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yoru ga akeru mae ni
久しぶりにがっつりとリーマンラブを堪能しました。
高校の先輩・後輩が18年ぶりに再会し、一緒に仕事をすることになり。
その2人のお仕事方面が詳しく書き込んであったのと、その裏で取引するように密かにカラダの付き合いを重ねて。
ドキドキしながらページを捲りました。
仕事方面がかなりリアルで、今の日本で起こってそうだなぁ~と思えたし、仁科や新堂が再建のために真剣に頑張っているのが伝わってくるし、臨場感が溢れていて、役員が起こそうとしたクーデターのところなどどうなるのかドキドキしました。
それでも、一緒にいる時間が増えれば、いつの間にか気になる存在になるし、それ以上に新堂は初恋の人ですからね。抱かれることも、いつしかイヤではなくなって、って、最初からイヤじゃなかったのかもね。
新堂は、仕事のときには揺るぎなく前進するのに、仁科に対してはどう扱っていいのか、悩んだり焦ったりしているのが面白かったです。
社長として雑誌のインタビューを受けたとき、弁護士になった理由を問われ、新堂は「大切なものを護れるようになりたかった」と答えています。
高校のときは理系だったはずなのに、なぜ弁護士になったのか仁科は考えて、「ひょっとして自分のため?」と思うのですが、「まさか」とも思っているし。
あ~、焦れったい。お互い惚れてるだろうがっ! って両肩掴んで揺さぶりたいほど。
本当に遠回りをした2人ですが、仕事を通して絆を深めあったんですから、公私にわたっていいパートナーとして歩んでいけるはず。
幸せな未来が待っているようで、ドキドキハラハラした分、ラストはほのぼのと温かい気持ちになれました。
1冊まるごと表題作です。仁科(受け)の視点で進んで行きます。
仁科は高校時代に生徒会長の新堂に告白され、断ってしまいます。それから18年。仁科が勤める会社を支援する相手先社長として新堂と再会します。少年院にいた過去をバラされたくなかったら遊び相手になれと言われて…という話です。
脅して始めた関係でありながら、仁科が好きだという新堂の気持ちが透けて見えるので、読んでいて安心ですし楽しかったです。弁護士資格をとった理由を記者に問われて、新堂が答えた「大切なものを護れるように」には萌えました!
仁科が少年院にいた原因も仁科の人格を損なっていない理由であり、石崎に懇願されて退職を思いとどまった事情の補強にもなっていて、見事だと思いました。私はちゃんとつじつまを合わせていて、理由がしっかりしている作品が好きなので嬉しかったです。
仁科が会社、引いては新堂のために、仕事で次々と生じる問題をなんとかしようと駆けずり回る姿勢は好感が持てました。仁科に都合が良すぎる気もしますが、ずっと社長秘書をしていたことを思えば有り得るかもと納得できます。
ただ、不満もすこし。
題名になった「夜が明ける前に」は、ストーリー終盤において、仁科が自室で新堂に言った言葉というだけであり、ちょっと物足りなかったです。
あとは高校時代の仁科が新堂を拒絶した理由は納得しがたかったです。子供の頃から男に変な目で見られていて、新堂までそうかとショックを受けたとかの方が自然だったのではと思いました。
あと、新堂は、石崎や宮本専務より、原田に嫉妬すべきだろう。誤解して一悶着あれば面白かったのにと思いました。
そんな風に思いつつも、読み応えはありましたし、イラストも作品にあっていて素敵でした。再会の場面の二人の表情とかお気に入りです。
仕事モノ&再会モノ、年上社長攻め×年下秘書受け、社会人のじれったい両片思いがお好きな方にはオススメです!