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shitsumushitu no himitsu
もしかしたら表現が悪いかもしれませんが、寝取られ系と呼べるタイプのお話でした。私にはちょっと合わなかったです・・・。
寝取られがダメなわけでなくて、寝取った方も抱かれた方も本来の恋人に対して裏切りを働いていて、不誠実だと感じたからです。
検事の歩己は同期の毅と付き合って一年ですが、検事という職業柄、周りにはばれないようにと今だデートとキスのみの清いお付き合いをしています。
そんなとき先輩検事の御森に酔わされ、部屋に連れ込まれ強姦され、写真を撮られ、次の日からはその写真をネタにゆすられる…。
とにかくまずここで検事にしてこの行動は!と愕然としました^^;
同性愛は違法ではないけど、強姦暴行・ゆすりは違法ですよね。それを検事さんがしれっと。
とにかく攻めの御森に対する心証が良くなかったです。
その後も歩己は写真をネタに、恋人の毅を裏切り何度も御森と体を重ねます。しかし・・・歩己が本気で抵抗しているように見えない!
BLのセオリーなのかもしれませんが、ナイフなどで脅されているわけでないのに「いやいや」言いながら抱かれてしまうのがなんとも…。
独り身ならともかく、恋人がいて、しかも恋人とまだ一度もしたことないのならもっと本気で抵抗しそうなものです。というか、ここまできたら毅に隠し通さずに助けてもらったほうが自然な展開な気がしました。
お話はその後、暴行事件を歩己が取り調べる展開になり、恋愛ものより半分は事件ものという感じでした。
取調べの対象になったのはとある大臣の息子で、後ろ盾が完璧だからと周りは不起訴を勧めますが、歩己は自分の正義を貫こうとします。
この姿はりりしくて正義感がありかっこよかったです。
しかし、御森も自分の貫く正義があるようですが、結局御森も毅も手を貸してくれるかというとそうではなく・・・。
結果的にこの事件が毅との別れにつながります。
御森は歩己の身体を卑怯なことをしてを手に入れたと分かっています。
「卑怯なことは卑怯と知ったうえでやる」「自分の気持ちにはまっすぐ」など一見御森に対してカッコイイことを書いてるように見えるのですが、全然かカッコよくないよ!と思いました^^;
だってこれどう見ても強姦・脅しでなので・・・私には最初から最後まで御森は単なる性犯罪者に見えました…。
事件がほとんどだったので、抱かれてるシーン意外で御森と交流を深めるシーンがあまりなく、攻めキャラとしての印象が薄かったせいでしょうか。御森の一体どこを好きになったんだろうかと思いました。
私は一年も清いお付き合いをしている毅がそんなに悪い恋人には見えなかったので。
この先はネタバレになりますが、結局、歩己は「毅は自分を抱いてくれない」と言って御森のもとに走ります。
こっちから告白し、こっちから裏切った恋人を自分の浮気は棚に上げて「抱いてくれないなら抱いてくれる人のところへ行く」と御森と寝た事を暴露して捨てるなんてとても身勝手に見えました。
抱いてくれないってそんなに悪いことでしょうか?
ノンケの人が男性と行為を持つって勇気がいると思います。何年もたってないのに、それは時間をかけていくものじゃないかと思ったのですが…。毅はゲイじゃないのに、告白した歩巳を受け入れてくれて、今は公にできない関係だけどいずれ弁護士になったら連れていくからそれまで待ってといってくれて、周りにもかくさず「可愛い恋人がいる」と言ってくれてたのに。
抱く決心がつくまで2人で共に歩んでいくのが愛ではないの??と思いました。これでは、自分から告白したのに、他の男の人に抱かれたらそっちのほうが良くなってしまったという身体が優先な子に見えてしまいました。
毅に対しては5年以上の片思いだったのに、御森に対しては抱かれてからまだ数日という関係なのも気になります。結局は、歩巳のほうが毅を心から愛していなかったということなんでしょうか・・・。
事件も、きちんと望むとおりに解決したかというとそうでなく、結局あの犯人は不起訴でまた同じことを繰り返すのかと思うと悶々します。
検事の世界は正義だけが通らない、というリアルさを描いていて、歩巳はそれに一人で立ち向かい、そのあたりは素晴らしかったと思います。
しかし、事件もスッキリしない終わり方で、毅とは別れ、歩巳は退職。どちらかというと少し暗めのお話でした(歩巳は新しい恋人を手に入れますが)
私には結果的に恋人を裏切って浮気し、成就したカップルのお話に見えてしまいまして、なんだか虚しい後味でした。
一人で勝手にうえだ先生祭りをやっておりますが、この作品は・・、うーん、ちょっと暗く地味でした。
主人公達が検事なので、とある傷害事件が出てきますが、この事件の内容がとにかくえげつないし、加害者が全く反省していないので、後味が悪すぎる。
一方、登場人物達も、検事という職業柄仕方ないんでしょうが、皆それぞれに「弱さ」を抱えており、理想と現実とのギャップに苦しみながら、悩み迷っているので、只でさえ事件のせいで暗いのに、作品全体を覆う閉塞感や陰鬱感が払拭されるばかりか余計に広がる始末。
絵空事すぎる世界もどうかと思いますが、この作品に至っては、第三者とかでもいいので、一人ぐらい、何かこうスカッと出来る清涼感のある人物の登場が欲しかったかなぁ。
攻めの御森も決して暗くはないんだけれど、正攻法ではないやり方で相手を絡めとる感じがどうも。二人でテーマパークで遊ぶ描写は良かったのですが。
とは言え、検事さん達のリアルな世界を垣間見れたし、恐らく現実もこんな感じなんだろうなと色々勉強になりました。
萌えてはいないので評価は少し迷いつつも、やっぱり先生の丁寧なお仕事描写が好きなので、萌えとします。
同期同士で付き合ってて、でもプラトニックでキス止まり。この二人が、だんだんと愛を深めていくお話なのね……と思いきや、全く違ってたっ!!!
5つ年上の男がさっと現れ、あっという間に攫って行っちゃったよ。
そうですっ! 略奪愛です!!
しかも、攫った相手の気持ちなんかお構いなし。チャンスと見たらそれを逃がさない。
いやはや、こんな強引な攻め、初めてでした。
ってか、略奪愛も初めてかもしれない。
最初は、付き合っている相手がいて、その相手もちゃんとわかっているのに、自分の気持ちに正直になって歩己に迫る御森を「何だ、コイツ」と思ってましたが、真剣に好きだったんですよね。
だから、降って沸いたチャンスを無駄にしなかった。やり方はどうかと思いますが。
それに比べ毅ですよ。もちろん、歩己を好きだという気持ちに嘘はなかったと思うんです。
ですが、肝心なところで腰が引けてちゃ、恋人も離れていくってもんですよ。
やっぱり、男同士の恋愛には思い切れなかったってことが敗因でしょうか。ノンケだったわけですから、これ以上責めるわけにもいきません。
まぁ、割り込んできた相手が悪かったんだと言うことで。
歩己だって、自分の気持ちの隙をつかれたとは言うものの、ちゃんと御森の気持ちはわかるし、自分のこともわかってくれるし、愛される心地よさだって知っちゃったら、何もしてくれない毅を見限っちゃったんだろうなぁ。
しかも、気が付いてなかった嫌な面を見せつけられちゃったら……ねぇ?
そしてラスト。さりげない御森の思いやりというか優しさというか、あ~やられた。
歩己が取り調べた青年とか、訴えた相手とか、もちろん歩己や毅等々、ナチュラルでリアリティーがあったなぁ。
最初読み始めた時、検事という固い仕事の話ということもあり、もう少し男っぽいキャラで、固い文章などが登場するのかと思いましたら、文章は女性作家らしく優しい文体で思ったのとは違うなと思いました。
導入からしばらく、丁寧過ぎる主人公・歩巳と主人公の恋人・毅に関する記述、起伏のない成り行きにちょっと苦手かもしれない。と感じました。
しかし、主人公に付け込んでカラダの関係を持つ年上の検事・御森が登場したあたりから、激しい展開ではないものの、グイグイと物語に引き込まれて行きました。
歩巳は同期の毅と同じ東京地検に勤める検事ですが、お堅い職場であることから、周りに気付かれないように細心の注意を払い普段は恋人の雰囲気さえも見せない関係です。
また、恋人というものの上記の理由もあり体の関係もありません。
ある日、判事部の検事御森に食事に誘われて、毅の話題で気を許したせいか酔っぱらって御森と体の関係を結んでしまします。
御森は歩巳を見た最初から彼が気に入っていたのです。
半ば毅との関係を脅しのネタのようにされ、いやいやながら続く御森との情事。
そんな時、傷害事件である青年が送検されてくるのですがその人物の処遇と起訴をめぐって裏事情があることを知る。
自分の正義感と周囲の事情の狭間で悩む歩巳。
毅は常識的なことを言うだけで、親身に悩む歩巳にアドバイスするわけでもないし、御森も最初に一言匂わせただけであとは歩巳に何を言うでもない。
散々悩む歩巳が、御森に連れて行かれた遊園地で、こんな自分に今一番必要とする手が何なのか知ることで、自分の正義を貫くことを決める。
そんな時に、毅が歩巳の元を訪れて例の立件の処分についてことなかれを進めようとする。
そんな毅に、それならオレと寝てくれと請う歩巳。しかし毅は・・・
歩巳は本当に自分に必要な人、そして望んでいるものが解ったのでした。
御森が体で歩巳を自由にしたという、普通の展開なら俺様まっしぐらな鬼畜な性格が予想できるのに、自由にするのは体だけで心まで縛ることをしませんし、いじわるな言葉責めもなく、歩巳を見守りそっと支える立場に描かれていることが、すごく好感が持てました。
大きな盛り上がりも、ドラマティックな展開もない一見地味な作品ですが、落ち着いた静かな愛に、読後の心地よさが残ります。