瞳の超美形は、何とこの国の大公の息子で、王位継承権を持つマクシミリアン公爵殿下だった。
彼は、駆を色仕掛けをしに来たパパラッチと勘違いして、身体を洗うように、と連れ込まれた駆にお仕置きをするけれど、勘違いだとわかると、今度は親切に公務をキャンセルしてまで、駆にこの国を案内してくれるという。
どうして自分なんかにそこまでしてくれるのかわからないけれど、またとない写真が撮れるチャンスに、ついつい乗っかってしまう。
マクシミリアンに連れられて、プライベートビーチやクルーザーに乗って、他の国まで行った駆だったが、その様子がマクシミリアンのスキャンダルを追っていたパパラッチたちにスクープされてしまう。
根も葉もない噂に駆は怒るけれども、マクシミリアンからは、「君を愛してしまった」と告げられてしまい……
という身分違いの恋の話。
なんというか……
全然、違う国に来て、いきなりその国の王子様? に優しくされたら、普通はもうちょっとびっくりするか、思い切り遠慮するかどちらかをするかと思うんですが、駆は比較的、無邪気……というか、あまり邪気がないタイプなので、王子様に優しくされても親切な友達に対する態度、くらいしか取らないので、変に卑屈になったり、その立場を利用しようとしたりはしてなくて、必要以上に申し訳ながっているわけではないので、割とその辺りはさらっとスルー。
そして、そういうところもマクシミリアンは気に入ったんだろうなー……とは思います。
そんなこんなで最後はハッピーエンドだったんですが、ちょっと待て、そんなあっさりハッピーになっちゃって、跡継ぎの問題とか、スキャンダルの問題とか、駆の夢の問題とか、どうなるの!? とか思ってしまった。
カメラマンとして、モンテカールの自然を撮り続けるだけで満足なの……? とか、綺麗にハッピーエンドにまとまりすぎて、ちょっと逆に消化不良。
本当は、もうちょっといろんなことに悩む方が自然だとは思うんですが、まぁそこはそれ。BLだもんね。夢があった方がいいよね。
というわけで、そんな感じで、シンデレラ的な夢物語が好きな方にはオススメです。
もう少し、地に足ついたお話がお好きな方はちょっといろいろ突っ込みたくなるかとは思います。
プリンス攻めのカメラマン受けで、パパラッチも出てきてなにかと騒がしいお話でしたが、大部分を受けの駆のことをゴシップ誌のパパラッチと勘違いしてしまい、エッチなお仕置きをしてしまった攻めのマクシミリアンがお詫びでという名目であちこち国を回る感じのお話で。
一緒に行動している間にマクシミリアンは、駆の煌びやかな美しさや素直さだんだんと惹かれてしまうのですよ。
しかも、バスルームで誤解のエッチなお仕置きの時の、駆の初で慣れない純情な反応にもハートを射ぬかれちゃってて、その後もなにかと駆に触れて一緒に眠って独占欲丸出し。
でも、駆は全く分かっていなくって。
マクシミリアンがエッチな事をしてくるのは、マスターベーションの延長みたいなもの?
一緒に眠るのは、カメラマンだった師匠との撮影旅行の時に布団を並べて寝てたのと変わりない事。
・・・と鈍感でセクシュアルな雰囲気なんかを全く感じていないというか気が付いていない。
なので、マクシミリアンは悶々としていましたがこの駆の鈍感な所が可愛いんですよ。
鈍感で自分の気持ちに気が付いていないからこそ、エッチなお触りっこもさせてもらえるし一緒に眠れるんだよーてなもんです。
そんな鈍くって元気で可愛い駆ですが、彼とカメラマンの師匠の話はじわっときます。
ある出来事があり、駆は師匠のことを大嫌いと言ってします。でもそれは本心ではなく、本当は尊敬していてずっと一緒に居たいと思っていた。それは恋愛の愛情ではなく、家族愛のそれだけど。
駆は本心を伝えられないまま、師匠は一人戦地へと撮影へ出て行き、帰らぬ人となってしまった。
そのことが凄く心にひっかかり、本当はどう思っているかを伝えられなかったことを悔やんでいて、後悔していて、でも本心を伝えたい人はもう帰ってこない。
けれど、それを認められない。
それを認めさせてくれたマクシミリアンに慰められ、溜まっていたものを吐き出すように泣くシーン不覚にも潤みました。
最後に起きたトラブルはなんだか取ってつけたような出来事でかなり弱く、あの人物がこの騒動を起こすようには到底想像できなかった、というぐらい犯人の存在が希薄でした。
話の中に流れるパパラッチ騒動の顛末と言えばそうなのですが、ここもうちょっと陰謀めいたものがあればよりドラマチックだったのにと思うとそこだけが少し残念に思えたのでした。