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前作で薫に恋心を打ち明けた達彦。
薫も達彦と同じ気持ちまではいかなくとも、
達彦に友情以上のものを感じはじめていました。
そんな二人の前に立ちはだかるのが、薫の「不潔恐怖症」。
好きな人には触れたい、キスをしたい達彦ですが。
相手が薫では、それは叶いません。
多少、イラつくこともあるけれど。
いつか薫が自分の手を唇を自然に受け止めてくれることを待ち、
彼の「不潔恐怖症」を根気よく治していこうとする達彦は、
気が長いというか我慢強いというか!天晴れです。
いつまでも待てるくらい、薫のことが好きなんですね。一途です。
そして薫の仙台時代の親友が登場し、二人の仲の良さに達彦は嫉妬。
微妙に薫を巡るトライアングルに……好きな人には触れられない。
しかもライバルになりそう?な男も登場。
達彦には苦難の巻になりましたが、終盤には明るい未来を暗示させるような
甘い雰囲気にもなり、甘酸っぱくてニヤニヤ。
達彦と薫の不器用で初々しい恋と並行して、
もうひとつの問題・薫と両親の関係が描かれていきます。
「親子にも相性ってものがあるけど、その点、僕らは最悪だ」
と薫が語るように、両親と息子の擦れ違いっぷりがあまりに見事で辛すぎました。
達彦との恋、そして両親との確執。薫はどうなるのか?次巻で完結です。
『ラクーンなぼく』の続編です。
今読むとなんとももどかしいくらいです。このころのBLってこういうものだったのか、それとも単にレーベルのせい?←でも、パレット文庫でもびっくりするくらいH描写の激しいのも読んだことあるしな~。
でもあっさりHしちゃうBLを読み慣れていると、そこがかえって新鮮なくらいです。ホントになかなか身体の関係に行かないんですよ。もちろん、そこには薫の『ラクーン病(不潔恐怖症・強迫神経症)』からの接触嫌悪が関わってくるわけですが。
前巻よりも薫と親(母親)との確執が具体的に描写されて来るんですが、両者にはどうにも越えられないんじゃないかというくらいの溝があるんですね。
一人称(受攻交互)語り口調だからか、内容の深刻さのわりには重苦しくなり過ぎないんですが、私はこういうBLにおける『親子の確執』ネタがすごく苦手なので、その点が苦しかったです。
正直なところ、続きものだから『引き』があるのはわかってるんですが、この終わり方は後味よくないな~。まあ、次が気になるという意味ではいいんでしょう。
ラスト『凍えたハート』に続きます。