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kyoufu no otokotachi
電子書籍で読了。挿絵有り。
アルメニアで死にかけたアッシュはパルミラで起きたことも傭兵時代のことも全て忘れ、全く無垢な存在としてイライジャに保護されています。イライジャはソ連に亡命を望んでいる英国海軍提督の息子を東側に連れて行く仕事を請け負っているのですが、米ソの陰謀が入り乱れる中、トウキョウ・ジョーに嫉妬をかき立てられたアッシュの行動によって瀕死の重傷を負います。ショックを受けたアッシュは精神に異常を来し、外界への反応を全て閉ざしてしまいます……と、ここまでが前半。
イライジャは死の淵から生還し『神の庭』と呼ばれる古城でアッシュの世話を行います(これが実にマメなんだ……)。『神の城』は以前、イライジャがライラと暮らすために買い求めたもの。ベトナムでの傭兵時代にライラはイライジャとの間に子どもが出来ていたんですね。でも、終戦までベトナムに残る事にしたライラはその子どもを亡くしてしまったという過去がありました。イライジャの介護によって、アッシュは言葉を発し歩けるようになるのですが、記憶が戻るのではなく、まさしく赤児からの『育ち直し』状態。銃の暴発事故をきっかけとして、イライジャはアッシュを施設に預ける決心をするのですが、再び追いて行かれる恐怖にさらされたアッシュが封印されていた記憶を解き、全てを思い出します。失われた体力を戻し怪我を治すためのリハビリを行っている最中に、パルミラ脱出の際に辱めを受けさせないためにアッシュが手にかけたはずの妹、イェンホワが「兄を捜している」旨の広告が新聞に大々的に載っていることを発見します……ここまでが後半。
一作目のレビューにも書きましたが、米ソの陰謀や傭兵という世界観にしては、登場人物の行動が衝動的すぎる感じがしてしまい、それが気になって気になって……。ストーリーは骨太だからこそ、私にはどうもしっくり来なかったです。
また、男×女の恋愛物語が地雷な方は、ガッツリそういう話ですので、多分向かないと思います。