お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
中編が三つ入ってます。
金丸マキさんは、コミカル作品とシリアス作品、両方書けるんですねぇ。
『絶対服従』
幼馴染みものです。
いわゆる下克上。
昔庇ってた幼馴染みが、成長して自分よりカッコよくなってムカつく!みたいな。
タッチはコミカル。
この表題作より、以下のシリアスでダークな路線の二作のほうが面白かったです。
てか、その淫靡なダークさにゾクゾクきました。好きなタッチです。
『あなたに今夜は殺意をそそいで』
義理の父親にずっとレイプされてる少年の話。
少年の冷めたモノローグに、ヒヤリとしながら読みました。彼は、内側で狂気をゆっくりとあたためているのだ。
痛い話です。
『夕暮れのバス』
ニオイ系かな。
五歳児まで退行してしまった弟と、二つ年上の高校生の兄の話。
崩壊した家庭のなかで、弟の世話を押し付けられて、少しずつ心をむしばまれていく兄の孤独が、胸に痛い。
ラストに救いもないです。
なんとも言えない余韻だけが残りました。