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junai no ashikase
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
若頭×組長の一人息子。いわゆる下克上ものって括りですか。
組長の一人息子は、あとを継ぐのを嫌い家を出、若頭が次期組長となっていましたが、なぜかその継ぐはずであろう若頭が組を裏切った上、組長まで抗争で殺されちゃう。そして、息子は連れ去られ、敵対組織の目の前で陵辱されて。
とまぁ、派手な展開なんですが、だいたいの展開が読めるのが残念でしたが、不思議とどうなるのかが気になって、読み終えることが出来ました。
ヤクザを嫌い、同じ屋敷に住んでいながら、まともに顔も合わせない彰。
ですが突然に、敵対している堂嶋組が殴り込んできて、組長である父を始め、主立った幹部が殺された雨竜組。
その中、彰は信頼していた若頭の春日に銃を向けられ、堂嶋組へと連れ去られるのです。そして、その堂嶋組の組員たちの目の前で、春日に陵辱されそのまま監禁され、堂嶋組のためにパソコンを駆使し、ハッキングだのデイトレードだのと金儲けをさせられるのです。
何とか逃げ出そうとする彰の姿に、思わず「頑張れ~、負けるな~」と声をかけたくなるほど。それくらい、頑張っちゃうんですよねぇ。
だからこそ、春日の裏切りが許せなくて。でも、絶対この裏切りの裏には、何か隠されてるよね、絶対に本当は裏切ったりしてないよねぇ? ってついつい考えちゃって。
まぁ、それはあながちハズレでもなくて。
カラダは傷つけられても、心まで折れなかった彰の頑張りで、堂嶋組は壊滅へと追い込まれ、雨竜組の弁護士が、亡き父の遺言書を出してきたことで、いろんな謎が明かされ、春日の行動の真意も明らかになります。
うんそうかそうか、なんですけど、だからって流された血の多さは許されるものじゃないなと。その辺がちょっと残念だったかなぁ。
もう少し犠牲が少なければ……。
ハッカーとかそういったサイバーな世界は自分にはよくわからないので、そんなものなか?と今一つ自分にはピンとこなかったのですが、
この下剋上はあまりに凄惨ですさまじいと思いました。
母を早くに亡くし、雨竜組・組長である父に反発している彰が小さい頃から兄のように慕っていた若頭・春日の裏切り。
それは血をもって制するほどのすさまじいものでした。
敵対する霧島組に捕えられた彰は、そこで春日の裏切りを知り、しかも強姦されるのです。
その日から足枷をつけられ監禁される毎日。
パソコンを与えられ、ハッキングやデイトレードなどをして霧島組に貢献すると共に、自分の為にもネットを通じて色々工作する彰。
裏切りを許さない気持ちと、幼い頃の慕っていた気持ちが交錯して彰は苦しむのですが、自分で色々と模索して立ち向かっていく姿が人間的成長を促しているようでした。
春日も苦しんだと思うのですが、物語の後半に入るまで読者も彰と同じく彼の真意を測りかねます。
後彰の活躍により霧島組が壊滅的打撃を食らい、警察に保護され助け出された後、弁護士に託された組長の遺言によって、今回の出来事は組長の意志であったことがわかるのですが、実は春日は・・・!
ええーっ!?そんな利己的理由で、あんな沢山の血を流したのかい。
物語の中でとても義理に厚い忠実な人柄だったようなことが書かれてあったので、びっくりしました。
他に方法もあったと思うんだけどな~
と、まあ読者を驚かせる展開にもっていってくれておりますが、上記に書いたハッキングなどが自分に迫るものがなく、最後のサプライズがあまりにサプライズすぎたので、自分の萌え針を戻してしまいました。
残念・・・ヤクザスキーなんですが・・・