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meiai no kusari
やっぱり華藤さんの作品は腰を据えて「よし、読むぞ!」と気合いを入れて読むべきだと改めて認識させられました。
それほどまでに過去と現在の入り組んだ設定、公安だ、SPだ、警察庁だ、警視庁だと華藤さんの作り出す世界観を頭に入れ、主要登場人物のその時の心の動きを追うという作業をするには、絶対斜め読みでは話が頭に入ってこなかったのです。
なのでこの本、買ってからしばらく漬物状態でしたが、やっと今回読み終わりました。
やっぱり読み込むと、華藤さんの作品なだけあって面白かったです。
たびたび登場する天人花の匂いが香ってくるようでした。
買った当初、受けが元傭兵で攻めを護るお話かあ、とあまり触手が動かず漬物になってしまったのですが、いやいや読み込むと、この受けがお父さんの治療と引き換えに職務をまっとうしようと覚悟を決めての心の機微が何とも健気で切なげに微笑む姿に心を打たれてしまいました。
そして攻めの近衛も良かったのです。
PTSDに苦しみ感情が欠落した人生の中において、三神とのかかわりで徐々に色々な色が再び人生に戻ってくる様が、何ともあの始めの罠にかけた出だしを読み、こんな冷徹人間に幸せな最後なんてあるのかと思っていたのですが、読み進めていくうちにうまいな~、いいな~と思っていったのです。
最後はもう、公安辞めて二人が出会ったあの思い出の地で一からやり直してしまえ~と個人的に強く希望!だったのですが、なかなかに現実的な終わり方?でした。
警察庁公安キャリアとSPのドラマティックラブストーリー。
オープニングの舞台はモロッコのフェズ。諜報員として活動していた攻めは、ターゲットで外国人部隊の傭兵だった受けと接近し、情交を結ぶ。国家のイヌと自虐する冷徹な攻めと、そんな彼に利用されて捨てられた受けが、二年半後に上司部下として再会する。果たして異国で交わした一夜限りの契りはただの戯れだったのか、あるいは…。
贅沢をいうと再会してわりとすぐにセフレの関係になっちゃうところが惜しくて、もっと焦らしてくれたらより興奮したかも。注目すべきはシャンパンプレイ!どんなのかはぜひお話の中で。
初、華藤さくひん…といっても他にも数冊所持しているのだがまだ未読で、これを先に手にとったのはひとえに高階さんが挿絵をやっていたからに他ならない。
忌まわしき過去の事件により心にトラウマを持ったまま大人になったかなり壊れた鬼畜攻め 近衛と寂しがりやなくせにそれを人に悟られないように強がってる強気受け三神…ってかんじかな~?
受けのしゃべり方とか違和感を覚えつつ読了。
心に深い闇を抱えた攻めは普段はクールなエリート然としているが、なぜか受けの前ではその本性を見せてしまいその豹変振りについていけないと思ってしまう人も入るかもしれません。
でも私、近衛みたいな危なさ加減って意外に好きなので、プッツン具合は結構楽しかったです。
壊れている攻めが唯一本性を見せられて楽で入られる相手とちいさい時から大人の愛情を十分に受けられず育って、いつも寂しがりやの寂しん坊カップルはちょっと共依存的でもあるね。
この本を一言で要約すると、
色々性格に問題ありな攻め様が、
純真な受けを貶めようと抱いたつもりが、
その純粋な心に触れるうち、真実の愛に目覚める
という、実にポジティブなラブラブ話。
CD化するなら
近衛@三木眞×三神@前野orゆうきゃんで、
ボディガードものは好きなんです。
心が壊れてる人も好きです。
そのあたりのツボにうまくはまったのか、久しぶりに華藤さんでおもしろかった一冊。
冒頭の出会いのシーンで、あまりにも簡単に受けが攻めを信用してしまうのがあり得ないと思いましたが、その理由が中盤以降、明らかに。
でも、どの設定も後出しにつぐ後出しで、そのへんが甘いといえば甘いかも。
結末も、わりとあっさり。
それでも、イラストも話に合ってたし、わたしは楽しめました。
温度の低そうでいて実は執着系な攻と、熱血苦労人な受。
ドラマチックはドラマチックだけどイマイチ共感が出来なかった。
特に二人の出会いである海外でのアバンチュールは……
海外で傭兵をしていた三神に初めから利用するために近づいた近衛ですが、この二人が出会って恋に落ちて寝るまでがものすごい勢いでファンタジーというかマジックというか。
キレイっちゃキレイなんですけども、どうも納得がいかなくて。
入り口で躓いたせいでその後の展開にも入り込めませんでした