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大化の改新で有名な中大兄と、悲劇の皇子・有間の秘められた恋のお話です。
皇族の中でも微妙な立場で、ひっそりと暮らす孤独な有間。
そんな有間を力で押さえつけ、陵辱する中大兄。
有間を犯した中大兄の真意は?
そして有間に思いを寄せる中大兄の弟・大海人。
古代史の華々しいスター達が、
歴史の流れと共に切ない萌え物語を繰り広げます。
権力から遠く離れ静かに暮らしたいだけの有間が、
逆らえぬ運命によって、中央に引き出される悲しさ。
運命から逃げていた有間が決意し、自ら炎の中へ身を投じたのは
皇子としての誇りと、中大兄への愛ゆえでしょう。
謀反の罪で捕らえられた有間を尋問する場で、
初めて有間を心から愛しく思えた中大兄の悲劇。
『気がつくのが遅すぎたのではない。
こういう出会いしかできなかったのだ』
そう語られる中大兄と有間の愛が悲しすぎて…切なかったです。
お互い愛の言葉を口にすることはなかったけれども、
最後に判りあえた。
悲しいけれど美しい愛の成就でした。
そして有間の事件は大海人の心に深い傷を残し、
そんな大海人もまた修羅の道を歩むことに。
同時収録の番外編は中大兄と藤原鎌足の出会い。
短編ですが、なかなか萌えます。
全体的に濡れ場描写も控えめで匂わす程度です。
しかしそれが上品で、かえって私は萌えました。
この時代が好きな方にはオススメしたい小説ですが。
残念ながら現在は絶版のようです。