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亀の歩みのごとく、のろのろですが。
達彦と薫の恋は進展して行く中、衝撃の事実が発覚。
薫が『不潔恐怖症』になった本当の原因が分かるのです。
その事実はなんと、二人の恋にも大きな亀裂を入れてしまいました。
薫との恋が終ってしまうと凹む達彦に、強烈な助っ人が登場。
策士・智が達彦に「恋のお百度参り計画」を授けます(笑)
薫とこれっきりになりたくないと、自分に出来ることは何でもやろうとする達彦。
巻が進むごとにその健気っぷりに、拍車がかかるようです。
ここまで思われたら、幸せだろうな~と。ちょっと薫が羨ましくなったくらいです。
そして「両親が子供だから、自分が大人になるしかない」と、
両親との確執に取りあえず折り合いをつけた薫。
当初は親の言うことには逆らえず、言いたいことを我慢していた男の子が。
大人になったな~と感慨深いです。
そして彼をここまで強くしてくれたのは、達彦なんですよね。
恋をすることによって、人間的に成長できる関係は素敵だと思いました。
『不潔恐怖症』を乗り越え、何とかキスを交わすくらいになった二人ですが。
その先へ進むのはまだまだ先になりそうです。
でもいつか必ず、達彦のものになると誓う薫に、
焦らないで待っていると応える達彦には胸がキュンキュンしましたよ!!
どうなることかと思った二人の恋も、あまあまハッピーエンド。
しかし私としてはその後の二人が非常に気になります!!
恐らく大学生になったら、薫は家を出るでしょうし。
達彦ともキス以上に進んでいるはず!その辺りも読んでみたかったです。
前2作を読みながら薄々感じていた通りの薫の『ラクーン病(不潔恐怖症・強迫神経症)』の原因に関わる過去話でした。
それが原因で、少しずつ確実に受け入れられていた達彦との接触を拒絶してしまった薫。2人はどうなる!?というのがストーリーの大きなポイントです。
そしてもうひとつ、薫を苦しめていた親(特に母親)との確執。どこまでも噛み合わない根本的な行き違い。この巻では、一応の決着はついた・・・のかな。
少なくとも、今まで衝突を避けていた薫が反撃に出たことで、何かは変わった。それは確かに達彦の力によるものなんでしょうね。
前巻レビューにも書きましたが、私はBLでの『親との確執』ネタ(しかもこういうタイプの)がすごく苦手なんです。
ただ、作品としては決してキライじゃない、それどころか苦手要素があるわりには面白いとは思うんですが、読み返したいかという意味ではハッキリと否です。
とにかく、薫の設定というか背景の重苦しさはともかくとして、いかにも『90年代のBLだな~』と感じました。最後までHなしでキス程度で止まっているのも。
私は、BLにはHが不可欠と思っていますが、この作品については『Hがないからダメ』とは感じませんでした。逆に、これであっさりHしてたら醒めちゃったかも。
結果的に『H(身体の関係)があればそれでいい』わけではないんです。前述の通り、個人的にはあくまでも『男同士の恋愛には(友情との差異という意味でも)Hがいる』とは思っていますが、やっぱりそこに行くまでには段階を踏んで欲しいし、そういう意味ではこの作品はキスどまりでちょうどいいんじゃないかな。この先にはおそらく・・・という希望が確かにあるので。
あとは、イラストが森永さんですし、まあもともと王道少女漫画風味の作品だとは思うんですが、達彦のイラストがいかにもなキラキラ王子さまって感じで、特に最初のうちはキャラクターのイメージと合いませんでした。
なんというか、どちらかというと達彦の兄・信彦のイメージに近い感じで(←女好きで軽くてチャラいというか)、どうしても作中描写されているような『堅実・健気』なキャラクターとは結び付かなかったんですね。3作読んでるうちになんとか慣れましたが。
う~ん、なんとも作風の幅の広い作家さんだな~とそれは感心します。