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sakuraame wa adabana no gotoku
萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
馴染みの客で老舗骨董屋の若旦那・久弥×裏看板を張る男花魁・佳雨(かう)、の仇花シリーズ3冊目です。
たった19歳だということをつい忘れてしまうほど聡明で気丈な売れっ子娼妓・佳雨。
眩しいほどの挟持をもって男花魁として裏看板を張る佳雨に惚れ、ついには思いを通わせ合った馴染みの客の久弥。
それでも、この二人はあくまで客と娼妓のまま。
このシリーズを面白くさせているは、恋人という間柄になってからも花魁を続けるのは佳雨自身の望みであるということです。
幼少から色街で育ち、16歳から体を売って挟持と意地だけで生きてきた佳雨。
『花魁になることを選択したのも全て自分の意志。たとえ恋人であっても他人のお金で自由を買うことは、自分自身の生き方を否定することになる。それは違う』そんな意地があります。
自分の人生にきっちり責任と誇りをもつがゆえに、身請けという道を避けるのです。
そして嫉妬を飲み込みながら、佳雨を尊重して「花魁である佳雨をまるごと愛する」と言い切った久弥。
そんな二人のお話は、やっぱりちょっと切なかった…。
今回の騒動は、他のお客からの佳雨の身請け話と行方不明事件。
それらが久弥の紛失した5つの骨董品のうちの一つと繋がっていきます。骨董品にまつわる謎もほんのちょっとですが見えてきます。
そして見所といえば、佳雨がはじめて弱音を吐くシーンでしょう。
ようやく見れた佳雨の涙は、二人にとっても作品にとっても大きな一歩だと思います。
これまで心配だったのは、二人の想いは重なり合っているようで、その実違うところを見ていることでした。
聡明すぎる佳雨には、男の自分が老舗骨董屋の若旦那という身分の久弥と添い遂げることは絶対にないという、根強い諦観があります。
色街育ちだからこそ、それは当たり前のことだとほとんど遺伝子レベルで納得しているのがまた厄介。言い換えれば、それはこの恋をはなから諦めているのと変わりありません。
その辺がこれまでとっても歯痒かったのですが…今回でその気持ちが少し解消されました。良かった!
ちょっとずつ、ちょっとずつ、佳雨が自分の幸せを考え始めているのが嬉しかったです。
でももっと頑張れ!若旦那!
☆前作タイトル☆
「群青に仇花の咲く」「薄紅に仇花は燃ゆる」
仇花シリーズ3作目。
この作品、何が格好いいって、受の水揚げの時からの客である鍋島様。
受が攻と思いを通じ合わせていても、その都度受に花魁としての矜持を忘れないように紳士的に接したりと、もうステキなオジサマオーラが。
オジサマ攻が大好きな私としては、正直この鍋島様が相手でも全然OKなんですけどね、寧ろ滾って滾ってたまらないんですけどね。
あまりにも素敵すぎて、攻が霞んじゃうダンディー鍋島。
この作品は脇を固めるキャラクター達が、みんな良い味出してます。
鍋島様は言うに及ばず、銀花に梓や蒼悟との今後の進展なんかも気になるところ。
今回は普段はあまり感情を表に出さない受が、攻の前で涙を見せて思いを口にしたりと、要所要所で胸に来るものがありました。
そしてそして、毎回思うのですが、絵がきれい。
着物の柄や色の組み合わせも綺麗。