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たけうちさん作品の中では完成度としてみればちと低め。
でも好きなんですよねー、構成は多少甘い部分があるんだけどそれを超える程の凄くいい台詞が沢山詰まってて、独身なのに7人の子供を引き取って育てちゃう伝次郎(実子は長男のみ)は変わった人だけどポロッとしみじみ良い事言います。
ある事件が切っ掛けで半年不登校を続けている節ですが自分でもこのままじゃいけないと思っていて、でもどうしようもない部分があって今のままでいるよりはと従兄弟である伝次郎の家に住み込みで7人の子供達のベビーシッターを引き受けます。
不登校といってもいじいじとするタイプではないんですが、ただ節は怒るという事をしません。
長男、童夢を筆頭に7人の子供達は口絵に全員のキャラ絵が載っているのでそれがひじょーーに分かりやすく読んでる最中に口絵を捲っては確認しつつ読みました。
子供達と伝次郎の関係、特に唯一の実子である童夢を軸にちょっと変わったけれど自然な家族愛が書かれます。
伝次郎は15歳にして5歳の節を見初めていて、節が伝次郎の厳しい父親に向かって「俺ならこの人を絶対怒ったりしない」と伝次郎にプロポーズした時からずっと彼は節に心を掴まれてしまった。
それから10年以上、彼等はほとんど接点が無かったので再会物だとも言えます。
クソババアこと家政婦さんがいい味出してて、少しずつ変わってる人が出てくるのだけどそれがこの世界観にはとても合っていて馴染んでます。
激しいBL要素やエロシーンを求める人には向かないと思うのですが、自分はこのたけうちさんの産み出す空気感がとても好きなのです。
挿絵の夢花さんの絵は透明感があって好き。今回特に口絵の全員キャラ絵は登場人物が多いだけにもっそい便利でした。
節(受)の視点で進んでいきます。
7人の子持ち(実子は1人のみ)である伝次郎(攻)とのふんわりハートフルな作品だと思いました。節の語りに流されて、作品の世界に入っていると二人の恋愛や、家族との関係が微笑ましかったです。
ただ、私はどうにも伝次郎に好感が持てなくて…。
常識に捕らわれないところが魅力なのでしょうが、家庭教師を妊娠させたとか、根負けしたからと宗雪と3年付き合うとか、どうにも緩い部分が気になってしまいました。まぁ節が幸せなら良いんですけれどー。それと、宗雪が最初から最後までいろいろ画策するのですが、後を引くものではなかったのであまり気にならなかったです。
節が再会した章が、過去の顛末で私が想像していたよりも、煙草吸うとか、男らしく格好良くてちょっと驚きました。イラストも素敵でしたし。友人枠で終わるのがもったいなくて、健気な童夢とお似合いかもと妄想しました。