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warui otoko
う~~~~ん。
榊花月作品とは相性が悪いと認めざるを得ない作品でした。小山田あみさんのイラストは素晴らしく綺麗で色っぽくて良かったのですが、肝心の内容が見合っていませんでした。
そもそも萩野が冬堂を「わるい男」と認定する経緯が軽いというか薄っぺらい。仕事をしていれば他に考えるべきことがいくらでもあるはずで、序盤の段階で、萩野がエリートサラリーマンという設定に疑問符を浮かべること数回…。二人が深い関係になる展開も本当に「いつの間にか」としか表現のしようがないほどヌルッとしていて、性的嗜好が変わってしまうことに説得力が感じられませんでした。
第二話にあたる「ソルティ・ブラウン・シュガー」は一転して冬堂視点で書かれているのですが、ここに出てくる萩野が第一話の萩野と同一人物とは最後まで思えず、まあ恋は盲目なのかもしれませんが、違和感がありまくりで萌えどころではありませんでした。
榊花月作品をいくつか拝読してのコメントになりますが、多用されている「~である。」という表現と、セリフ前が「○○は、」で終わっているのにセリフ後に「~と言った」の一文がなく文章が続くのが、どうも個人的に気になって、遭遇すると萎えてしまうことが分かりました。榊花月作品を再び手に取る自信は今のところないので、もういいんですけどね…。
最近は、読むBL読むBLが、かなり当たりが多くて幸せです。
今回のお話は、一章目が荻野水紀視点。
二章目が、その相手である冬堂視点でした。
三章目は本当におまけのおまけの感じで、荻野視点でした。
最初は、とあるお菓子メーカーの開発部に勤める荻野が、とあるお菓子の復刻版のおまけの製作をすることになり、そのプロジェクトのメンバーでもあった広報部の冬堂が、とことん荻野の出したアイディアを却下していったのが始まり。
基本的に、綺麗な顔をしているのだが、平和主義者の荻野はどうしてそんなに難癖を付けられるのかわからないモノの、冬堂の発する危ない雰囲気には惹かれていく。
普段は、そういう匂いを感じたらさりげなく避けるようにしていた荻野だが、何故だか冬堂相手にはそういう訳にも行かず、フラフラと近づいて行ってしまう。
そしてついには、身体の関係まで持ってしまうのだが、そんなことをしてしまう自分の気持ちに荻野は気がつかないフリをしていた。
けれど、わるい男の魅力は今まで優等生で生きていた荻野にとっては抗えないもので……という中途半端なところで終わってしまったのが、一章。
これ、本当雑誌読んでてここで終わったら暴れる勢いですよね。そのくらい冬堂の本当の気持ちはわからないし、荻野がどうするのかも読めないまま終わってます。
でもよく見たら、これ、初出雑誌なんですね。
よく、読者の方々季刊だから、三ヶ月耐えましたね……尊敬します。
でも、元々二話で一つの組み合わせのつもりだったのなら、ありなのかもしれませんね。
話がそれました。
そして、二章目が冬堂視点。
ここでようやく、読者の視点で冬堂の考えていることがわかる……という仕組みですね。
冬堂は相当に酷いことをして、怒らない荻野を怒らせるんですが、そっからの落ち込みようから、ハッピーエンドまでが短い! テンポが早い! というべきなのかもしれませんが……。
あそこまでやったんだから、もう少しモンモンとしてもいいんじゃないかと性格の悪い私なんかは思ってしまいますが、荻野はそうじゃなかったわけで、あっさりと冬堂を許し、挙句の果てに自分から告白しに来てくれる……という親切っぷり。
でも、結局は荻野のことが大事だと自覚した冬堂が先に涙をこぼしながら告白してしまうんですが……。
さあ、これでハッピーエンドだめでたし、めでたし……。
と思っていたら、書き下ろしの三章目で再びぽかーんとさせられましたよ私は!
あれだけ、泣きながら冬堂が告白したのに! 荻野はまだ冬堂の気持ちを信じてないんですよ!! あの感動的だった告白シーンはいずこに……。
一瞬、冬堂がむちゃくちゃやった後に荻野がどうしていたかに時間軸が戻ったのかと思いましたよ。
ああびっくり……。
あなたのその目の前にいる人、あなたを思って泣いたんだからね! 「好きだ」って言ったんだからね!! もうちょっと彼の気持ちを信じてあげなよ!! と個人的に胸の中でツッコミが大合唱しておりました。
もう、なんだか荻野って、優柔不断・事なかれ主義通り越して、天然な気がしてきた……。
まあ、そんな感じで最後はぽかーんともさせられましたが、大人な感じのすれ違いビターラブを読みたい人にはオススメしておきます。
え~、ヒジョーに微妙な作でした。
「わるい男」である上司は「わるい」と形容するにはどうかと思うんだが。
「ワルぶってる」がせいぜいです。
ホテルのラウンジでスコッチウィスキーではなく、
舌噛んじゃいそうな名前のアイリッシュ・ウィスキーを
オーダーしてしまう冬堂がツッコミどころ満載のかなりイタイおっさんな件w
飲みなれてるオッサンなら行きつけのバーぐらいあるだろフツー。
どうでもいいが「ブローガンズ・リキシー」ではなく、
「ブローガンズ・レガシー」だと思うんだが?
はて「ビューイッツ」ってアイリッシュウィスキーあったっけ?
とぐるぐる考えて……ブッシュミルズのことか?
と思ったら「ヒューイッツ」だった。はいはいHewittsですねすんません。
それですかさず「アイリッシュがお好きなんですね」と返す荻野さんすげぇ。
オイラなら惚れるどころかイタイおっさんだと思って萎える!
アレだ、HERMESを「ハーメス」って何?と聞く電車男か、
オサレなバーカウンターで「カマスください」「は?」「だからブランデーのカマスだよ!」
……CAMUSかよ(タモリ談)ぐらいイタイんだが、
冬堂の酒オーダーで噴いた自分は負けだと思った。
負けついでに、作中出てくる女がどいつもこいつも最悪すぎるんだがw
荻野の彼女は何のとりえがあるのかさっぱりわかんないアーパーだし
社内の飲み会に行くだけでコンタクトにするお局ババァとか
クールな人が好きだわ、とか言いつつ結婚して子供生まれたら「あなたって冷たい」と
離婚しちゃう冬堂の元嫁とか、いやもうこんな女どもに囲まれて生きていたら
そらーホモるしかないだろと思う。
で、ストーリーですが…ごめん、酒の名前と女どもに脳内ツッコミ入れてたら忘れたw
容姿も学歴も良く仕事も出来て彼女も居る、そんな順調な萩野[受]ですが、唯一会社で苦手としているのが冬堂[攻]
萩野の出した企画を片っ端から却下しまくり、少し見下し気味に皮肉を言いまくります。
当然、萩野は冬堂が苦手な訳ですが話が進んで来ると次第に分かってくるんですが、なーんだ要するにあれですよ、好きな子をいじめたり構ったりする子供のあの心理なんですな、冬堂って。
過去に結婚も失敗し、しかもその原因は浮気。
さして罪悪感も無くあちこちでアバンチュールを繰り広げてきた冬堂ですが、萩野に対しての感情だけは何故か今までのものと違っているのですね。
その辺りは、冬堂視点での話が入っているので読み手側にも掴みやすい。
わるい男って感じではなかったですが、そうですね、わるそうに見える男、かな。
帯に「苦手なのに気になる、憎みきれないロクデナシ」って沢田○二の歌みないなコピーがついてまして(古!)、どんだけ悪い男なんかい!?ってちょっと期待・・・ジャイアンでした。
ジャイアンなんだけど、ヘタレだったので、更にジャイアンをパワーアップしてみたが、のび太くんに優しくされて改心して結局いい人?
荻野は、プロジェクトで自分の提案をことごとく潰す冬堂が苦手。
また冬堂も、それを楽しんでいるようにやってるからタチが悪い。
ある日、彼女とデートしているところを冬堂に見られた時から、急激に冬堂を意識し始める荻野、そして更にちょっかいを出し始める冬堂。
まさにジャイアンですよ。
冬堂はイイ男なんですが、バツイチで女の噂が耐えなくて、性格が悪いんだけど、つい女性も意識してしまうような男です。
離婚したのも、入籍して3日で飽きて、浮気が絶えなかったのが原因のよう。
荻野は外見も善く、女性も放っておかないルックス、もてるんですが誰と付き合ってもいま一つ真剣になれない自分に気が付いています。
こんな性格設定はBLにはよくありますよね、潜在ゲイの素質あり?
冬堂と飲んだ先で、半分自棄なのか、気分がよかったのか飲み過ぎた荻野は冬堂と寝てしまう。
更に冬堂が気になってしまう荻野、冬堂もまたどうしてなのか自分でもわからないのです。それでも中途半端な関係が続きます。
冬堂は、荻野の素直なところを見るにつけいじめたくなるみたいなんです。
まだ最後までやってないのですが、荻野をいかせた後、毎度バスで自分で抜く冬堂は、荻野を抱きたくてしようがない気持ちを己でわかっているのに、どうしようもない自分にイラついています。
荻野は、素直な人間でしたので、冬堂が好きだとう気持ちに気付くのも早かったようです。
荻野との逢引きの場に、荻野の彼女を呼び出してキスシーンを見せつけ、荻野に決定打を与え、最後までとうとうしてしまう悪い奴。
裏を返せば、臆病ですよね。
元妻が、再婚を告げに訪れた時、自分の過去を振り返り、荻野が特別な存在であることを思い知り、冬堂に愛を告白しに来た荻野の前で泣いてしまいます。
初めて、本当に人を好きになったと自覚する冬堂。
わるい男だったのは、まだ本当の恋をしてなかったからという結末であります。
しかし、二人が近づいていく酒の席で冬堂がつらつらといきなり本音をしゃべりだしたり、荻野は特別だからということの表現なのかもしれないですけど、それまでの性格と言動から??みたいな不自然な感情の変化が少しきになりました。
ジャイアンものでしたが、荻野が主人公というよりやはりこの本は冬堂が主人公なんだろうな、と思います。
製菓会社が舞台なだけに、各章の題名がお菓子っぽくていいですね。