銀とシュガースノー

gin to sugar snow

銀とシュガースノー
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌3
  • 中立3
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
4
得点
17
評価数
9
平均
2.4 / 5
神率
11.1%
著者
玄上八絹 

作家さんの新作発表
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イラスト
高城たくみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784344817708

あらすじ

ピアノ調律師の叔父・守柯と同居することになった高校生の秋彦。自分を子ども扱いして冷たいあしらう守柯に反発しつつも惹かれて!?
出版社より

表題作銀とシュガースノー

高校三年生、パティシエ志望
クールビューティー調律師

その他の収録作品

  • オトナ ハ ダマレ
  • あとがき

レビュー投稿数4

A=440Hzが響く時。(読みづらくない!!)

張られた伏線、その回収。感情表現に沿った小道具の使い方。見事のひとこと。
この作者の日常を舞台にした作品の中でも突出して「らしさ」が出ていると感じる。
詩的に畳みかけ、折り重ねていく心情描写も美しい。
「読み辛い」との他レビューも見かけるが、私はこの作品からにじみ出る、玄上八絹さんの個性と文章が大好きだ。
視点を相互に変えながらストーリーが進んでいくこと、特徴的な文章運びが「読み辛い」と評されているようだが、この程度で読み辛いとは感じない。ポエティックではあるが、飾り立てた難読単語などは使わない丁寧な文章である。
以後少しのネタバレとなる。

とにかく感心するのが、心情表現とリンクさせた小道具の使い方。
秋彦が拾ったのはA=440Hzの銀色に鈍く光る音叉。秋彦はそれが何なのか知らない。
知らないまま無機の金属をポケットに温めながらかみあわない同居が始まる。
守柯のピアノはベーゼンドルファー(この楽器の個性が守柯的だ)そこに落ちるひと雫。
A=440Hzを合わせない調律師。合わせないのではなく合わせられないのだ。
音楽の中心となる「基音」を合わせることができないまま、他の音を完璧に調律する。それが彼の心。
いつか自分の愛する人をとびっきりの甘いお菓子で笑顔にしたい秋彦は、甘いものが嫌いな守柯に砂糖を封じられ途方に暮れる。
彼の幼い一途な無鉄砲に振り回される守柯と周りの大人たち。
視点を変えながら、他人だった彼らがかけがえのないものに変わっていく様子が描かれ、愛おしさに胸がいっぱいになる。
この作品に出会えたことがキラキラと輝くシュガースノー、そして澄み渡るA=440Hzのトーン。
私にとって大切にしたい、大好きな作品である。
音と音が重なり合って音楽が紡がれるように、言葉が積み重なってゆく。そんな感動を覚えた。
 
なお、この作品にも幾つかの同人誌が出ている。
ぜひ読んでみたいが正規販売は終了しており、入手が不可能なのは残念である。
特に二冊対で発行された「Kyrie」「主よ、人の望みの喜びよ」は機会があったら読んでほしい。
想像を鮮やかに残酷に裏切る守柯の過去。そして、秋彦が求め選んだもの。
奥行きのある物語構成はこの作家ならではの細密さで、叶うならば商業シリーズとしてまとめて再録されることを願っている。
(他レビューサイトより本人が加筆転載。2017年4月記)

2

一気に読めない本って

この方のお話、ほぼ読んできたけれど、こんなに読みにくい文章を書く方だったでしょうか。
余りに読み辛くて、何度も何度も閉じてはまた読み始め、何とか読み終わりましたが。

カミカのかなわぬ片想いに、秋彦まで振り回されちゃって。
その長年抱えてきた片想いに拘って、秋彦に立ち入らせないようにしてきておきながら、こんなにも簡単に秋彦に心奪われるって。
しかも、子ども扱いしておいて。

秋彦だって、子どもであることを盾にカミカに結構ズカズカ入り込んじゃって、そんなことしていいの?って感じたし。
恋愛に発展するとは、あまりに思えない二人でした。

0

不協和音・・・

最初に言っておきますが、玄上さんは好きなんです。でも、この作品は、なんというかいろいろと・・・。題材のピアノに合わせて言うなら、不協和音とでも。

まず、私が『年下攻』苦手だから、というのも大きいかもしれません。今回、秋彦(攻)が高校生、カミカ(受)23歳だし。
でも、多分それ以上にキャラクターでしょうか。どっちも『もうダメ』『なにコイツ!』ではないんですが、なんかあんまり好きになれなかったんです。カミカが、『大人であろう』として、秋彦を『子ども』扱いするんですが、だからってカミカは決して『大人』とは思えないんですね。自覚もしてるでしょうが。

あえて『年下攻(しかも高校生)』なら、相手がもっと、年だけじゃなく『大人』でないとバランス取れないと思うんです。あるいは、カミカが年だけ上の子ども、秋彦が年下だけど包容力あふれるタイプだったらまた別です(そうしてほしかったというわけではなく、どうせならそういうパターンの方がまだ私好みという意味)が、全然そうじゃないし。秋彦は、頑張ってはいるけど子ども。ホントに子ども。将来はともかく、今作の時点では。

そういうわけで、いま一つ入り込めないままでした。玄上さんの書かれる物語世界そのものは好きですし、ストーリーも悪くはなかったと思うんですよ。ただ、『なぜこの2人が恋を?』という根本的なところで、説得力がないように感じてしまったんです。

それに、カミカがかつて自分の生き方を変えるほどに好きだったという一成が、わけのわからないキャラクターだったのが、私としてはすごく引っかかってしまいました。カミカが一成を好きな理由はどうでもいいんです。正直、私にはどこがいいのかまったくわかりませんが、『わけもなく好き』なのは別におかしくもないし構わないんですよ。ただ、過去に(一方的に)決裂して、いまあの登場の仕方はまさしく理解不能でした。あれがホントに『和解』なのか!?と思ってしまったんです。

単にカミカも一成も、特別な才能に恵まれてて『普通の人』じゃないから、2人の間ではあれでいいってことなのかもしれませんが、少なくとも私には『ご都合主義の解決』とさえも思えないほどで、まさしく唖然としてしまいました。

一成が単に回想の中だけの存在で、カミカが自分の気持ちの上で一成を振り切って(乗り越えて)本当の意味での過去にする、っていうのならわかるんです。あくまでも、あの『和解』にするんだったら、っていうことですが。

私は、こういう一成のような『読めない』『自分しか見てない』キャラクターが大嫌いなんで。あ、『変わり者』そのものが嫌なんじゃないです。カミカも『変わり者』だけど、それ自体に嫌悪は感じませんから。

うーん、なんとも言えない読後感でした。

私は確かに玄上さんは好きですが、日常ものよりも特殊設定の方がより好みなんだと思います。大がかりな設定の中、派手な事件やアクションだけじゃなく、キャラクターの心の動きもちゃんと描けていますし。『事件もの』であると同時に、ちゃんと『ラブストーリー』でもあるんですね。でも、日常ものになると、なぜかそれが曖昧になってしまう(と思えるんですよ、私には)。

今作は、舞台は『日常』なのにキャラクター(カミカや一成)がある意味『特殊』な存在なんですが、それが上手く馴染んでなかったように感じました。もちろん、一律に『日常(普通の現実)』に『特殊なキャラクター(特別な才能の持ち主等)』が合わないと思ってるわけじゃないですよ。そんな設定自体は珍しくもないですし。ただ、今作はそこに違和感を覚えてしまったということなんです。

あと、イラストは微妙でした。高城さんの挿絵、他の作家さんの小説で何度も拝見してるんですが、正直好みの絵柄ではないものの、気にならなかったんですけどね。今作はすごくアラが目についてしまって・・・イメージが合う合わない以前の問題でした。

0

拷問だった

読みづらい。
わかりづらい。
自己完結。
こんなに読みにくくて、わからないBLは、久しぶりに読んだ。
音楽物、楽器がらみの設定が好きなので手に取ったが、それが生かされているようには読めない。年下攻めも、変人キャラも好きだが、まったく萌えはなかった。萌える前に、何が言いたいのか、伝わってこなかった。何か、語ろうとしているようだが、あまりにも独りよがりな文章にうんざり。
初めての作家さんだったが、もう二度と手に取らないと思う。

イラストも、なんだかひどかった。
顔しか描けないのか、特に手がおかしかった。気になって仕方がなかった。

1

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