ゆっくりまっすぐ近くにおいで

yukkuri massugu chikaku ni oide

ゆっくりまっすぐ近くにおいで
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌10
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
37
評価数
13
平均
3 / 5
神率
7.7%
著者
渡海奈穂 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403522123

あらすじ

印刷会社営業の稲田は自社の印刷機の故障で刷れなくなった緊急の印刷を、町の小さな印刷屋で引受けてもらう。そこの社長・大内は口は悪いが懐が広く、初対面の稲田が見とれるほどの美形。たちまち恋に落ちた稲田は、以来せっせと彼のもとに通い口説きまくるが、大内は拒否こそしないが受け入れてくれるわけでもなく……?年下ワンコ攻×クールビューティー受。商業誌未発表をHシーン含め大幅加筆で文庫化!

表題作ゆっくりまっすぐ近くにおいで

大手印刷会社営業
弱小印刷会社社長

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数7

可愛い年下ワンコ攻めでした

無茶な仕事を引き受けてくれ、自分のピンチを救ってくれた年上美人・大内。
口は悪いが仕事は出来る。懐が広くて男気のある大内に、
新人営業マン・稲田はひとめ惚れのメロメロ。

大内と稲田が知り合ったきっかけになった仕事の描写。
二人が力を合わせてパンフレット作りに勤しんでいる姿。
ポンポン指示を飛ばす大内に、「はい!」と元気な返事を繰り返す稲田。
そんな二人のテンポの良い会話が楽しかったです(笑)

大内の仕事っぷりや美貌に熱を上げた稲田はその日以来、
営業の忙しい合間を縫って、大内の元へ通う日々を送ります。
土産を持って、せっせと大内の元へ通う姿はまさに忠犬。健気です。
そんな稲田の熱いアプローチを受け入れないが、拒否はしない大内。

大内の思わせぶり?な態度に、稲田と読者(私)も何だか焦れ焦れです。
そして大内に向ける稲田のストレートすぎる好意が、
読んでいて清々しくて気持ちがいいです。

年齢不詳クールビューティーな受けと、大型ワンコ攻めの
ちょっと笑えて切なくなるラブストーリーでした。

4

真っ直ぐに届く言葉

今回は印刷会社の営業マンとサ小さな印刷屋の社長のお話です。

二人の出会いから猛アタックして恋人になって同居するまで。

本命の会社を落ちたため今の印刷会社に勤めた攻様は
入社二年目の営業マンです。

不況下の昨今、
仕事は数で勝負と多少の無理も承知で仕事を取ってくるため、
デザイナーや製版の社員に評判が悪く、
自社の印刷機が故障した事も知らずにいた為、
明日の納品の印刷が出来ない事態に追い込まれてしまいます。

八方手を尽くしますが、
夜の八時も回っていては営業終了か、門前払い。
ほとほと困った時に見つけたのが受様の営む小さな印刷屋でした。

最後の頼みと土下座をして頼みこみ、
なんとか刷って、切って、梱包までこぎつけた頃には午前三時。

夕飯もまだだという受様に
ご馳走するため居酒屋に向かう二人ですが、
そこで攻様は日頃の憂さが爆発、
自分の一生懸命さが社内の人に伝わらないと愚痴りますが、
受様に自分の仕事をするだけではなく、
他の人の仕事も知って効率よくまわす事こそが営業と諭されます。

そのまますっかり深酒し、
目覚めたら受様の自宅で全裸で記憶すらおぼつかない攻様。
対して下着からシャツまで洗濯して上着とズボンにファブった上、
味噌汁まで用意して攻様に食べさせる受様。
どちらができる男かは火を見るより明らかですね。

仕事が出来る上にしっかりしていて綺麗な上、
コチラの困惑まで見透かすような年齢不詳の受様に
攻様は完全に落ちてしまいます。

以降ほとんど個人的な用事で印刷屋に通い、
受様にアプローチする様はなかなか健気なワンコ君です。

女ばかりか男にもやたらもてる受様は、
過去の経験からノラリクラリと攻様を交わしていますが、
端々に「仕方が無いな」という感じがアリアリ♪

出合って4ケ月、痺れを切らした攻様が
友人としてじゃなく好きなのだと告白すると、
攻様の言葉を逆手に取った返事で応える攻様に
後は一線を越えるだけか?と思いきや、

受様の元奥さんや幼馴染の元従兄弟が登場。
復縁を迫ったり、関係を迫ったり!!
更に取引先の出版社の夜逃げされて受様の印刷屋も倒産か!?
という展開が!!

二人の未来はいかなる事に?!

最後はすべての人間関係がすっきりとまとまり、
二人もキスでお見送りする新婚さんもどきになりますが、
人と人が付き合う事の難しさ、
対人関係を作り上げる事の大切さを考えさせられるお話です。

同じく年下ワンコ攻のシチュがお好きなら
かのえなぎささんの『淫らな獣の躾け方』をお薦めします。
クールでケダモノな年下彼氏はいかがでしょう?

3

リアリティある!!!

 私、ついこの間まで印刷機を回してましたので、この会社のリアルさはなんだ!! と思ったら、作者はアルバイトをしたことがあるようです。なるほどー。

 と、印刷業界の厳しさや(夜中まで仕事してたりする)、仕事内容のリアルさも満足でしたが、なにより「ゆっくりまっすぐ」進む恋が、じんわりと心にしみました。
 泣けるわけでも、心を揺さぶられるわけでもないのですが、じわじわとよかったなーと思うのです。

 どうも、人の心にずかずか入ってくる人間関係というのが嫌いなので、こういう一定の距離を保ちつつもお互いを思いやっている感じは、理想的でよかったです。
 ドロドロとしたのも求める人には、全然足りないと思います。

3

キャラが魅力的でした

印刷事情を知らないのでよくわかりませんが「色上特厚B4二枚、二つ折で8ページ、表一表四が二色、その他一色の両面刷り、一千部、納期は明朝」なんて仕事を夜の9時を過ぎていきなり持ち込んだら、「冗談じゃねえよ」と怒鳴られて門前払いをくらっても仕方ないそうです。
まあ、印刷じゃなくても夜の9時過ぎてもちこまれる仕事やセールスの電話はろくでもないに決まってますね。
しかし、稲田は自社の印刷機の故障のため、その非常識をせざるを得なくなる。

案の定どこからも断られた稲田は、幸いまだ灯りがついていてドアを開けてくれた「プリントワークス」に土下座して頼み込むと、まだ若い社長・大内がそれを引き受けてくれる。
夜中の三時までかかって二人で仕事を終わらせ、居酒屋に飲みにいって、酔い潰れた稲田は大内の家に泊めてもらい着ていたシャツや下着の洗濯、スーツにはファブまでしてもらう。

荒っぽく下町職人オヤジ系な大内は、言動に反して容貌はとっても美人。
その美貌にはもちろんですが、さっぱりサバサバと男前で、稲田の悩みにもきちんと答え諭してくれた大内に稲田はひと目で惹かれてしまいます。
大内に会いたくてしょうがない稲田は何かといい訳をひねりだしては、貢物をもって大内の「プリントワークス」を訪ねるようになる。
強引ではないがが、素直な稲田は大内への尊敬や憧憬の気持ちをストレートに口に出し、見えない尻尾を振りまくる。
そんな稲田を、大内も「可愛いやつ」と思うようになって…。

しかし、大内には意外に複雑な事情があって、それが現在もまだ尾を引いている。
まだ就職して二年の稲田からみれば、その事情はとても複雑な「大人の事情」(笑)。
年の差や自分の非力さを実感しながら、それでも等身大に真っ直ぐに立ち向かい頑張る稲田ワンコの誠実が、輝いてみえる。
大内を取り巻く“(元?)身内”がその対極にいるような人間ばかりだから余計だ。

この渡海さん、いいですー。好きです。
素直で真面目で一途なワンコももちろん好きだし、美人で、面倒見がよくて、荒っぽくて口の悪い男前な年上受もとってもいい。
そしてあとがきも面白い(笑)。
もともと渡海さんの社会人モノはわりと好き(学生ものは不思議とイマイチ)なんですが、どっちかというと地味系に入ると思うけど、これも好きでしたね。
こちらは2005年発行の同人誌を加筆修正したものだそうです。

1

バツイチ受けの元妻が酷いと、受けの印象も悪くなる。

渡海奈穂さんは印刷所のバイトをしてたらしく
小さい印刷所の仕事については現実的なんですけど
人物の設定は、受けが魔性という非現実的な感じで
誰もが、受けの外見に惑わされ内面とのギャップに去っていく中
突然現れた営業マンの攻めは、内面ともに受けに一途に惚れてくれたから
受けもほだされた?と、いった感じでした。

受けがバツイチ設定じゃないほうが個人的にはよかったな。
元妻がキチガイなのはどーにもw
子供がいてもあんな女性というのはいかがなものかと・・・
元妻が酷いと、よーするに元夫である受けの印象も悪くなりますよね。

ほのぼのとはしてるけど、ノンケ同士が一線越えるハードルが低いよ。

そして会社で嫌われていた攻めが、会社のみんなと和解すんのも早いよ。

問題を定義するけど、それを乗り越えるのが案外簡単で
肩透かしな感じがしました。

1

年下ワンコ。

大内(受)の魔性っぷりがちょっと現実味が薄かったですが、素顔は意外にさばさばした美人だったので、それはまあOKでしたね。
それに、年下攻は苦手な方なんですが、ワンコは不思議と抵抗ないんですよ。稲田(攻)が絵にかいたようなワンコだったのがよかったです。

それにしても、渡海さんの作品で、ここまで脇キャラクターが『酷い』のも珍しいと思いました。相対的に稲田の株も上がるよね、これじゃ。

渡海さんは、とにかくあとがきが面白いんですよね。小説はどちらかと言うと抑えた筆致だと思うんですが、あとがきは妙にハイテンションで。
大変申しわけないんですが、この作品はあとがきがいちばん面白かったかもしれません。他にもそういう作品はあるんですが、これは作品がつまらなかったというよりも、あとがき(の社長)のインパクトが強すぎました。本を閉じて何より印象に残ってるのが、キャラクターでも作家さんでもなく(あとがきのリアル)社長ってどーなの!と思います。 ←自分の小説の読み方が。

1

主役二人は良いけれど

1冊丸ごと表題作です。
受けの元妻、娘が登場しますので、苦手な方はご注意下さい。

稲田(攻め)、大内(受け)の両方の目線で進んでいきます。

二十代にしか見えない年齢不詳の大内が魅力的過ぎて、2年に一度は警察騒ぎのストーカー、子供の頃から誘拐騒ぎになる。そんな大内に一目惚れしたワンコ稲田の話です。

同人誌を加筆修正して文庫化されたとのことですが、ラストのエッチシーンはなんとか詰め込んだ!という感じがしました。今から始めてページ数大丈夫なのかって心配してしまいました(笑)

稲田と大内の二人は良かったです。外見に似合わず男前な大内は言うに及ばず、稲田はモテモテの大内が惹かれるのも納得できる可愛らしいワンコぶりでした。コミカルテイストで読みやすかったです。

ただ…。援助するから家に住めと大内に迫る、稲田の恋敵となる真苑はまだ許容範囲ですが、大内の元妻である千帆はいただけませんでした。
大内にむらがる女を排除するのはともかく、男に色仕掛けで落とし、離れさせる手段は利己的でどうにも受け入れられませんでした。可愛らしい嫉妬でなくヒステリーっぽいのも苦手でした。離婚が納得のいく酷い女ならともかく、中途半端にかわいらしく同情をひくタイプなのが、逆に読んでいて気持ちの折り合いがつかずに嫌でした。私は女性に甘い質なので、自分でもこれだけ嫌いな女キャラは珍しいなと思いました。
いくら恩があり迫られたとはいえ結婚した大内の非も大きく、娘が気の毒でした。それがなければ、楽しい面白いで終わった作品なのにと残念でした。

1

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