条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
愛を教えてくれてありがとう
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
前作「白銀の麗人」で大団円を迎えたこのシリーズ。
今作は、イブが完全に無力化された2年後のお話です。
メインは、そのイブとアダムを作ったアーサー・ビノシュのクローンであるアーサーと
かつて南紅大国のメインコンピューターだったアダムの持つ情報をコピーして作られた
ロボット・アダムとのお話。
アーサーの育ての親の元国王・高原卿は
アーサーのボディーガードとしてアダムを与えたのですが
アーサーが本当に欲しかったものは別のもの、決して手に入らないもの。
そんな理不尽な事実にアーサーの心は歪んでいったのでしょうか。。。
アーサーは、ロボットであるアダムに生殖器を与え
自分の愛人となるよう命令するんです。
アーサーは、自分がやっていることが間違っている事だ、とわかっていながらも
だんだんとアダムの事を本当に愛するようになり
アダムも、アーサーの命令で彼の愛人を務めながらも
少しずつ人間らしい感情を身に付けていくんですよ。
それが、他のどのカップルよりも純粋で、そして報われなくて切ないんです。
そんなアダムが、自ら判断してある行動に出るんですが
その寸前にアーサーにかけた言葉が
まさにアダムの本心を表していて、一気に涙が溢れてきました。
ロボットが心を持つ、ということに違和感がないわけではないけど
それでもこの2人の事は素直に喜んであげなければ、と思いました。
今作では、懸案(?)だった仁とアンディのお話も載ってますが
こちらは、まさに大団円!
本編としては前作が大団円でしたが
すべてをひっくるめて、やっとすべてが未来に向けて進みだした!って感じで
この作品が一番まとまっていて読後の満足感が大きかったです。
ってことで、迷わず神評価です。
そして、これを読んだおかげで
シリーズ通しての評価も「神」ってことになりそうです。
シリーズ番外・アーサー編は、クローン人間と心を持たされたロボットの恋と愛の物語。
そして、アンディと仁の一途な恋の幸せな結末の物語。
アーサーは、報われない恋と自分の淋しい心を埋めるため、成人を迎える誕生日の夜に、アダムを移植したロボットに禁断の改造を加えます。
アーサーは例え大天才科学者の頭脳を持っていても、心は愛に飢える貪欲な子供。
そして、もう一人、ちゃんと家族に愛され満たされることを知って育った子供アンディ。
この二人が初めての恋をどう実らせたのか。
ロボットとの恋や、男性同士の愛を認めても、人類は滅びることなく、いつか人々は男女お互いに慈しみ合いながら、平和な未来をこのヘブンに築いていけるはず。
このシリーズ全体があった上での、この番外編の結末。
納得の「神」です。
剛さんはシリーズ2作目『紅の大王』のあとがきで「私は憑き物系の物書きなので(後略)」と書いていらっしゃいますが、この物語を書かれている時、剛さんに憑いていたのは『SFの神様』なんじゃないかと思うのですよね。
北青王国と南紅大国の間で繰り広げられた大きな物語が終わった後に起きるこの番外編。今までの物語でもチラチラ見え隠れしていた『機械に心はあるか』というテーマと、がっぷり4つに組んだ話の展開です。
これは今までも多くのSF作家が挑み、それぞれ自分なりの答えを提示してきたテーマ。
来た、来た、ついに来た~ぁ!
惑星ヘブンに入植した人類を当初は導き、時間を経るに従って北青王国を支配しようと目論んだコンピューターの『イブ』を初期化する為に、南紅大国では『イブ』の制作者、アーサー・ビノシュのクローンを生み出したことは『紅の大国』に詳しく書かれています。戦いが終わって、やっと成人に達する年齢でしかないというのに、アーサーは自分がこれから生きていく意味を見つけ出すことが出来ずにいます。アーサーは育ての親である南紅大国の先王、嵩原卿に想いを寄せていますが彼は自分を子どもとしてしか愛してくれません。自分ひとりに向けてくれる愛情を欲して、オリジナルのアーサーが作り、現在は人間型のアンドロイドとして自分の側にいる『アダム』を、誰にも知らせずアーサーはカスタマイズします。自分の愛人になる様に、体温と、今以上に人間らしい反応を示すプログラムと、男性器を与えるのです。南紅大国ではアンドロイドに育てられた子どもたちが成長するにつれ、人間よりも優しいアンドロイドに惹かれる傾向があると判明し、問題になりつつあります。アーサーが行ったことは、嵩原卿を初めとして問題視されるのですが……
天才であることと、その存在が機密であった為に人との触れ合いが殆どないまま育ったアーサーは、周りの人達と心を通わせる術を知りません。そもそも彼は、イブの初期化の為に『作り出された』者であることを充分理解しています。それが終わった後、自分にどんな価値があるのか解らないでいます。
アーサーと対比する様に、シオンの従者として南紅大国に来たアンディ・サガの暮らしも並行して描かれます。突出した才能を持たないアンディですが、その素直さと愛情深さで周りに愛され、努力することで海犬レースのジュニアチャンピオンになり、恋した中将の心も掴んでいます。
アンディがアーサーについて「誰かのために役に立つのは素晴らしいことだけれど、役立つためだけに生まれたのって、何か違うような気がする」と言う科白があるのですが、これがまさに言い得て妙。
アダムが奪われることを危惧したアーサーは逃避行に出るのですが、そこでアダムが動かなくなるという危機にぶつかります。
ここからが圧巻。
最初アダムは、逆らいもせずアーサーの欲望を確実に叶えてくれる『機械=道具』でした。
だから『恋人』ではなく『愛人』だったのです。
でも、想いを重ねたものは、いつしか道具ではないものになっちゃいますよね。
私はこの物語のテーマを『機械に心はあるか』と書きましたが、訂正します。
正確には『心はどこから生まれてきて、どう育つのか』。
4巻に渡る、ドキドキハラハラさせてくれた物語に載せて、剛さんが伝えたかったのはこのことなんじゃないかと思いました。
同じプログラマーから生まれて、正反対の『者』となったイブとアダム。
それぞれの経験が彼らを作ったのです。
先日、仕事がらみで「暴力を振るう子どもは、それをどこかで学習している」という話を聞きました。
この物語のラスト近くに、これと正反対の科白を見つけたんです。
心に染みました。
剛さん、
ありがとうございます。
「黒衣の公爵」シリーズ番外編です。
今回の主人公はアダムとイブをプログラミングした故アーサー・ビノシュ博士のクローンのアーサー・ビノシュ。
ある目的のために作られたクローンで、その役割を終えた彼のその後。
コンピューター「アダム」を移植した人型ロボット・アダムを与えられたアーサーはある夜、こっそりと秘密の改良を施した。
それはアーサーの淋しさを埋めるためのものであったのだけれど…。
クローンとロボットの恋です。
というか、ロボットに恋心は芽生えるのか?みたいな。
アーサーは自分だけを愛してくれる存在が欲しくてアダムに改良を施してしまう。
生殖器を付け、人工知能に愛を加える。
プログラミングされた通りにアダムはアーサーが望むがままに愛を与えていく。
人工知能には自分で進化していく部分もあり、アダムは学習してどんどんとより人間に近くなっていく。
アーサーをどんどん愛していく。
次第にアーサーは自分が与えた機能でありながらも、アダムのことを本当に好きになっていって。
アダムが愛するアーサーのために行った行動は実に愛に満ちていて、機械ならば思いもつかないこと。
それを出来るということはちゃんとアダムの中に愛が芽生えていたことになるんだろうなぁ。
そして、この2人同時進行で進んでいくのが仁とアンディの物語。
互いの気持ちは固まって恋人同士にもなっている2人ですが、まだまだ清い関係のまま。
仁の堅物さがそのまま「婚姻まではそのままで」という感じになっているんだろうなぁ。
そのかわり、アンディが成長してきたように思います。
仁の扱い方を心得ているというか…。
なかなかいろいろなことを言葉にしてくれない仁だから、アンディが悟ってあげるしかないんでしょうか。
なんだかんだでアンディの方が強いような気もします。
婚姻の儀式では仁がなかなかにがっついてたようにも思えたのですが、実はこの人ムッツリなんじゃないかなーと思ってみたり(笑)
濃いキスをしたら衝動が止まらなくなるからと自制しているところとかもかわいかったです。
ド・ファンタジーSFです!!
前作を読んでいないのですが、
国を統治するコンピューターとか、そういうのって、
なんかエヴァの『マギ』みたいで?(笑) 面白そうだと思い手に取りました。
と思ったら、続きものだったので、最初理解が大変でしたが、面白かったです。
まず、主人公はクローン人間で、容姿は女の子みたいな少年です。
彼は天才科学者のアーサービノシュ博士のクローン。
博士は国を統治するためのコンピューター『アダム』と『イブ』を生み出した人なのですが、このコンピューターの『イブ』は暴走しちゃいまして……、
人間が厳しく支配されるようになってしまいます。
で、その暴走を食い止めるために、製作者である博士の生体認証が必要ということになり、
博士の遺伝子から生み出されたクローン人間アーサーが、作られたのです。
ちなみに、イブは暴走しちゃいましたが、アダムはそうなる前に処置がほどこされます。
そして、問題が解決した後は、アーサーにボディーガードとして与えられました。
このアーサーとアダムが恋に落ちちゃうわけですね~
って、説明してみましたが、私の下手な説明じゃ、余計ややこしいかもですね(^_^;)
まぁ本の中には詳しい解説が付いてるので、分ると思いますが……。
ちなみに、元々アダムは国を統治するコンピューターとして作られたので、
無駄な感情や機能は一切持っていません。
しかし、生活を共にするうち、アダムに恋したアーサーは、
禁断の改良を加えてしまうのです。
具体的には、(性器を付けたり、恋愛感情をプログラミングしたり)
より人間らしい行動をするアンドロイドに作り変えるのです。
人間同士なら相手を振り向かせる努力は何通りもあるし、
どうしたって無理な場合もありますが、
相手はロボットなので、プログラミングがどうか?って問題でしかないのが辛いとこ。
結局、自分を好きになって抱いてくれたって、
それは自分がそうしたからなんですもんね……
これって、アンドロイドが出てくるとなったら、お決まりのパターンですが、
どんなに愛しても相手はロボットであり、しかもそれ作ったの自分じゃん!てゆう…
もうエゴの塊の塊みたいな。
なのにでもやっぱ愛してる!!っていうジレンマが切ないですよ。
そして、いろいろあるけど、結局このお話って、
博士の作ったアンドロイドとクローンのカプなわけだから、
近親ものととらえれらなくもないわけで。
でも二人には何の罪もないわけで。
それがとてもかわいそうでした。
給料日前の金曜日、世知辛い気分で、
現実的でないお話を読んでみて、自分的には、少しは脳が活性化されたかなーなんて。
複雑な面もあるけど、読後は結構爽快な一冊でした。
本編「黒衣の公爵シリーズ」のラスト、コンピュータ・イブの計画を阻止して北青王国と南紅大国に平和が訪れた2年後の話。
メインは、イヴとアダムを作ったアーサービノシェのクローン・アーサーと、三笠博士が作り、南紅大国のコンピュータ・アダムを移植した人型のロボット・アダムの禁断の恋の物語になります。
人間がコンピュータの支配から解放され、愛をもう一度はぐくもうとしている時に、アーサーは義父・嵩原卿への報われない恋心の為に、アダムに性機能を持たせて恋人にするのです。
これは究極の愛の選択、また一つの愛の形だと、とことん極左な選択をもってきた部分がとても切ない。
オリジナルのアーサーもコンピュータに恋をした遺伝子のなせる技なのでしょうか?
クローンという特別な存在であることが、気持ちが報われない事が閉鎖的な方向へ向かわせてしまったのでしょうか?
外の世界とうまく接する事ができなくて、ますますアダムとの生活に引き籠るアーサー。
アダムはロボットなのに、アーサーのプログラミングのはずなのに、自分で考えて感情を持っている、まるで人間のような進化を見せるんです。
でもロボットだからと、公の席に同席を許してもらえず、アーサーは悲しむ。
アーサーを慰めるアダムの優しさは機械にはできない人間そのものだと思いました。
皆に祝福される愛ではないけれど、それでも二人が幸せで、それを理解する人が少しでもいれば、彼らはそれでいいのだと。
しかし、それはきっとこの星の今後の課題や危惧でもあるのですよね。
機械と人間はどこまで相入れる事ができるか?そんなタブーに踏み込んだSFファンタジーは夢を与えてくれます。
そして、天真爛漫なアンディと無口で不器用な有理の結婚の話もあって、ほっとさせてくれました。
アンディは海犬レースのチャンピオンとして活躍しています。
アンディに結婚をほのめかす時有理はどもってしまうところが、何かかわいー!
あんな冷静な天人命で守るひとなのに、恋愛には初心で、そのギャップに萌えます♪
本編もこの番外編も含めて「愛」をゆるぎない主軸にして、色々な形で見せてくれた本作は大変に満足なシリーズでした。
ううぅーん。
人間が地球以外の惑星に移住して500年経った世界で
アンドロイドとクローンのお話。
人類を惑星ヘブンへ先導する役割を担う
アダムとイブというロボットを作ったのが
アーサーという人間なんですけど。
このアーサーという人間の死後
500年経った後に創ったクローンが
アダムというロボットの人口知能を移植したアンドロイドに恋をする。
もう、ほんとに卵が先か鶏が先か・・・こんがらがるw
クローンであるアーサーも、ロボットであるアンドロイドのアダムも
オリジナルのアーサーから生まれたわけで・・・
人工子宮から生まれたクローンの孤独を埋めるのが
かつて自分のオリジナルが作り出したロボットなんですよね。
アーサーという人物の悲しさはわかるのですが
ロボットが進化することによって人類は大変な危機に見舞われたという
お話を3冊かけて描いてきて、アダムだけが特別なのかよぉー!
と、思ったw
冷酷にアダムをスクラップできる感情がない限り
やはり人類は、同じ過ちを繰り返すのではなかろうか・・・。
でも、過ちがあるからこそ人間なのかもしれないし
その揺らぎこそが愛なのかもね。
仁とアンディの話を入れ込むなら、オリジナルのアーサーの話を
もう少し盛り込んでほしかったかな。