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renai no jouken
予備校教師の浅倉は、教え子である篠原と付き合っていた。
彼を組み敷き、屈辱と快感が混ざり合った表情を見ることで、自分の欲望を吐き出していた。
篠原は、浅倉によって開発され、他の男を知らないせいもあってか、浅倉の思うがままに喘がされていた。
そんな篠原を愛しく思う一方で、浅倉は「自分が喘がされる立場になるなんて考えられない」と胸のうちでは考えていた。
ところがある日、浅倉は篠原から「距離をおきたい」と一方的に告げられる。
怒った浅倉は、そのまま篠原と別れてしまうけれど、その現場を浪人生でありながら、トップの成績を維持し、尚且つ、ベンチャー企業の社長までしている加藤という他の生徒に見られてしまう。
そして、加藤から「復讐しませんか? 二人で」と持ちかけられる。
何でも、篠原が浅倉と別れた理由が加藤の恋人とよりを戻そうとしているから――。
加藤の口車に簡単に乗せられた浅倉は、「恋人らしくするため」を理由にあれこれされてしまう。
絶対に受身になるのだけは嫌だ! と思っていた浅倉だったが――
という感じで、自分が「攻め」だと思っていた浅倉が、加藤の出現によって「受け」の才能を開花されてしまうお話。
それはそれで全然構わないんですが……。
どうにもこうにも、物語全体に優しさが足りない。
それとかなり説明不足……。
浅倉が加藤に無理やり犯されそうになって、浅倉が怯えるシーンがあるんですんが。
実は、浅倉には父親に虐待されていた過去があって、暴力に怯えているんだけれど、そのことに関しては加藤は一切無視。
行為を止めることなく、最後までいってしまう――
確かにそもそもが「無理やり」なので、いちいちそんなことで手を止めていてもしょうがない、というのはあるかもしれませんが、それでも「BL」であるのならば、手を止めて「どうしたの?」って聞いて欲しいのは私のわがままかなー……。
おまけに、篠原が結局どうして浅倉と距離を置きたいと思ったのか、はっきりしない。
加藤が無理やり浅倉を犯す場面に現れるけれど、彼が何に納得して去って行ったのかも、結局のところよくわからない。
そんな感じで、私がBLに求めるものとちょっとした差異があったのが、残念だったなー……と思いました。
自分が攻めだと思い込んでる人間が実は受けだったっていう設定としては面白かったんですけど。