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目の前にいるこの人のことがとても好きだと―そう思う。
chikai no kiss wa koisaku niwa de
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ベタな甘い恋愛話です、だがそのベタさ加減が、ベタな話を読みたい時にはぴったり。
ただがっつり読む分にはベタ過ぎて面白みが足りないかもだけど、自分はこういうベタな恋愛話は好き。
母と息子で経営する小さな花屋の息子、陽〔受〕は植物を動物や色んな物に模って作るトピアリーを独学で学んでいつかは色んな人に見てもらいたいという夢を持ってます。
そんな陽がその庭の美しさにふらり入り込んでしまったレストランのオーナーが倉科〔攻〕で、彼はそんな陽の話もちゃんと聞いてくれて更に、その後陽の花屋へと出向き彼に大きな仕事の話を持ってきます。
先ずは、倉科の家の庭の手入れの手伝いをする陽。
倉科は陽に甘いキスをおくり、甘いキスに陽は酔います。
恋愛はベタですが、甘くてお約束的なので安定感というか安心して読めるかな。
まあ最後の女性が出てきて婚約者と勘違いするっていうお約束もしっかり。
表題作の長編と、後日談ショートの2作品が収録されています。
どちらも陽(受け)の視点でストーリーは進みます。
実家の花屋で働く陽は、ある日素晴らしい庭に忍び込みます。そこで出会った倉科(攻め)はレストランのオーナーで、陽に仕事を依頼してきて…という内容です。
脈があるんだろうなと自信があるんでしょうが、倉科は早い段階から陽に手を出してきます。それが公私混同っぽくはありますが、そんなに目くじらを立てる雰囲気でなく、さらっと流せました。仕事を盾に脅迫することはなかったですし。
陽は快楽に流されというより、惹かれているのに気が付かせられたという風です。倉科が大人で余裕がありますので、二人の関係はいったいどうなるの?と二人の恋愛にドキドキすることはなかったですが、甘い恋模様を読まれたい方にお勧めだと思います。
トピアリーという仕事も興味深かったのですが、花束を作らせることも多かったですし、それだけ特別というのが感じられず、造園との違いなどちょっと分かりにくかったです。全般的にこんな仕事なんですよというのは理解できました!
表紙イラストも花がありカラフルで素敵なのですが、足元とに小さなトピアリーがあても良かったかもと思いました。
佐々木久美子さんのイラストがきれいで表紙買いです。
お話も表紙のようにきれいな登場人物ときれいなストーリー展開です。
家業の花屋を手伝いながら、フラワーアレンジメント講師をしたりしている陽の目標はトピアリーを作って庭などの演出を手掛けたいということです。
トピアリーって耳なれませんが、よく公園や花屋で見かけるワイヤーなどに苔などを絡ませて立体オブジェにするやつですね。
クマとか馬とか巨大なのとかよく見かけますよね。
配達に出かけた先で、立派な家を見かけそこの庭が気になり入ってみるとレストランで、そこでオーナーの倉科と出会うのです。
陽もきれいな容姿なら、倉科もきれい系の美丈夫のようです。
熱くトピアリーについて語る陽に倉科は興味をひかれ、自分の持つレストランの庭の改装に携わるように誘います。
きちんと勉強したことがなかったので迷う陽ですが、それらの庭が有名な庭師によるものと聞いて、勉強のつもりで手始めに倉科の家の庭からということで受けることにします。
倉科は陽が好きというか関心がある態度はモロわかりで、いきなりキスはするは、キスが嫌がってないといって、無理やり体は奪うは、かなりの自分勝手というか俺様というよりオラオラ?
陽はゲイでもないのにと振りまわされて悩んで、、、当然ですよね。
でも嫌がってない自分も知っていて・・・とよくあるパターンです。
そんな葛藤を経ながら、庭にかんする倉科の家族に関する思い出と思い込みを知り、頑張って造り上げるという前向きなお話です。
陽が悩んでいる時に幼馴染の中西という青年がちょくちょく登場しますが、イラストもキャラもイイ感じで結構自分好きだな~
女性に振られてばかりなんですが、何かと陽を気にかけていて好きなんじゃないの?って、本当はそういう面白い展開を望んでいたんですが、イイ人で終わってしまって残念でした、、
トピアリーって、色々な種類があると思うので深く知れば奥が深いとは思うのですが、いかんせん素人には公園や公共施設などで見るかわいらしいものだったり、緑で造った彫刻みたいなイメージがあるので、今一つ庭作りの中におけるウエイトという部分を含め倉科の意向が納得できない部分もありますが、要は、陽が好きだからヒイキしたい、で捉えていいのかな?
複雑な展開も難しいポイントもなくスルスルときれいに進むお話だけに、もう少しひとひねり欲しかったなというのが素直な感想です。