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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
救護院(現在の児童自立支援施設)が舞台の「先生」。
1990年代のお話だそうで、“救護院”という名称がそのまま使われてます。
同じ救護院出身者を主人公にした『未然の恋』が既に出ていますが、読んでいなくても全然大丈夫。そちらのカップルが救護院にチラッと登場しています。
父親から暴力を受け、その父を刺した罪で救護院に入っている清馬。
彼の高校受験を助けるため勉強を見てやってほしいと頼まれたのをきっかけに、暁生は6歳も年下でまだ中学生の年齢である清馬に惹かれていく。
大人びていて、凛とした硬質な雰囲気を持つ孤高の清馬には、特別な存在感がありました。そして、自分の姉を守りたいから看護士になる資格を取ると、目標に向かって努力する姿は真っ直ぐで暁生の心を打ちます。
しかし、そんな彼がある日、突然脱走してしまいます。
その現場に居合わせた暁生は、故意に周囲への連絡を遅らせ清馬の脱走を助けてしまう。
それは清馬への恋心が募り、そばにいることが辛くなった暁生の自己保身でもあり、すぐに発見されて戻ってくる、その間の短い冷却期間・・・という安易な考えもありました。
ところが、清馬はそれきり戻らず。
暁生は生涯忘れられない恋を失ったことを知ります。
その後の再会のお話が「未冷の熱」。
男に襲われそうになった暁生を助けてくれたのが十数年ぶりに再会する清馬。
しかし、男を相手にする暁生を知った清馬は、「そんなに遊びたいなら、俺でどうだ?」と突然キスをしかけてきます。
清馬への恋心は未だに冷めておらず、再会の喜びと驚きで暁生はなすがまま、清馬と寝てしまいます。
そこから始まる体だけの関係。
言えない恋心・・・という展開ですね。
こういうパターンの場合よくあるように、年下男の方が執着してるのかと思っていたら、執着しているのは年上の方でした。
正確には清馬にも暁生への想いはもちろんあるわけですが、話としては「年下男が好きで好きで、いけないと思っていても消せない恋の炎」というヒロインの悶々がメインです。
ついダラダラ長くあらすじを書いてしまったけど、話としてはどってことないです(そんな・・・。笑)
暁生のグルグルはちょっとウザいと思う部分もあったし・・・。
でも、私は清馬のような硬派タイプのキャラは好みで「萌え」を感じるので、そのあたりを楽しみつつ読みました。
自分の名を呼びながら自慰することを強い、「どうして」と問う暁生に答えた「あなたに欲しがられたい。それだけだ」という清馬の台詞が、強烈にセクシーな殺し文句だなと思った(笑)。
こういう硬派な強面風に「あなた」って呼ばれるのもキますね。