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濃かったです。
最近のBLがあっさり和風スパゲティなら、この作品は脂ギトギトこってりステーキって感じ。
芸能界の描写も古くて、正直最初のほうは萎えかけました。
でも、後半になるに従って面白くなってきて、三巻は無我夢中で読みました。
栗本薫さんは、今西良という受けにかなりこだわりがあるんだなと思いましたね。
『風と木の詩』を読んだときも、「竹宮恵子さんは、とにかくこのジルベールという少年を描きたかったんだろうなァ」と思ったんですが、この小説の今西良については、それ以上に作者の入魂ぷりを感じました。
この今西良ってやつが、サイテーでした。正直まったく好きになれなかったです、ラスト10ページを読むまでは。ラスト10ページで、私はこの受けが好きになりました。
ただ、万人にはオススメできない――というより、むしろこの今西良をラスト10ページでキライになる人のほうが多いかもと思います。
主役は今西良のマネージャー兼プロデューサーの、滝という男です。
こいつもかなりイヤなやつです。
滝は、今西良をスカウトし、芸能界デビューさせます。愛憎と欲望が渦巻く芸能界で、良は大スターへの階段を上がっていく。
王道BLに飽きてる方にオススメです。
萌えは皆無です。
不快でダークな作品ですが、なんとも言えないパワーがありました。