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irregular Christmas
作家さんの新作発表
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「ホーリーアップル」の関連作ということで、シリーズ途中ですがこの巻だけを先に読んでみました。
20年前に書かれた、20年前のニューヨーク。
ほぼ40年近く前を舞台にした話です。
「ホーリーアップル」のハリーが、あんなにもぐずぐずと喪失感を引きずったままでいるような、日本に帰ってしまった恋人がどんな人物だったのか。
どんな風に出会って、どんな風に愛し合ったのか。
ハリー視点で語られる物語は、結局のところ、遼一郎の生い立ちも、何故ニューヨークに来て、何故ユキノを助け、何故美雪を引き取って、そして、何故ハリーの「愛してる」を受け取らないままで日本へ帰ったのか、全く何も明かされないまま、ハリーはただ置き去りにされて終わってしまいます。
さすがに、これは、このままではハリーがかわいそうすぎる。
「厄介な連中」本編シリーズの中での、この話の位置付けもわからない状態だと、かなり後味の苦い結末です。
でも、だからこそ、「ホーリーアップル」でのハリーとドイルの出会いが尊く思える。
読んでみてよかったです。
セルフツッコミ
このシリーズ、古い角川ルビー文庫と言うことで中古を探すよりは寧ろ…と思って検索したら、ありました、市立図書館に。
2000年以前の古い角川ルビー文庫とか講談社Xやホワイトハートって意外と図書館に収蔵されていて、開架書庫には出して無くても検索でヒットすれば借り出し可能。
とりあえずこのシリーズの図書館にあるの全部借りてこれから順番に読むつもり。
図書館の本は返却期限があるから、積み本にならなくて、逆にいいかも。
シリーズ5巻目で番外編、そして別レーベルから出ている作品「ホーリーアップルシリーズ」の番外編でもあります。番外編というより前作ですね。この本のラストがそのまま「ホーリーアップル」1巻の冒頭に続きます。
私は「ホーリーアップル」が大好きで、そのためこのシリーズも手を出し、それも1巻を読む前にこの5巻を読みました。そのためこの話のラストがどうなるかはわかっていたのですが、わかっていてもせつなくてたまらなくなるお話でした。
舞台は1980年代、治安の悪いニューヨーク。
軟弱でへたれな警官、ハリーと、年齢よりも早熟で皮肉屋で達観した日本人留学生、遼一郎の恋のお話です。
もちろん遼一郎の恋人は本編では別にいますので、こちらはあくまで若かりしころの遼一郎の短い恋としてわりきって読む作品だと思います。
過去編なのでいつもの面々は出てきませんが、これだけ単品で恋愛小説としても読めなくもないかな?という一冊です。
ただ、ラストは読めているものの、幕切れが突然なので、もしこれがシリーズものでなく、別レーベルで続きもでておらず、本当にこれで終わりのお話だとしたらあまりのせつなさに後を引きそうです。
三人の男女の奇妙な友情から事件が展開していくのですが、ハリーと留学生でしかもなにやら秘密を抱えた遼一郎がずっと一緒にはいられない不安をはらみながらも幸せを繕う作風がせつなくてなんとも言えない・・・。
恋人が出来て、上辺だけ幸せいっぱいを感じるのはハリーだけで、遼一郎が何を考えているかは最後までよみとれません。
愛してるとは一回も言ってくれないし、何を背負ってニューヨークに来たのかもハリーは一切教えてもらえません。愛してると言わなかったことが唯一の誠意だったのかもしれません。
でも息子の美雪の英語名に、遼一郎はハロルド(ハリー)と名づけており、その部分は何度か本編でも触れられています。
最初から別れの分かっている番外編なのですが、そのあっというまの別れも遼一郎らしいです。
だらだら別れをひきのばして惜しむよりこの唐突のラストは胸を打たれました。
あまりにあっというまの恋で、何かを考えるえる間に終わってしまって、読んだ後でじわじわ
考えてしまう作品でした。