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ysuyahada ni koukotsu no kiba
水上さんの小説はどれもハッピーエンドに向けて書かれているので地雷の心配は低く安心して読める。
私の中で吸血鬼というとベタながらも黒と赤のイメージでダークなのだが、このシリーズのヴァンパイアは若さと美しさを兼ね備えていて常に芳しい薔薇の花から精気を吸収しているので、血を吸う場面があっても暗いイメージがない。
シリーズ中に二組のカップルが誕生するが、私はこの巻の正体を隠した吸血鬼攻め×ツンデレ生徒会長のカップルのほうが好きだ。
攻め・エリアスは運命の人との恋愛に焦がれるロマンチスト、受け・光流(ひかる)は常に自分の事を「私」と言う筋金入りの御曹司。
周りが望む完璧な立ち振る舞いでいる程、孤独感も感じている。
そんな二人が必然的に惹かれ合うというのが水上さん作品のお約束なので、もう文章の端々からして甘々な雰囲気が漂っている。
ただ、普段は教師に扮しているエリアスが実は由緒正しきヴァンパイア一族っていう設定の割には、これという活躍がなかったのがもの足りない。
ハッピーエンドは規定路線とはいえ、両想い→初夜→結婚式の流れが淡々としていて、もう少しなにかしら事件とか波風立てる出来事があったほうがいいなとは感じた。
全寮制スクールが舞台とあって、受けを取り巻くクラスメイト達の様子やポロ対抗試合の場面は楽しめた。
他にもスピンオフのもう一組のカップルにも注目がいくような仕掛けもあったが、せっかくならメインカップルをこの一冊でじっくりと読みたかった。