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初読みの作家さん、今月から4カ月連続で計4巻で構成されるこの「アネモネ」シリーズの第一作目です。
不自由なく育った不遜で我儘な攻め様=威琉と、複雑な家庭環境から理由ありそうな、でも純粋で一途な受け様=理久の時には甘く、でも痛くて切ない恋愛模様が綴られていました。
昼は花屋で、夜は花屋のオーナーの経営するバーでアルバイトしている理久。
昼間店にいると、不遜な態度の男・威琉がやってきます。
余りの傲慢さに腹を立てる理久ですが、傲慢なくせに耳を赤くしている威琉に好感を持ち、次第に仲良くなっていきます。
家で咲いたという赤いアネモネをプレゼントされる理久。花言葉は「君を愛す」威琉は、理久が好きな庭のある家の息子でした。
強引なマイペースで理久を引っ張っていく威琉。
戸惑いながらも、威琉のテレ隠しのような本音に気が付く理久は彼のことが大好きになります。
理久にも家庭の事情など色々わけありそうなのですが、この巻の中ではその深い本質には振れていません。理久が話さないからです。
また威琉も自分の事を余り話さず、そのことは威琉の家族から聞いて初めてわかるという、恋人なのに意志の疎通の悪さ。
良くも悪くも、この二人の性格の欠点が将来に暗雲を呼びます。
理久には高校から仲良しで何かと世話を焼いてくれる同級生・一騎がいるのですが、ガンで余命少ない父のこと、母の電話など、心悩ませる事は一騎にしか話すことができません。
本当に心を打ち明けることができるのは彼だけのようです。
誰からも愛される素直な理久、そんな周りの人々に嫉妬する威琉。
クリスマスに作った威琉のリースが素晴らしかったことからフローリストとして頭角を現し出します。
4年を迎えて就職活動が上手くいかないうえに、両親のことで苦悩する理久。
そんな二人のすれ違いが、二人の間に亀裂を生んで威琉の何回もの浮気という決定打でとうとう別れてしまうのです。
全体を通して威琉の傲慢・不遜ぶりが目に付き、とにかく恋愛にのめりこみ、理久に執着し、彼の深くを知ろうとしない態度にイライラしますが、
理久も、そんな威琉を許し、何も肝心な事は語らず、そういう部分は親友の一騎にもっていってしまうところが、不器用たるところだと思いました。
絶対うまくいかないと思える組み合わせです。
4巻も続くので、これからもっと色々な試練が二人に襲いかかり、また解明されていなかった、特に理久の家庭の事がもっと明らかになるのでしょう。
親友の一騎の存在もきになるところですが、威琉の兄(天然フェロモン垂れ流し系)も見逃せません。
作者さんは、次で威琉に試練を与えると言っております。
ドラマのような恋愛劇、ドロドロでジェットコースターのような展開は待っているのか?
これは次の巻も見逃せません。