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憎い。そして、愛してる――!
甲山さんの作品は、とんでも設定、おバカでコミカルなお話が多いイメージなのですが、今回は裏家業もので少ししっとりしていました。
小さい頃の、おそらく壮絶な記憶を失い、香港マフィアのボスに飼われている主人公。囲われている身ですが、仕事でも役に立ちたいと思っています。
一方、攻めの方はオジサマ。苦み走ったいい男を想像しながら読みました。
攻めが、なかなか心を見せないんですね。BLあるあるですが。
受けを大事にしていそうで、高校を出る年まではと抱かないし、他に色々情人がいそうなそぶり。
受けの生い立ちの秘密をあかしていくストーリー展開。兄だという人物が現れて動揺したり、陰謀に巻き込まれて殺されそうになったり。
最後は攻めの気持ちもわかり、事件も解決してハッピーエンドでした。
いい”兄”のキャラでなかなか活躍したレオン。スピンオフがあればいいな~
香港組織の情人モノと聞けば、もちろんエロエロよね!ということで見事期待に答えてくれた主人公の受け様”珠龍”
AV女優なみの喘ぎに、全裸待ち受けなど、男前な乱れっぷりですが、組織の交渉役としての仕事も立派にこなし、麗人の如くの容姿で親衛隊もできるほどの、仕事人としても男前であります。
「飛龍」のボス・ロバートの情人として、また組織の交渉役として高級会員制クラブ「胡蝶」の支配人として働く珠龍には5歳の頃からの記憶が途切れて一部損失しております。
覚えているのは、血を流して倒れている父親と「お兄ちゃん」だけ。
その場所から救ってくれて、保護して現在まで育ててくれたのがロバートでした。
早くからロバートに欲情し、ロバートへの恩からその片腕となっているレオンの入れ知恵で全裸でロバートのベッドに忍びこむものの、18になるまで待てといわれ、そしてやっと情人になれた珠龍。
ある日珠龍の元に交渉を頼みに、共存する組織の最高幹部・京がやってきて、珠龍の兄と名乗る男・烈がいるという。
実はこれがワナで、ロバートの寵愛を受けている珠龍を出しに、ロバートも失脚させようという、京と「飛龍」の幹部・李の策略でした。
まんまとワナにはまった珠龍は組織に糾弾され、与えられた刑は「死」
しかし、ロバートとレオンの巧妙な仕掛けでヒロイン(ひーろー?)は死ぬわけがないのですがww
そこで、珠龍の記憶が戻り、ロバートとの関係・「お兄ちゃん」の正体がわかります
そしてめでたくロバートと珠龍は改めて愛を確かめ合うのでした。
黒社会が舞台だけに、シリアスにハードにお話は進んでいきますが、主人公の珠龍がとってもいい具合のキャラに設定されていますので、お色気をところどころにちりばめて、大変に楽しめる作りになっています。
ロバートの年齢設定が本人いわく”おじさん”の珠龍より二回り上ということで、さすがに若い珠龍のあくなき性欲には疲れも感じるようで、、
きちんとお道具も用意などしてあり、それを代わりにする日もあるようです。アセアセ,,
脇キャラのレオンが、とーっても好い人で、ひょっとすると彼で一本話が書けそうですよ。
もう一遍の「妖艶な催命鬼」(死神)で、台湾の黒社会ボスアンディーなる、ロバートと同じ歳の、インテリっぽいメガネのおじさまが出てまいりますので、彼あたり絡みそうです。
作者様が、後書きで続編計画してますと書いてましたから、期待してもよさそうですね。
ということで、かなり面白かったです!