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解剖室で怪奇現象……いったい、なぜ!?
本シリーズは人気のミステリー小説家にして裏の術師と
蔦の精霊の血を引く攻様の助手のお話です。
かつて攻様の父とともに仕事をしていた人物を探すお話と
攻様の友人の仕事場で起こる怪奇現象を解決するお話で構成。
攻様は父に対するトラウマを払拭して決別する為、
父の過去を知る人物を探しています。
今回組織のエージェントより
民俗学者であった父のフィールドワークに同行していた人物が
日本の京都で田舎暮らしをしている事を掴みます。
安易な接触で彼に父の魔の手が伸びる事を心配した攻様に
妖魔でありながら骨董商を営む組織の裏の術者が助力し、
なんとか手紙のやり取りに成功しますが、
帰ってきた手紙にはかなり強硬な拒否反応が!!
半ば諦めながらもその手紙につけられた奇妙な追伸
【一度はここを訪れ、豊かな自然に触れてみるべきだ】
を手がかりに
二人は彼の住む京都・美山に向かいますが、
既に攻様の行動を知った父の来訪があったらしく、
目的の人物はその地を去った後でした。
残されていたのは小さな油絵。
高島野十郎作と思われる蝋燭を描いた絵の裏板には
自筆と見られるメッセージが残されていました。
【ロウソクの炎は、上方へ向かって流れる砂時計】
果たしてこのメッセージの示すものとは?!
椹野さんのデビュー作にして人気作奇談シリーズの最新刊、
新たな戦いに向けて主要キャラの顔出しも兼ねているのか
前半の父親の一件では『妖僕』シリーズの二人が、
後半の怪奇現象事件には攻様の親友の監察医が登場します。
前半は上記したとおりの内容で
今後の父子対決へのプロローグ的な内容ですが
この後、折角京都まで来たのだからと
神戸で監察医をする友人を訪ねた二人は
仕事場で起こる怪奇現象の解決に乗り出します。
場所と事件柄『鬼籍通覧』シリーズ的雰囲気も満喫。
1作で3粒美味しいお得な1冊でした!
長らく止まっていた奇談シリーズが再開し、
とっても嬉しいのですが、
攻様の父の伏線が色々と張られていて
何巻前から読み返せば良いのやら?!
長すぎて覚えていられない私はファン失格?!
主役二人は恋人同士ですが
攻様は父親の件で区切りが付くまでと
本作にもBL的展開は有りません。
無くても会話とか仕草とかにラブは溢れていますが、
早く二人がプラトニックを脱する日がきて欲しいです!!
今回は本作にも登場するキャラのシリーズ、
椹野道流さんの『妖魔なオレ様と下僕な僕』をオススメ。
ラブラブなシーンはこちらでご堪能下さいませ♪