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フランスのとあるシャトーが舞台の、ワインを題材にした作品です。
シャトーとは日本で言うと造り酒屋のようなものでしょうか…。(ぶどう畑まるまる持ってる分規模は違いますが)
私はワインは全く飲めないので、その魅力や味をわかった状態で本を読めないのが残念でしたが、登場人物も作者さんも本当にワインが好きなんだなあと感じる作品です。
登場人物らは文字通り、ワインに人生をかけています。
フランスのボルドー地方で、17歳にして傾きかけたシャトーを継いだアンリと、日本からソムリエ修業のためにやってきた丈。
2人の出会いの印象はよくなく、アンリは日本人嫌いで最初からとりつくしまもないくらい丈に対して態度が冷たいです。
プライドが高くクールな美少年…。普通ならおいしい設定ですが、ちょっとツンデレのツンの部分が多すぎます^^;
悪い子ではないですが、結果的にこの巻だけではアンリの魅力がイマイチわからなかったです。
対して丈の魅力は多く描かれていて、それがドキドキして楽しめました。
ワインやシャトーについての説明が多く、そのへんがカッチリかかれているのには感動しましたが、BLとしては甘さがほとんどなくてちょっと残念。まだ1巻だからかと思いますが。
昔飲んだ「葡萄の宝石」というワインが忘れられず、ソムリエを目指し、もう一度そのワインが飲みたくてフランスにやってきた丈。
それはアンリのシャトーのワインだったのですが、今ではすっかり傾きかけたアンリのシャトーではもうそんな上質のワインは何年も作れず…
おそらくこの先、長い展開になっていくんだろうなあという感じで終わっています。
アンリの信頼を勝ち取るため、丈は難しいテイスティングに挑んだり、客の前で絶賛もののソムリエのパフォーマンスをしてみたり…その様子がBLというより、青年漫画にあるような味覚を題材にした作品のようでドキドキして楽しめました。
お話としてはおもしろかったですが、恋愛としてはまだスタートラインにも立ってないという感じです。
今後、ツンツンなアンリがどう変わっていくのかは見物だと思います。
波津彬子さんの 絵は本当に綺麗で見ほれてしまいました。
主役の若い2人だけでなく、老若男女皆魅力的に描かれています。
少し古い作品ですが、それも踏まえたうえでのこの魅力だと思いました。