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natsuyasumi ni omiai wo
楽しく読んだ1巻目に続けて読了したのですが!
ちょっとかなりショック!
この巻で終わらないじゃないですか!
なのに、電子では続きがない!
検索していないけれど、紙の本は絶対絶版だよね。
……こんなことあっても良いのだろうか?
版元さんは電子化をしてくださるよう、お願いいたします。
この巻では流石に進展するだろうと思っていた二人の仲なのですが、面白いくらい進みません。
逆にそれが面白かったりしたんです。
「さすが90年代」と思ったんですが「いや、吉家の臆病さはむしろ、最近の若い人達っぽいかも」と思ったりいたしました。傷つくのが怖い所為で、築島の姿までもが歪んで見えちゃっているのです。
お話は『吉家の妹の見合い話を壊すために築島が恋人の代役をすること』と『系列会社へのサイバー攻撃に関する謎解き』の2つが同時並行に書かれます。
どちらもね、なんと言うか『古き良き時代のお話』と思える様なものなんです。
前作でもそうでしたが『サイバー攻撃』の方は、最近のものと比べると牧歌的ですらあります。
それなのに面白かったんですよねぇ。
やはり、この語り口(リズム?)が好きなのだと思います。
ひょっとしたら「あの頃、こういう少女小説を沢山読んだなぁ」というノスタルジーなのかも。
前作同様、お若い方にはお薦め出来ないんじゃないかと思っております。
全然進展しないリーマンもの。
ここまで進展しないとただのお仕事ものの小説を読んでる気分になります。そこはそこで面白いんですが…
前回は顧客のデータを持って行方不明になった同僚の足跡をたどる話。
今回は系列会社のホームページに「倒産おめでとう!」という怪奇文字と葬送行進曲が流れるウイルスがまかれて、パニックになる中犯人を突き止める話です。
吉家と築島の職業はSEですが、作者さんが昔同系のお仕事をしていたそうで、おまけにミステリーを多く書かれている作家さんだけにやっぱり事件の謎に迫る展開は面白いです。
90年代のお話なので、この頃のインターネットのアレコレは今は古かったりするのですが、サイバー業界のサスペンスドラマ的なストーリーとしてはかなり面白く読めます。
ですが、ふと、恋愛はどうなった?て思ってしまう。
今回は吉家の妹がお見合いをさせられることになり、築島はその彼氏になりすまし破談にしようともちかけます。嬉々として彼氏役を引き受ける築島はほんとに吉家を何とも思ってないの?と思います。
築島が読んでいてすごく可愛いんだけどすごく苛々もする。
吉家が築島に抱いてる感情もこういう感じかもしれないと思います。
こちらの予定を聞かずに勝手に自分と同じ日に夏季休暇を申請していたり、勝手に家族に会わせるからとひっぱっていかれたり…放っておいてほしいのに「年下の無邪気さ故に」じゃ許されない苛立ちを感じるけど、でもそこに失恋の痛手が癒されていくのも感じます。
吉家にとって、男に恋をする=失恋となっているので、築島に本気で恋をするまえに早く失恋したい、築島に彼女が出来ればいいのに、と思い始めます。そう思う反面涙がにじんでくる吉家が可愛いけれど、吉家はあくまで「クール」に見栄を張ります。
吉家が意外と単純なキャラクターな反面、築島というキャラクターは巧みで複雑。誠実でまっすぐで嘘がなくものの見方が公平です。
古い常識の会社に染まらずそれはおかしいとはっきり言えるし、困っている人に対して「何か困っているんじゃないですか?」と言える。
なんか人間ってこんなまっすぐに生きられないんだよーというもやもやが吉家にはあるのではないかと思います。
結局何か進展したのかわからないまま終わった2巻目なのですが・・・
相手の髪が頬に触れる、触れた?ていうくらいでドキドキしている非常に恋愛モノとしてはゆるく、けどこの糖度は低いドキドキは嫌いでないといえばそうですがやっぱりちょっと物足りない!
主人公がゲイというだけでBLとうより一般作に非常に近いニアBLっぽいお話でした。