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「芸能人萌え」も「男娼萌え」もないので本編は合わなかったんですが、あとがきに感銘を受けたのでレビュー (いいよね、栗本先生はあとがき作家を自称してるしw)
栗本先生曰く、ヤオイは女性性のからの逃走であると
少女たちは、女性性を欠落と考え『<大人になれば>世界と関わっていける少年』になりたいと望んでいる
栗本先生は長い間ヒロインを登場させることができなかったそうです。私は未だに現代の成人女性がヒロインの現代ものは読むのも苦手ですね。
また成人女性の性役割『妻はやがて母になり、父と並立する保護者のかたわれとなってゆかねばならない』ことを負担に感じ『無償の愛、ゆるし、情熱をもたらす天なる父』に被庇護者たる少年として身をあずけたがっていると
つまりヤオイは代償行動なんですね
ヤオイはゲイ物語ではないのです
寧ろガチムチだのジャ二系だのと肉体を重んじるタイプのホモセクシュアルとは対極に位置するような気さえします
ヤオイとゲイの違いがストンと腑に落ちた気がします
腐女子はXY型が好きなわけではないのです、男の肉体美が好きなわけでもないのです、ファグ・ハグ(ゲイ好き女性)じゃないのです
だからちるちるさん、ニュースをあんまりゲイゲイしくしないでね♡
私は、普段はエロ本にテキトーなレビューを書いている人間ですがつい真面目に語っちゃいましたw
彼女の情熱には何かしら人を真摯に向き合わせるパワーがある、それだけでも偉大だなと思うのです
いやー、面白かったです。
下巻になって主役が変わります。
かつて今西良と同じグループにいて、良への劣等感からグループを離れ、転落人生を歩む透という男が主人公となる。
ストーリーは、上巻の裏側をなぞるようなカタチで進んでいきます。
上巻が光当たる場所での出来事なら、下巻は闇のなかでの出来事だ。
血ヘドを吐くような透の人生は、あまりにも悲痛だ。
常に前に立ちふさがっていた良に、愛憎あまりある感情を抱いている。
透は、巽と出会う。
野良猫を可愛がるように、巽は透を愛する。
その生活のなかで、透は、はじめて癒しを得る。
巽を愛し、愛したことによってトゲを失い、失う怖さから弱くなってしまう。
のちに巽がどうなるのかは、上巻を読んだ読者には何となくわかっていて、わかっているだけに、二人の甘い蜜月が切なかった。
胸が絞られるほどに苦しかった。
なぜ、と巽に問うのは野暮なんだろうな。
良が悪魔だというだけなのだ。
本当にそれだけなのだ。
小説を読んで喪失感を味わったのも久しぶりだった。
悲恋や不幸を悲しみながらも、そこにゾクゾクした興奮を感じてしまう、自分のネクラな趣味も改めて自覚してしまった。
栗本薫さんは、鬼才ですね。
共鳴する人にとったら、麻薬のような毒薬のような小説だろうと思います。
圧巻でした。