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近未来SFで切ない話だった。この作家さんの悲恋モノは「転校生」に収録された「贖罪」を読んだ時に凄い衝撃を受けたんだけど…。
こっちは1冊丸ごとそういう話だったので後味が悪かった。そういう終わり方になるのって、またしてもガツンとやられた。
主人公は病気で入院していた。目が覚めたら、主人公の時代から300年経っていた。300年後の世界は、複雑な環境だった。死なないサイバーが蔓延り、人間は減っていく。だけど子孫が必要だから女性は貴重で産む機械扱い。
そんな男だらけの世界に、主人公はいきなり巻き込まれた。
浦島太郎状態の主人公アキ(暁人)の世話をしてくれる双子のジンとカイ。彼らが優しいのは、ひょろっと細くて白い自分を女としてみているから。飢えすぎて、男同士でくっ付くのはこの世界では普通の事だった。女性は強い子孫を残す為に強い男とくっ付く。というか、女は強い男としか結婚出来ない。周りが弱い男と恋をするのを認めない空気だった。
主人公は、結局双子の片割れ・ジンに熱烈な告白をされる。女代わりではなく、アキが好きなんだと言われてほだされる。
彼は、サイバーとの戦いで先陣を切って突入する役目を持っている。生きて帰ってくる可能性は低い、危険な役割。今度会えるかどうか判らない、その不安の後押しもあってアキとジンは結ばれる。
世界観が独特だったから判り難い場所も多かったんだけど、運命の悪戯で2人は出会い、また運命の悪戯で引き裂かれる。
ジンは亡くなる。
アキも病気が悪化してなくなる。
アキが片想いしていたルリ。彼女は強い男の子どもじゃなくて、好きな男の子どもが産みたいと渇望していた。
皆が、アキの事を、ジンの事を忘れない様に。
ルリはアキの子供を産んだ。
スレ違いと、どうしようもない運命と、まさかの悲恋展開。
途中まで凄くラブラブで、結局サイバーとの争いが無事に終わって主人公もこの世界に慣れて病気も治ってハッピーエンドなんだろうなぁと思っていたので衝撃がデカかったです。女性キャラも結構重要なポジションに居るので、今風のBLとはちょっと趣向が違う90年代な作品です。
読後感が、凄かった。そうくるかと舌を巻いた。たまにこういう深い悲恋を読むのも良いなって思った。
もう12年も前の作品です。
新堂さんと言えば、BLにハマりたての頃に何冊か読んだのですが、
結構どれも良作のピュアなBLのイメージがあって、
このタイトルからもなんとなくそんなニオイを感じて読み始めたものの、
1/3過ぎた頃から失敗したなぁ...と思っちゃいました。
多分、少女マンガ→BLへの導入本としてはベストな作品かも
しれないんですが、少女小説寄り過ぎで、完全に腐女子と化した私に
とっては正直受け入れがたいものがありました。
単純に少女小説と思って読めば、それなりにいいのかもしれませんが...
一応双子のジンとカイと体は重ねたものの、それは同情からくるもので
結局ルリという女の子のことが最後まで好きだったって話で、
ラストに取って付けたように『一番愛してるのはジン』と言うんですが
今までの話の流れから言って説得力ねぇ...
双子の存在はあくまでも当て馬、本命はルリって感じが否めない。
もしかして私の読み方が腐り過ぎてて間違った方向に行ってるからか?
始終ルリのことが好きだって連発されちゃぁ、双子の立場ないよ...
それに気付いてそっと身を引くジンの切ないこと...
でも、そのストイックさに萌えないでもないんですけどね。
一度だけジンと体を重ねるシーンは、全然エロい描写がないにも関わらず
アキの体を心配して優しく触れていくジンのいじらしさにキュ~ンww
だから、余計にこの結末と、あっさりルリとも関係持っちゃうアキに
どうしても感情移入できなくて...
まぁ、元々ノーマルなアキだから、ルリとそうするのも当然なんだけど。
にしても、カイと何度も体を重ね、その彼から真剣な告白を受けた直後に
今度はルリと...ってねぇ?
アキを守るため首を食いちぎられて死んでしまったジン...
アキに拒絶されても彼はアキのことを愛していて、
命をかけても守りたい人だったんですね。
その一途な気持ちのままアキを守り切って死ねたんだから本望かも。
久しぶりにBADENDモノを読んで軽く落とされちゃいました。
押入れからひきずり出して「転校生」も読もうと思ってたんですが、
しばらくはパスですね。
「転校生」は大好きな作品なんですが、マジで凹んじゃうから
しばらくはマックフルーリーぐらい甘々のもの読んでからにしないと★
カノアマスミ
私もこれ読んだときカナリ衝撃でした。
後味悪い・・・ってんなら「贖罪」のが上だったし、なんかすごくB級SF映画ってカンジで好きな話だったんですよ
数年前、大きな手術して帰ってきて一年以内に読んだからでしょうか・・・・・後半、首の肉くいちぎるあのシーンでしばらくうなされました・・・・・マジ。(汗)
今もう一度本棚から出して読み直したい・・・ような気もするんですが、手がストップするんですよね~なんとなく。