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miko wo metoru hebi
今回は邑の祀る廟の番人で受様を拾った義兄と
義弟で神獣・玄武の花嫁に選ばれた神子のお話。
二人の出会いから紆余曲折を経てまとまるまで。
舞台は玄武の守護する琴。
しかしなぜか近年の琴は痩せて無残に荒れ果て、
多くの民が飢えに苦しむ生活を送っています。
二人の出会いは攻様5才の秋。
冬用の薪を拾っていた邑外れで
攻様は泣きじゃくっていた赤子を見つけます。
彼は攻様の必死の頼みで家族として迎えられ、
一家の子供として育ちます。
この義弟が今回の受様ですね。
攻様は幼い頃から腕っ節が強く、
周囲に一目置かれる存在で、
今は天帝や玄武を祀る廟の番人をしています。
対して受様は鈍くさくぶきっちょ。
7才で天帝に祈りをささげる神子となってからは
天帝や玄武のために生きる生活をしています。
受様は物心がついた時から
義兄である攻様が一番好きな人でしたが、
攻様には邑一番の美少女との結婚話が有り、
彼にとって弟でしかないと諦めていました。
そんな二人の関係が変化するのは
琴に伝わる特別な習慣が彼らの邑で行われた
ある年の春の事。
その習慣とは玄武の花嫁の選定。
神子の中から神獣の世話係を選ぶ習慣は
花嫁自身の名誉の他に
邑にも報償の食料が支給される為、
受様は邑の為にも花嫁になりたいと願い、
不思議な蛇により今年の花嫁に選ばれます。
喜ぶ受様でしたが、
花嫁が実際は何をするのかは知らされません。
しかし攻様は
都から来た護衛兵から神獣は花嫁を貪り、
花嫁は一年ともたずに儚くなると知り、
二人は邑を逃げ出しますが、
結局は追手に捕まってしまいます。
攻様は琴を追放されてしまいますが、
花嫁として去っていく受様を見送る胸には、
受様への狂おしい程の恋慕の情が湧き起こります。
誰よりも大切だからこそ諦めない!!
はたして攻様は受様を取り戻す事が出来るのか?!
神獣異聞シリーズ3作目。
今まで以上に自覚のない王様誕生のお話になります。
この後、攻様は他国の王の助力を得て
神獣に認められて王になりますが、
受様は偽の神獣に仕える事で散々な凌辱を受けてます為
二人がまとまるまでには一波乱も二波乱も有って
最後までハラハラしつつ楽しく読めました♪
但、受様の仕えた偽神獣は
神子の胎に卵を産みつけて繁殖する蛟なので
ぬらぬら触手系が苦手な方はご注意くださいね。
ちなみに本作は1冊目の『花を秘する龍』の攻様と
別シリーズキャラも登場します。
各巻読切なのでコレだけでも問題なし!ですが、
今回は同じシリーズの1作目、
和泉桂さん『花を秘する龍』をオススメしますね。
良ければ『月宮を乱す虎』もぜひ♪
神獣異聞シリーズ第3弾。
シリーズものではありますが、それぞれ別の国の独立したお話ともいえるのでコレだけ単独で読んでも大丈夫。
今回の神獣は玄武。
捨て子だった琳香は義将に拾われて義将の義弟として育てられた。
いつも男らしい義兄・義将に心を寄せていた琳香。
けれど、兄にとって弟は弟でしかなくて。
そんなある日、神子として仕えていた琳香は「玄武の花嫁」に選ばれる。
それは栄誉なことであったが、義将はある役人からそれが命をも捧げる生贄だと聞かされて…。
義将の気持ちが最初から定まっていたらこんなことにはならなかったよね、というお話(笑)
いや、でも、それだとこの国に平和が訪れないことになるのか。
弟として接してきた琳香の神事の舞を見て覚えた昂揚。
それから見るようになってしまった琳香を組み敷く夢。
琳香が花嫁として側からいなくなることがわかってから気付く気持ち。
それでも、まだ兄として可愛がっていると思っているようなところもあったり。
本当に離れてしまってからようやく本当の自分の気持ちに気付くんですよね。
それでようやく重い腰を上げるんですが…。
平和が訪れてからも、この人、行動が遅い。
いや、琳香が同じ気持ちだと思ってないからなのかもしれないけど。
付け込んだと思われたくないからとか言ってるけど。
それでも、あんなに時間が経ったら琳香もどうしようもなくなるよね、と。
周りの女官とかがいい人たちばかりで良かったです。
琳香は最初からずっと一途に義将のことを想ってて。
実は、花嫁として蛇(みずち)にその身体を蹂躙されることになるのですが。
いわゆる触手プレイ的な。
卵とか産まされたりもします。
その時も快楽に身を委ねきらずに信念を持って耐えきるんですよね。
これは、自分に与えられた試練だ、と。
屈さないところはきっと義将よりも強いんじゃないかと。
ちなみに、最後には2人のらぶらぶえちもあるんですが、
この触手生活の反動というか効能というか副作用というか、琳香かなり過敏ちゃんになってるんですよね。
なので、2人の初夜ではあるけれどもかなりの反応をしてくれます。
すごいな。
というわけで、今回は触手苦手な方にはオススメできません。
あと、義理でも兄弟モノが苦手な方も。
個人的に今回わかったのは自分の中に触手萌えがなかったこと、兄弟は別に平気なんですが「お兄ちゃん」というセリフに萌えを感じないということ。
ショタっぽいのがダメなのかなぁ?
「兄貴」とかなら全然平気だと思うんだけども(この物語には相応しくありませんが)
あと、個人的にはラスボス的地位だったと思われる未明があっさりした最期だったのが残念。
案外、気に入ってたのになー。
タイトルから、『攻=蛇(神獣)』だと思い込んでました。で、『義兄弟?(義兄が)当て馬?』と的外れなことを考えてしまったんです。読み始めてわりとすぐに、なんかヘンだな、と気付きましたが。
これ、触手が出てくるんですね。私は商業で触手って読んだことがなかったので、何も考えず(身構えず)に読んだんですが・・・そうか、触手プレイってこういうのなのね。この作品の触手は、私にはちょっと無理でした。
とは言え『触手』そのものは、読後の今も別に抵抗はないです。好きとも言いませんが。では何がダメだったのかというと、触手=攻じゃなかったこと。つまり、愛あるHじゃなかったってことなんですよ。愛があれば触手自体は構わないんですが(このあと、触手=攻の『愛ある触手H』を読みました)、『愛のない触手プレイ』はもう二度と読みたくないです。でもそれ以上に『卵』が気持ち悪かったですね、私は。
これはファンタジーという以上に、読み手を選ぶ作品なんじゃないかと思いました。
とにかく触手のインパクトが強過ぎて(作中描写の分量配分も)、それ以外のストーリーがどうも半端に感じたんです。これではまるで触手がメインのよう・・・いや実際、ある意味そうなのかもしれませんが。
中でも、悪役と言える未明の退場があまりにもあっさりで拍子抜けしましたよ。設定そのものはいいと思うんですけどね。
まあでも、『ドラマティックなラブストーリー』には違いないです。トータルでは悪くなかったですね。