宵闇の契り~桃華異聞~

yoiyami no chigiri

宵闇の契り~桃華異聞~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×22
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
25
評価数
7
平均
3.6 / 5
神率
14.3%
著者
和泉桂 

作家さんの新作発表
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イラスト
佐々成美 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
宵待の戯れ~桃華異聞~
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784344815247

あらすじ

大我に手ほどきを受け売れっ子となった莉英は、いくら好きでも大我に愛されるわけがないと思い!? 桃華異聞第2弾!!
出版社より

表題作宵闇の契り~桃華異聞~

桃華郷妓院のかな用心棒兼番頭
最下層窒子から最高級閭まで登った男妓

レビュー投稿数4

桃華郷その二

遊里・桃華郷を舞台に展開するシリーズの第二作。桃華郷の頼りになる用心棒・大我と、幼い頃に妓院に売られ、やがて男妓として生きる莉英の物語です。

約十年間にわたる二人の交流が描かれており、読み応えがありました。また、莉英は第一作で聚星の同僚として登場した美貌の男妓で怜悧かつ傲慢なイメージだったので、その容姿ゆえに厄介者扱いされる不憫な子供時代の莉英が意外すぎて序盤からストーリーに引き込まれました。第一作ほどではありませんが前半は少々ショタ要素があるかも。

攻が受を見守り、自分好みに育てていくという種類のお話ではありますが、大我は決して妙な執着心や独占欲を持っているのではなく、莉英が成長し、自立していくのを喜ばしく感じてもいます。それがまた切なくて、付き合いの長さ故に二人が人間として変わっていく部分もあったりして、後半は、あああもうもどかしい!と思いながら読みました。莉英は胸に秘めた決意ゆえに男妓としてまさにプロフェッショナルで、お仕事モノとしても面白かったです。

莉英も可愛いですが、大我のキャラクターがとても好きでした。大人らしい冷静さと、用心棒らしい野性味と、莉英を思いやることができる繊細さを持ち合わせた良い男だと思います。あと、意外と気が長い(笑)。二人のその後も見てみたいなぁと思いました。

1

成り上がりのツンデレ

桃華異聞の第二弾は、東昇閭のナンバー2莉英のお話です。
第一弾の聚星の話は、がっかりしてしまったので次は挽回してくれよという望みをかけて、、、多少浮上いたしましたよ。

莉英は、貧しい家を助ける為兄青林と一緒に桃華郷に売られてきます。
幼いころより病弱で、病のせいで顔に痣や傷痕があり、醜い面相だからと忌み嫌われているのですが、そんな莉英を愛する兄が売られる時に心配して、一緒でないとという条件付きで、売られてきたのでした。
しかし、兄も無理がたたり亡くなってしまいます。
行き場のなくなった莉英は、最下層の窯子へ売られます。
そこで知り合った用心棒の大我。
莉英が、ここで生き残っていくために教育を施します。
そして、それにこたえる莉英。
大我が与えてくれる薬のおかげで、醜い顔の痣もだんだん薄くなり、またたく間に売れっ子になり、楼→閭へとステップアップしていくのです。

教育と称する交わりは、二人にとって切ない愛の情交になっていきます。
醜い顔のせいで、皆にさげすまれた下働き時代、
「なにくそっ」の気持ちで、どんどん上を目指して手に入れていく莉英なのですが、だんだんと周りに冷たい意地悪な人になっていくのです。
莉英が上へ昇るために、大我は多大な陰ながらの強力を惜しみなく尽くしているのです。
しかし、所詮娼妓と番頭格。
結ばれる可能性はほとんどありません。
一度は身を引く大我。

莉英の郷でも評判の驚愕の性技は大我との訓練の賜物☆
本当に恋しい大我にはツンデレの莉英。
意地悪な面が目立ちますが、それもトップになるという目標のため。
彼は努力の人なのです。
最後は娼妓としてではなく、恋人として愛しい男と結ばれます。

聚星には納得しませんでしたが、こちらは満足でしたよ。
ここまで頑張るってすごいことですよね。

1

なかなか切なくてもどかしいお話でした。

莉英は病気の痕が顔に残っていて見た目にはとてもじゃないけどキレイとは言えない子供。
兄の青林にくっついてなんとか下働きをすることになるのですが。
その見た目ゆえに苛められるのは常で。
それでもそんな容姿だからと逆に心根だけは真っ直ぐに明るくあろうとしていて。
そんな中で大我と出会って。
大我は番頭兼用心棒という感じなのだが莉英の容姿にも臆することなく接してくれて。
やがて、莉英はこの世界で昇り詰めるために大我と相棒になることになるのですが…。

最初のうちはまだね、お互い感情が芽生えてなくて。
というか自覚してなくての関係。
娼妓として成り上がっていくために必要な技術を大我は莉英に実地でレクチャーしてって。
莉英がまだ幼いせいもあってかそれほどその行為自体に色っぽさというのはなくてホントただのレクチャーなんだけども。
少しずつ何かはわからないけれども感情が芽生えてきて。
莉英にとって大我とする行為は大切なものになって。
けれど、その街の色に染まってしまったのか、それとも大我が望むものになりたいという想いが強くなりすぎているのか。
どんどんレクチャーと経験から得た技を見せるようなその行為はただの「行為」になっていく。
莉英の評判が上がるにつれて莉英は引き抜かれ店の格を上げて行くのだが、その度にどこか歪んでいくようにも見えて。
自分でもその歪みを感じていて莉英は少しずつ見えないところで壊れていくようでもあって。
感情はあってもふさわしくないとかそういう様々なことを考えて強がってしまうほどに大人になっていく莉英がせつなかったです。
お互いに確かに相手のことを想い合っているのにその気持ちが最後の最後までちゃんと噛み合わない。
読んでる側からすれば最初から想いが通じ合っているのはわかるだけに、もどかしくもあるけれど切くて面白かったです。

1

みにくいあひるの子

発売延期になっていた、桃華異聞の第二弾。
今回は第一弾でもちょろっと出てきた莉英が主役です。
言うなれば「みにくいあひるの子」といったところでしょうか(しかし私は「みにくいあひるの子」が最後どうなったかは知らない……)。

前作で出てきたときは高慢で鼻持ちならない美人の莉英。
1ページ目から前作と同じ高慢クオリティで、登場。そんな彼の過去。

幼いころに患った皮膚病の所為で醜いと謗られ、ひどい扱いをうけても人を憎んだりせず、一緒に売られてきた兄の青林を慕い、心配する少年……なーんだ可愛いとこあんじゃん!
と思いはするものの、一体彼をあんな冷たくて高慢にさせたのはなんなのだろうともやもやする。

おおまかな流れはこんなんですが、いやー、莉英が可愛いんだこれが。
小さい頃の頑張り屋さんぶりとか、物慣れず初々しいところとか、どんな客でも(借金さえしなければ)誠心誠意尽くすところとか、いじらしくて可愛い。
ただそれは同じ男娼から見れば必ずしもそうじゃないんだろうけどね。
で、和泉センセーがあとがきで仰るには、莉英はツンデレだそうだ……ツンデレ、ではないな。うん。
つんつんしとる。
ああでもデレを忘れたツンであることは確かだ。

個人的には、兄の青林も気になる。
なんか意味深なんだよ……弟に対する感情とかが。(恋的な意味ではなく)
それは大我も多分感じてたんだろうけど。
でも、一瞬の真実はどうあれ青林が莉英を深く思いやっていて、莉英も兄を心から愛していたんだからそれはいいんだろうな。
出来ることなら兄の番外なんかも見たかったが、それはあまりにも可哀想で報われないからやめたほうがいいな……(つД`)

あと、最後の楊さんの呪いについては、もっとじっくり書いて欲しかったなー。
彼がどれだけ自分にコンプレックスを持っていてそれを気にしてるのかとか。なんか物語の時間的には結構あったんだろうけど、あっさりすぎちゃってちょっとザンネンだった(´・ω・`)

ところで前作『宵待の戯れ ~桃華異聞~ (幻冬舎ルチル文庫)』の二人も出てくるんだが、ちょっと思ったことがある。
娼館にはランク付けがあって、
1:閭
2:楼
3:家
となるらしいが、閭の売れっ子の方が楼の男娼たちよりも……なんというか、かわいくない気がする。
TOPは言葉遣いもあんまりだし、性格も高慢……。
途中の地の分に「それを補ってあまりある技」とかなんとか書いてあるんだけど、それにしたって……(´・ω・`)商売むずかしい

1

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