条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
美形お世話係と箱入り主人が織りなす、独占欲満載の世話焼き(?)ラブ☆
愁輔はかなりぽやぽやなお坊っちゃま大学生。
電車に乗れば、人並みに押されて倒れそうになるは、ぼーっとしすぎて電車を乗り過ごすは……で、未だにひとりで満足に電車にも乗れない。
なんて、超箱入りになってしまった原因は、24時間べったりなお世話係・成田彰史のせい。
愁輔が物心ついてから、ずっと側にいる彰史が愁輔から離れたり、愁輔以外の人間を優先するなんて、愁輔が考えられないくらいずっと一緒にいた。
けれど、そんな彰史に愁輔の姉との結婚話があると知り、愁輔はショックを受ける。
悩んだ挙げ句、愁輔は「彰史と一緒に居るには彼を誘惑するしかない!」と思い込むけれど……
という話。
なんていうか、とにかく愁輔がぼーっとしていて、ファンタジーを妄想する少女……並みのぼーっと感。
でも嫌みな感じではまったく書かれてなくて、「いらっとする」とかそういうのはまったくないです。
けどきっと愁輔の目には世界は綺麗なものにしか見えないんだろうな……という。
対する彰史は、そんなぼーっとする愁輔に対しては完全なる保護者で、完全なる紳士。
けど、時折、愁輔の前にも関わらず毒舌を吐いたりするんですが、愁輔がぼーっとしてるので、それには気付かない。
なので、完全にその役目を彰史が果たしていたんですが、愁輔に誘惑されて、彰史の理性が崩れる。
で、まぁ、そこでケダモノになっちゃえばそれはそれでよくあるBLだと思うんですが、彰史はあくまでも真摯で。
そんな煽り方をされたらそれだけで済まないだろう! って思うんですが、そこはそれでちゃんと止める。
おかげで、最後は二人の気持ちはきちんと通じ合ったんですが。
愁輔がちゃんとそれを自覚してるのかわからない、「ほわわわわー」とした感じのまま終わります。
個人的には愁輔が、彰史に愛されるってどういうことなのか、思い知る……というかちゃんと自覚するところまで読みたいなー……と思うので、そこで終わらずに、もう一日分のエピソードとかも入れて欲しかったなー……というのが、正直なところです。
ちょっと物足りないので続きがほしくなりました。
少々小難しい話も交えながら評価をしていきますのでそのつもりで。
一読して嫌なものを感じているのです。もちろん、大和名瀬さんの絵に文句を言っているわけでもなく、愁輔・彰史・そしてさつき(愁輔の姉)の関係が「三角形」になっていることが嫌なのです。というのも、(ルネ・ジラールが言うところの)「欲望の三角形」に見られる「主体・対象・媒介」が見事に当てはまってしまうこと。この作品で愁輔を主体として考えると
対象:彰史(攻めでも対象になるんですね、ジラールは言ってないけど)
媒介:さつき(たとえ、偽装結婚でもそうなる)
になってしまい、これから先がまったく無いのですから。
評者である私は、どうしてもこの外側で描いてほしいと思えそうなシーンでなぜそうしないのか(水城が何に恐れているのか、理解できないししようとも思わないにせよ)がわからず只今混乱しています。
ついでに。
「電車にも乗れない大学生って結構いますよ」と本書を読んだ某私鉄駅係員の友人がボソッとつぶやいていました、ハイ。