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narcist no yuutsu
どうしようもない男に惚れた温厚なゲイの青年が粘り強く頑張って一途な恋を成就させる話です。私的には神評価ですが、人によっては地雷かも。精神的に幼い攻やDT攻が苦手な方にはオススメしません。
日常系BLです。主要登場人物は攻と受のみ。受の同僚は攻と受の恋愛に直接的に関わることはなく、前半の山場に登場する攻の兄はあくまでも攻のトラウマを明かすためだけに登場します。
受が恋に落ちる過程がすごく自然に描かれます。受は自分のことは後回しにして他人を優先する温厚なゲイの青年。攻は複雑な生い立ちのせいで自分しか大切にできない男。受は自分と正反対な攻に出会い、反感を持ち、思いがけず距離を縮めてしまったことで攻の隠れた魅力を知っていきます。受は攻の横暴な性格に隠されたピュアな内面(笑)に惹かれていくわけですが、その純粋さを可愛いと思う方は絶対にハマる作品だと思います。
電子の特別版には単行本未収録作品がついてました。おまけ的なSSですが、受に出会えた幸運を噛み締めている攻の心情を「うむうむ」と頷きながら読みました。受の包容力は脱帽ものです。男前とは少し違う、柔らかな母性のような包容力を感じました。
イラスト買いの積み本(何年積んでたんだか・・・。でもまだある)消化で読みました。こちらが西江さん初読みでしたが、デビューノベルズだそうです。西江さんってもっと前からいらしたような気がしていました。
冒頭は、てっきり完全なコメディ(それもギャグよりの)だと思い込んでました。イヤ笑ったよ。
でも、読み進めるうちに、これはちょっと違うな・・・と。結果的には、まったく予測もつかない方向へ行ってしまいました。←悪い意味ではないです。ホントにものすごい面白かったんです。なんでもっと早く読まなかったんだ自分!と悔しくなったくらいに。
とにかく、タイトルの『ナルシスト』である山田(攻)のキャラクターが強烈すぎて、視点主人公である藤中(受)の印象がすごく薄かったんですよ。でも、この作品はとにかく山田のキャラクター勝ちだと感じました。
まあ初めの方の、山田を『ナルシストの変人』と強調するための描写があまりにも極端で、特に中盤以降の彼とはなんとなく齟齬があるような気はしました。
ただ、それはあくまでも『読後にあえて言うなら』であって、読んでいる間は別に気になりませんでした(う~ん、と思うことがあったとしても、それで引っ掛かって止まることはなかった)。
なんというか、全体にいい勢いがあって、グッと引き込まれるんですよ。
もし、最初の方の山田のとんでもない『嫌なヤツ』っぷりに挫折しそうになったら、少しだけ我慢して読み進めて下さい、とだけ言いたいです。イヤもう是非!
ひとつひとつのエピソードが秀逸です。それこそ山田の変人振りを表すのも、ピュア~な可愛さを表すのも。
中でも『石』に至っては、よくこんなの思いつくなあ、と別方向に感心してしまいました。あの石を巡るやり取りは素晴らしかった。千の言葉よりも山田のヘンさ、ピュアさが伝わりましたよ。
ところで、これ攻受ともに一人称が『僕』なんですね。僕×僕は初めて読んだんじゃないかな。いや、どうでもいいんですが、ちょっと新鮮でした。藤中はともかく、山田の台詞は『僕』だからこそのなんとも言えない味がありました。
あ、文章表現としては三人称受視点です。
正直なところ、キャラクターもストーリー展開も、本来の私の好みではないんです。ですから、何度も繰り返し読み返すお気に入りにはならないかもしれません。これは単に私の個人的な好みの問題であって、この作品自体はすごく面白かったんですよ。逆に、キャラクターもストーリー展開も好みじゃないのに(決してキライでもイヤでもないんですが)、ここまで楽しんで読めたこと自体が、私にとっては例外と言えるんですよ。
これがデビューノベルズと知って、『すげぇ!』と驚いたくらいよくできた作品だと感じました。あ、ただそれまでに雑誌では書いておられたらしいですが。
まったく、こういうのがあるからイラスト買いはやめられない。実際にはハズレの方が遥かに多いから、ホントはやめたいんだけど!
そして、イラストもすごくよかったです。満足。
丸ごと1冊表題作です。
最初読んでいくうち、私は本当に山田というキャラが嫌いでした。
ナルシストで傲慢な山田(攻め)に、隣人の藤中(受け)は振り回されっぱなしです。
山田は自分が冷蔵庫の使い方を間違えていたのに販売店にクレームをつけに来たのが二人の出会いで、それから山田が引越ししてきて隣人になったら、引越し荷物を運ばされる、暖房が利かないから直せ、直らないなら部屋に泊めろなど、何かと上から目線で要望を押し付けてきます。
山田は我が儘で自分勝手で強引で、藤中がひとつ返せば、百になって返ってくるという弁が立つのにも腹が立って、従う藤中にもイラッとして、山田がもらったアジを藤中に押し付けた場面では、途中で読むのを止めようかと思うくらい山田が嫌いでした。
藤中はゲイで「山田は顔は好み」と言ったので、性格が悪いけど顔が好みだから押されてほだされるのかなぁ、と不満に思いつつページをめくっていたのですが、64ページで友達がいたことがないと知り、79ページで石を渡した時には山田の印象が変化していて、仕事をとられたと泣いて、義兄のことで藤中ともめて、仲直りして反省をした116ページでは藤中の告白がすとんと胸に落ちてきました。
顔だけじゃない、山田に押されたわけでも、情に訴えられたわけでもないのに、虚勢を張っているその裏を知ると、毛を逆立てて必死に威嚇しているハリネズミのように思えて、藤中と同様に山田が愛しくなりました。
我ながら単純だなぁとは思うのですが、それほど書き方が見事でした。山田が心を入れ替えて態度を変えたわけではないのに、序盤との印象の変わりようが素晴らしかったです。山田が嫌いな方、80ページまでは辛抱です!(笑)
最初の山田を知っているからこそ、駅まで藤中を追いかけてきた浴衣姿の山田に、藤中と一緒に涙がこぼれました。
そして、それからの甘い展開はニヤケっぱなしでした。事後承諾という強引ぶりなのに、藤中に泣かれるとおたおたするのが良かったです!
表紙めくってすぐのカラーイラスト、二人とも裸同士のエロ場面なんですが、山田の手つきがやけにいやらしく思えて、うひゃーっとなりました。
傲慢で自分勝手な攻めと、流され系の受けが嫌いな人にこそ、読んでみてほしい作品だと思いました。なお、藤中はそれなりに仕事していますが、山田はあんまり働いている場面はないので、仕事ものというよりは、恋愛重視の内容でした。
最高でした。面白いし萌えたし、受け攻めどっちのキャラも良かった!ナルシスト攻めっていう設定に惹かれて購入したのですが、期待以上の面白さで大満足。
あと、著者の西江さんはこれがデビュー作だとか。デビュー作でこの完成度は十分評価出来ます。
作中で藤中が山田のことを「モンスター」と称していますが、まさにその言葉がぴったりな男です。単なる自分大好きなナルシストよりよっぽど性質が悪いです。
藤中との出会いも最悪ですからね。藤中の勤める家電量販店へ来店してきたクレーマーですから。こんな人が司法書士って何かの冗談かと思いました(笑)
そんな騒動の後、山田は藤中の住むアパートに越してきてくるのですが、それがなんと藤中の隣の部屋。その日から山田の様々な我儘に振り回されるはめになります。よくあんなこと言われて耐えられるなと藤中の心の広さに感心します。
そんな中、ある日を境に藤中と夕食を共にすることが多くなる二人。一緒に過ごす内に山田の良い所が見え始め、藤中はどんどん山田に惹かれ始めます。
魚釣りデートの石のエピソードには萌え転がりました。あれはヤバイです。山田が可愛すぎてつらい!
その後に山田の義兄が登場により、藤中と山田の仲に溝が出来てしまいます。というか山田が一方的に避け始めます。藤中が山田の部屋のドアノブに栄養ドリンクの入った袋をぶら下げておくシーンが切ない。
そんなこんなで色々あった二人ですが、藤中の告白により恋人として付き合う事になります。でも、これは所謂「お試し」みたいな関係で純粋にラブラブとは言い難い。
キスはするけどセックスはしない。そんな関係に焦れて藤中からアプローチをして良い雰囲気までいくのですが、敢え無く玉砕。山田がセックスを怖い、したくないと言い出すんです。
初心で可愛いんですが、藤中としては複雑ですよね。藤中はゲイですが山田はノンケ。本当は男である自分が嫌なのではないかと考えてしまうのは無理ないと思います。
藤中の決断にはそれでいいのかとハラハラしましたが、そこで山田が諦めず藤中を追いかけるのが見所だと思います。ラストのエッチは最高に萌えました。初めての快楽に興奮する山田がまた可愛くて!
とにかく面白かった。是非たくさんの方に読んで貰いたい作品だと思いました。金さんのイラストも素敵で大満足!
萌萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
鼻持ちならない横暴ナルシストの隣人・山田×山田に振り回される人の良いゲイ・藤中の、生真面目すぎる恋。
基本的には普段ストーリー重視なんですが、たまーに出会うキャラ萌え本。今回の萌えちゃったDE賞はこちらの攻めさま。
美形なのに残念な性格と実は超純情というギャップにときめきトュナイトでした。(古…)
一見、俺様でとっても横暴な嫌みなナルシスト山田。
そりゃ今までの隣人とトラブル起きるわなーというありえん尊大さは、美形というオプションをもってしてもカバーしきれない破壊力です。
なのに、なのに、ページが進むに連れてその山田が、何やらかわゆく見えてくるというイリュージョンが起きちゃいます。
口にガムテープ貼付けたくなる無神経発言も実は素直さの裏返しだし、一緒に出かけた思い出記念に拾った石をプレゼントって、おまっ、どこのピュアっ子だよ!
傍若無人な俺様の蓋を開けてみれば、実は純粋な子供そのまんまだなんて反則じゃー!もーかわゆすぎる。バタッ。(転倒)
しかも自分の性格と孤独を自己認識してるから、初めて得た友人の藤中を大事にしようとする姿は、切実で切ない。
乙女の夢の権化のかっちょいー攻めが揃ったこの世界で、こんなにも不器用で純粋な攻めって中々おらんのじゃなかろうか。
藤中はゲイだけど山田はノンケ。
この話が面白いなーと思うのは、性癖の違いは大した問題にならず「えっ、ソコ!?」と言いたくなる事柄が二人の障害になっちゃう点です。
いい年した大人同士なのに、大人の恋とは程遠いまるで10代のような恋のプロセス。
正直に言えば、後半の山田の葛藤っちゅーやつが分かりそうで分かんないんだけど、その斜めなピュア理論も、それだけ純情で誠実ゆえんなんだと思えば超絶愛しい。
他人には理解不能な葛藤でも、頑に自己を守り続けてきたこの防御壁を崩すのは、山田にとって至難の技なんだろう。
それでもなんとか歩み寄ろうとする姿と、それでも噛み合ない二人に、ちょっと涙目になった自分がおりました。
そしてエッチシーンでは久々にテンションがあがりまくってしまいました。頭のどこかのヒューズが確実にとんで落ち着け自分状態。
天然の言葉責めに、恥ずかしいやら面白いやら萌えるやら。
なんかもー変に初心者の旺盛な好奇心と大人の耳年増な感じと純情が大爆発の初夜(笑)で、大変美味しゅうございました。
この二人は、将来どころか墓まで一緒にいそうな感じだー。
だいすきだーこの本!
頼りになる平凡で無害な受っていじらしくて好きです
そこに頼りない俺様攻がどう絡むのか!
どう恋に落ちて、どう結ばれるのか!
俺様攻が優しくてへたれで少し獣出る辺りは萌えシチュでしたWWW
受はほんといじらしい・・・
金ひかるさんの絵がまた追い討ちでキュン!
だけど最後は少しグダグダっとしたような気がしなくもないです。
受を受け入れられない攻の実際の内心はなんとなく感じつつ、もっとガッツリ受に墜ちて盲目なところが見たかったといったら欲張りすぎだろうか・・・。
気持ちいいくらいナルシストな男前と人と衝突するのが嫌いなお人よしゲイの話。
最初の印象は最悪なんだけど、ナルシストの意外に繊細さや優しさ、臆病さに触れるたび主人公は惹かれていく。
ナルシストはノンケだけど、自分の性格が災いしてこれまで友人も恋人もいなかったので、仲良くなれた主人公に心を許す。
ある日、主人公は突発的に自分の思いを告げてしまう。
断られるかと思いきや、山田は同情のような友情のような、とにかく藤中と縁を切りたくないという気持ちからお試しのお付き合いが始まる。
付き合い始めるとナルシストは今まで以上に優しい。
しかし身体の関係は進まず、主人公は少し不満を持つ。
ナルシストは相手が同性だからという問題ではなく、セックス自体がムリだと気付く。
このことが徐々に二人の間に溝を生み始める。
最初、こんな強烈なナルシストとどうやって恋愛するんだ?と思ったけれど、主人公と仲良くなるうちに内面が見えてきて可愛いらしいじゃないか!
読みやすい文でデビュー作だとは驚きです。
王道系ですが、攻めがセックスしたがらないあたりが珍しいような気がします。
西江さんは初読みの作家さんでした。
文章は落ち着いていて好みでした。
主人公の2人は社会人で大人な恋愛物語かと思いきや、攻め様が容姿端麗、仕事も出来る自信家なのに人と付き合う事につけてはなんともちぐはぐな感じで、かなり変わっています。
受け様がゲイということは序盤ですぐに分かるのですが、人当たりが良くちょっと人が良過ぎるくらいで、攻め様とは対照的です。
最初は攻め様がこれ以上ないほど嫌なキャラなのですが、少し読み進めると変化が感じられるます。
その変化が唐突過ぎる感があったのですが、やっぱりお話では何か変化があるとその先が気になりますよね。
ただ、私には2人の関係が余りにもお互いに遠慮し過ぎているというか、不自然な程意思の疎通が出来てないようなところがいま一つこのお話に入っていけなかった要素だったかなと思いました。
2人の関係がギクシャクする間が長めなので、焦らされるお話がお好きな方には合うのかもですが…。